エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのレビュー・感想・評価
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全部忘れた。面白かったことだけ覚えてる。
見終わって1時間経ったら、あらすじもほとんど覚えてなかったですが、面白かったという余韻だけ残りました。
突拍子もないストーリーはタランティーノで、実験的な映像はテリーギリアムや、色合いは蜷川実花やグリーナウェイも思い出されましたし、マトリックスにも影響を受けているでしょう。
最近見なくなったカンフーアクションに、ベタなコメディ要素として下ネタもあり、それでいてヒューマンドラマが根底でズシンと下支えしているため、涙してしまうシーンまで用意されているなんて、何が何だか分からなくなってしまいました。
色んなジャンルの映画が融合されているところからKing Gnuやmillennium paradeの楽曲のようだと感じました。
目まぐるしく背中を押す奇抜ムービー
あのときあの選択をしてなかったら、どうなってたかな こうなってなかったかも ってふと考えることがある。そう考えるのはいまの人生を肯定したいときなのかも。
この映画も いまの人生を肯定し 人との出会いの尊さを思い起こしてくれるけど いかんせん語り口が遠回りかつ忙しくて その一つ一つのネタに完全にはノリ切れず 少し退屈してしまった もしかしてマルチバースもの初体験だったってのもあるかな?
アカデミー賞は、無いだろ…
流石に下品過ぎるよなあ。
とはいえその下品さにも理由付けがされてるのが凄いけどね。こんな脚本良く思い付くものだ。
近年多発してるマルチバースものでジョー・ルッソが製作となれば、いよいよヨー姐さんのマーベル主演作が作られたのかと当初思っていたが、全然違った。
ストーリーは丸で知らずに観た方がこの映画は楽しめるので、あらすじ、というかどういうジャンルの映画なのかもここでは書きません。とりあえず相当に下品だとは伝えておこう(笑)。
ので自分自身前情報は入れずに観たのだが、実はストーリー以上にキャスティングに驚かされた。それもエンドロールで!
旦那さん役の俳優、初めて観るなあ、誰なんだろ。と、思ったら
なんとキー・ホイ・クアン!
全然初めてなんかじゃない、「魔宮の伝説」の準主役の子(当時)だよ。
今まで何処で何してたんだろう?確かテコンドーのアクション映画に出ていたので、カンフーは出来るのだろうが見事な腕前でしたね。オールバックのスーツ姿もカッコ良かった。
キャスティングディレクターは実に良い仕事をしたのではなかろうか。
そしてもう一人。税務所のおばちゃんと思っていたら実は準主役級の重要な役っだった女優さん。
ジェイミー・リー・カーティス!
「ハロウィン」でブギーマンに追っかけ回されてた(とどめを刺した人でもある)元祖スクリーミング・クイーンです。
今作では逆に主人公を追っかけ回します。
助演女優賞はこの人でいいんじゃないだろうか。
あと相変わらず巨乳です(笑)。
そして勿論ヨー姐さんについても書くが、アカデミー賞はべつに獲っても獲らなくてもいいんじゃないかと自分は思う。
ヨー姐さんがキングだった頃から活躍を観て来たが、ハリウッドでここまで認められただけでも実に感慨深い。
美人で素晴らしいカンフーの腕前で、二か国語を演技の差無く流暢に使い分けて、オマケに元ボンドガールでアウン・サン・スーチー氏まで演じている。
こんな女優さんはハリウッド広しといえどヨー姐さんだけだ。
毎年生まれるアカデミー賞女優なんかより遥かに貴重で価値有る女優さんだ。
でももし受賞したら我が事のように喜んでしまうとは思う。
ので、姐さんのファンなら観よう。
必ず観よう。
下品だけども。
3月18日 追記
ダニエル・クワン監督
作品賞、監督賞、受賞おめでとうございます!
