「「戦争」の悲惨さが伝わってこない」戦争と女の顔 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
「戦争」の悲惨さが伝わってこない
もっと、戦争の悲劇を糾弾するような映画なのかと思っていたら、子供ができなくなった自分の代わりに友人に子供を生ませようとする女性と、彼女に好意を寄せるが故にその願いを叶えようとするもう一人の女性の物語であり、これでは、特に「戦争」を絡めなくても(子供を産めなくなったり、子供が死んでしまった原因が事故や病気であっても)、話が成り立ってしまうのではないか?
戦争の悲惨さや残酷さが身に染みて感じられないのは、一つには、彼女たちが戦場で従軍している様子が描かれないからだろうが、それにもまして、「戦争さえなかったら、幸せな人生を送っていたはずなのに」といった描写や台詞が欠落しているからだろう。
戦争によって心身ともに傷ついた女性と、その後遺症を描くのであれば、もっと別の切り口があったのではないだろうか?
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