劇場公開日 2022年7月1日

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「裏切りと殺戮が跋扈する地獄のソマリア内戦下に於いても南北朝鮮対立は揺るぎ無し! 果たして祖国の地を踏めるのか・・・」モガディシュ 脱出までの14日間 O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0裏切りと殺戮が跋扈する地獄のソマリア内戦下に於いても南北朝鮮対立は揺るぎ無し! 果たして祖国の地を踏めるのか・・・

2022年7月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

国連加盟を目指して韓国、北朝鮮がそれぞれ多数の投票権を持つアフリカ諸国へのロビー活動に励んでいた1990年、その相手先の一国であるソマリアで燻っていた内戦の火の手が上がり、両国の外交官とその家族たちが政府軍VS反乱軍の巻き添えや処刑の恐怖におびえながら国外脱出を目指すパニックムービー。
 監督は『ベルリンファイル』や『ベテラン』等のアクション映画で知られるリュ=スンワン。
 まずもって、それぞれの本国政府との通信が途絶した極限状況においてもお互いがお互いを亡命させようとする権謀術数・疑心暗鬼の仲に在り、個人レベルにおいても政治抜きには両国の関係が存立し得ない厳然たる事実に眩暈がします。
 その一方で脱出劇はヒリヒリハラハラで、珠玉はクライマックスの白昼堂々のカーチェイス。完全非武装の逃げる主人公サイドに対して負う反政府軍側は車載の重機関銃等の完全武装、という絶望的且つ一方的な力の差で、それがゆえに超大作『ワイルドスピード』シリーズと比べてのそのスリルのほどは勝るとも劣りません!!

O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)