自分の予想は見事に外れましたが、こんな外れなら大歓迎です。
キー・ホイ・クアンさん
助演男優賞受賞おめでとうございます!
まさに映画の様な復活劇ですね。
ジェイミー・リー・カーティスさん
助演女優賞受賞おめでとうございます!
世界中のホラーファンの溜飲を下げる名スピーチ、最高でした。
そしてミシェル・ヨー姐さん
主演女優賞受賞おめでとうございます!
あなたがこの映画でオスカーを手にした事が、アクションは演技の一部で有る事の何よりの証明になったと思います。
皆様の今後の活躍により一層期待します。
以上。
中年女性、移民、アジア人、そして母親
中年女性、移民、アジア人、そして母親である主人公の物語がアカデミー作品賞にノミネートされる時代。
長らく白人男性に独占されてきたオスカーだが、ノミネートされただけでも快挙だと思う。
しかも上流階級が上から目線でポリコレを押し付けるような説教臭い作品ではなく、どちらかといえばマニア向けのエンタメ作品として、だ。
レビューが賛否二分しているように、決して万人受けする作品ではない。万人受けする作品が観たいなら「フェイブルマンズ」を見ればいい。
全体的に下品で馬鹿馬鹿しいノリだが、日本のバラエティにありがちな人の容姿や体型を馬鹿にするような笑いはない。
というか馬鹿馬鹿しいことを全力でやっているが、登場人物たちはふざけているわけではなくいたって真剣なのだ。これはボーボボもマサルさんも同じだが。
そして役者たちのスキルと演技力が凄まじいせいで、馬鹿馬鹿しい設定なのに後半見事に泣かされてしまう。おかしい、こんなに泣く予定ではなかった。
家族のためと言いながら日々に忙殺されて家族に対し思いやりの欠ける行動をとってしまう主人公にも家族の側にも共感できる人は多いだろう。
母から見ればただの反抗期に見える娘も、何度母の無神経さに失望させられてきたか。
一見頼りなく見える夫もどれだけ妻を支えてきたのだろう。
これは壮大な宇宙の話でもありながら、ミニマムな家族の話でもある。
人生は確定申告のように面倒で思い通りにいかない日常の積み重ねだ。それでも一緒にいたいと思える相手に出会えるかはすべて日々の選択の結果だ。
アカデミー助演男優賞にもノミネートされているキー・ホイ・クァンは、長らく裏方の仕事に回っていたが、コロナ禍で仕事も激減し、保険証が切れるほど追い詰められていたらしいが、この作品で見事20年ぶりに俳優へのカムバックを果たした。
権利の関係もあるのかもしれないが、配給会社にはぜひともウエストポーチや目玉シールなどのグッズを売ってほしかった。あと確定申告に欠かせない領収証など。
追記:アカデミー7部門受賞おめでとう!特に主演女優賞のミシェル・ヨーと助演男優賞のキー・ホイ・クァンのスピーチが感動的だった。アジア系俳優が中国資本でもない作品で受賞できたのはとても喜ばしい。
優しくありたい
小学生の時に読んだ『火の鳥(未来編)』にて、広大な宇宙と極小な細胞が同じ形をしている、という描写があった。私が宇宙の中の小さな存在であると同時に、私の中にも広大な宇宙が広がっているという表現は、私の腑に落ちる内容で、今でも何となくそうなんじゃないかなぁとぼんやり思っている。本作の、宇宙規模の危機が最終的に家族の問題に帰着するという流れを見て、真っ先に火の鳥を思い出した。
