「海洋民族のルーツを探る・・」スギメ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
海洋民族のルーツを探る・・
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20万年前にアフリカで誕生した人類が6万年前に世界に拡散したグレートジャーニー、日本人のルーツは北方、大陸、南方から渡来とされているが本作は南方、琉球列島の島々から約3万年前の人骨が相次いで発見されたことから人類学者の海部陽介博士が海洋渡来説を唱え、古代人は如何にして海を越えたのかに惹かれ壮大な再現プロジェクトを立ち上げた、資金は主に募金により製作は国立科学博物館が行った。
タイトルのスギメとは実験に登場する船の名で杉の女神の略でスギメと名付けられたことによる。
実験は主に台湾から与那国島への225kmの手漕ぎ船での航海、行く手を阻むのは流れの速い黒潮、再現実験だから使えるのは古代の石器や天然材料のみ、幾度かの失敗を経て6年目、いよいよスギメが海に漕ぎ出された・・。
観ての感想は、そもそも3万年前の地形、潮流、気候はもとより人類の能力がよく分からないから実験の設定、妥当性については半信半疑、前置きとして各方面の専門家によるガイダンスが欲しかった。
個人的には29,000年前に起きた姶良カルデラ噴火や7300年前の鬼界カルデラ噴火で大きな気候変動が日本を襲い、糧を求めた海洋渡来人の末裔が海を渡り、インカに移住したという珍説の方が興味深いです。黒潮を克服した海洋民族の末裔が太平洋をも超えてしまったと考えると本作はまさにそのルーツをたどるロマンなのかもしれません、ただ内容はドキュメンタリーなので至極地味ですから、NHKの特番を観る程度の感覚でトライされたらよいでしょう。
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