マルケータ・ラザロヴァーのレビュー・感想・評価
全12件を表示
お能を見るような気持ちである。人物の個体識別が難しかったが、マルケ...
お能を見るような気持ちである。人物の個体識別が難しかったが、マルケータの目覚めは面白かった。『ベネデッタ』も思い出しながら。
音声とキャラクター設定がな
特に少女マルケータが頭空っぽなんかなんなのかわかんなくてイライラすることしきり。
それと音声がかなり聞きずらかった。整理してくれ。
もっと悪魔的で呪術的で不条理な映画かと勝手に思っていた。
中世の東欧の雰囲気は完璧にリアル。
あのリシュカの強烈な音楽で、とにかく持っていかれる。
カメラワークも強力。
特に修道院の象徴的な「白さ」は、モノクロの美しさの極み。
しかし、その「白さ」は、とても抑圧された「白さ」でもあり、それと対比した粗野な盗賊連中の野放図な動物性が、より一層と際立つ。
やはり中世のヨーロッパは本当にエグイ。
しかし、せっかく中世の世界へ迷い込んだかのように徹底的にリアルなのに陵辱シーンでヒロインを丸裸にしないのは、やはりこの当時(今でもか)の映画の限界を感じてしまう。
女優本人は嫌がっただろうけど、なんとか説得して欲しかった。
こんなことくらいで「所詮は映画か」とシラケてしまうくらいなら、陵辱は暗示させる程度でよかったと思う。
また所々で緊張感が途絶えてしまうのも残念な所。
もっと尺は短くて良かったと思う。
長い映画が苦手の人にはお勧め出来ない。
寝不足の日に観たら、たぶん途中で寝る。
寝ながら?も
なんだか、すごいものを観た感じ。
最初のほうの音楽は合唱でとても良い。
雪で地面が凍っている、雪解けでぬかるんでいるのは、ロケだからそのまんまなんだけれど、上手く時季を合わせたなぁと思った。
人の目になってカメラが動いているところとか、藪の中から見つめる誰か、とか黒澤明みたいだった。
祝!日本初上映! チェコの巨匠監督が暴く人間存在のエゴと欺瞞と信仰と・・・ 浮世離れした幻想的映像の中で人々が醜悪にしたたかに生きる中世の一大叙事詩
宗教と権力闘争に明け暮れる男共に翻弄されながらも愛を貫いた少女たちの逞しさを描く物語の重厚さを描きながらも、透徹とした山間部の自然とそこに生きる人々の悲喜こもごもを切り取った構図は美しく残酷で、それを人間の根源的感情を掻き立てるような音楽が彩っており、全てに於いて浮世離れした印象を受ける作品でした。
1950年代より都合10年掛けて段階的に制作され、製作費はチェコ映画史上最高レベルということで、登場人物の人数はそれほど多くはないのでどこにその配分が?と思いましたが、”当時の衣食住や風俗を再現するために当時と同じ素材・製法を採用する”という拘りが画面に満ち満ちています。
また、本作は中世の宗教対立・部族間衝突を描き、その最大の犠牲者として強調されがちな女性たちがその実、強かな強さを見せつけています。
主人公からして父親の仇敵騎士の息子にして報復のために自分を凌辱した男を宥恕して愛を育み、兄に同衾を強要された騎士の娘はそれを乗り越えて捕虜の伯爵子息と愛を交わし、彼が正気を失った末には介錯しています。
世の動静に揉まれて傷付けられながらも庇護者の押し付けの善意は断固拒否しており、自らの愛に生きる姿は非常に誠実です。
プライドや覇権争い、果ては欲をかいて身を亡ぼす醜悪な男たちと明確にコントラストを為しています。
本作は過去、そして同国製SF『イカリエXB-1』は未来の話ですが、どちらも人間存在の内面の真実を鋭く抉った作品であり、それこそは国体が常に激しく変化して来た歴史を持つ国家ゆえに生み出せた、あるいは生まれ出るべくして生まれ出たということなのかもしれません。
社会主義時代のチェコスロバキアで生まれた傑作
13世紀のボヘミア王国、部族間の抗争に王権と宗教が絡む混沌とした時代。厳しい状況の中で翻弄され続ける少女マルケータ。
・チェコ映画史上最高傑作
・「アンドレイ・ルブリョフ」「七人の侍」と並び評される
など、チラシの宣伝文句が凄いので観なあかんと。
まあ、チェコの映画を観ていないので比較できんし、タルコフスキー作品や黒沢作品に在る様式美、完成度と比べると見劣りするのだが、、、
1966年といえばロシアの影響下にあり社会主義国家であったチェコスロバキア。この時代にこんなにスケールが大きな、そしてある意味リベラルな作品が存在したのが奇跡。
やはり「必見」と言いたい。
日本公開に50年以上かかったのはなんかの呪いか?
チェコの昔の映画です。
今見ても凄いですが、人間関係複雑でわかりずらく、さらにアフレコのmixが酷くて誰がどのセリフを言ってるのかわかりません。
録音場所のせいか少しリバーブかかってて、
わざとやってるのでしょうか?
んなわけないよね?
まあ、あまり誰にでも勧められる映画じゃないです。
アート系、東欧好きの方はぜひ。
でも音楽はビックリするほど素晴らしく直ぐにサントラAmazonでポチりました。
いやーしかし東欧の映画はなんでこんなに絵がカッコいいのでしょう?斬新な構図、シンメトリー、構造美、さらに冬の残雪が素晴らしいコントラストを作っています。走り回る野犬、枯れた枝に引っかかってる呪物。
田舎領主の娘と盗賊長の息子の恋バナなんですが、宗教や因襲、厳しい自然の中で翻弄される様がなんとも東欧、中世でたまりません。
美しいマルケータの三白眼が迫力です。
よくこの国からフスやフロマートカが(出たね)と…
プロットが難しくて、プログラム買って復習してやっと理解。
(1). 映画のゴッドファーザーIIだったか、忘れたけど。バチカンの汚職と絡めたストーリーでこんな一節があった。
「見なさい、この石はずっと水に浸かっているのに中は乾いている。ヨーロッパ人の信仰も同じだ」と枢機卿がマイケルに言う。全く同感で、
やはり一神教は人間には難しいんじゃないか。地域性に縛られる部分は確かにあると思う。それを無理するから今みたいにESやTKなどの異端がボコボコ出てくる。
(2). ザクセンはこの時代からボヘミアと繋がりが強かったことが分かったのは映画を見ての新発見。ツィンツェンドルフ夫妻もこういう流れで生まれたのだろうと納得。
(3). 妙にずっと残ったセリフは、
「あの女(アレクサンドラ)を捨てて下さい。お願いします‼️髪の毛はノミだらけ。体も臭いです‼️」クリスティアンの従者が必死で頼むところ。
自分が女性だからかな。中身違っても女性は常に何か言われてるに違いないだろう!
壮大な、とかフィルムオペラだ、凄い凄いと言われてる映画見てこんな事思ったが、別に良いでしょう…
モノクロの美しさ
素晴らしい映像美である。衣装も素晴らしい。人、馬やネズミも絶妙な光の当て方で美しく撮影され、生きているものが生々しくそこに映し撮られている。55年前の作品とは思えない美しさである。作品自体の品格もあって、現代ではなかなかこれほどまでに格調高い作品は撮れてはいないと感じた。モノクロはカラー以上に物語を語る事実が良くわかる。久々に味わう美の感動だった。
全12件を表示