一つの人生を生きる主観的な私にとって、生身の自分が感覚的に認知できる世界の外にある重要な出来事、たとえばウクライナ問題だったり、トルコ・シリアの地震だったり……よりも、目の前にあるごく個人的な、卑小な出来事の方が重要だったりする。「そんなことより今晩何食べよう」と言うのが本音ではないか。技術の進歩によって我々は今、自分の認知できる世界をどんどんと広げ、あたかも本当に見たかのようにそれを知ることができるようになった。本作のバースジャンプはもちろんフィクションであり、突拍子もない設定ではあるが、パンフのインタビューにて監督自身が述べている通りマルチバースはインターネットのメタファーであると考えるならば、私が「直接的に」経験していないウクライナ戦争もまた、「マルチバースの世界で起こっていること」と捉えても良いのかもしれない。 この物語の最も共感できる点は、目の前の問題、特に人間関係において、「相手に優しくする」ことが全宇宙を救うことにつながることだ。私自身、世界に起きている問題を解決することはできない。しかし、目の前の人に親切にすることによって、世界が救われると思って生きていきたいものだ。
では、「目の前の人」とは具体的に誰なのだろう。本作で示されている通り、それは「家族」である。自分の目の前には自分の家族がいる。隣に座る赤の他人にも、その人の家族がいる。自分の家族を大事にするためには、同じく相手の家族も大事にしないといけない。それがわかっていれば、誰に対しても優しくなれることに、本作を通じて改めて気づかされた。
では、なぜ家族を大事にしなければならないのだろう?それは「自分の可能性の一つ」だからだ。例えば親子、これは分かりやすい。DNAレベルで半分は同じようなものを持っているはずだからだ。本作でもエヴリン(ミシェル・ヨー)が娘のジョイ(ステファニー・スー)に思いをぶつける場面にて「自分に似てほしくなかった」と述べている。これは親であれば誰しも少なからず思うことなのではないだろうか。娘の中にある「似てほしくなかった、自分のなかにあるもの」を受け入れることは、そのまま、自分自身を受け入れることだったのではないだろうか。
巨大な物語を本作のように矮小なものに帰結させるのならば、この世界を生きる私にとって、「私を愛せるかどうか」が、そのまま「世界を愛せるかどうか」につながるということだ。「優しい」ということがどれだけ大事なのか。ウェイモンド(キー・ホイ・クワン)の言葉を大切に胸にしまいながら、優しく生きていきたい。
3.3) 「王様は裸だ」と正直に言える人でありたい。
今年に入り、映画館で観た作品はどれも当たり。
そろそろ地雷を踏む頃かな?と思っていたが、まさかこの注目作品でとは。
『マトリックス』を注文したら『レザレクション』が出てきた気分。
「カンフーで世界を救う」
まずこの宣伝コピーからして大嘘。
あくまでミニマムな「内面世界」の話なので期待は禁物。笑いの質も幼稚で「一体何を見せられているんだ」と言う気分に。1時間ともたずにこの作品世界にライドすることを放棄した。これなら日本のカルトアニメ(湯浅作品やクレしん劇場版)のほうが、よっぽどぶっ飛んでるし。カラオケも必要経費だからと言い切る「リベラル属性」作品でありながら、最後には強引に「家族」に帰結させる保守性にも疑問。もういい年の娘が母親の呪縛から解き放たれるのは、むしろ良いことじゃないか!
マルチバースってさ、
たとえ独りでも生きていけるための「心の命綱」なんじゃないかと『スパイダーバース』や『ノーウェイホーム』を見て思えたんだけど、本作でマルチバース設定が機能していたとは思えず。色んなバースのエブリンの能力がハイブリッドされるという訳でもないし。
「アカデミー賞の大本命」
こっちは残念ながら本当らしい。
なんでも本作が受賞することが、ハリウッドにおけるアジア人の名誉回復になる?とのことだが、それはここ数年『パラサイト』や『ドライブマイカー』という「純アジア製作品」が十分証明済みだと思う。結局彼らは「ハリウッド製」という自分たちの狭い箱庭でしか認めない、この作品を持ち上げることで自分たちの多様性理解をアピールしたいという闇をどうしても感じてしまった。セレブたちの自己満足に我々がお付き合いする道理はない。
何でも、どこでも、突然に。
つまり垣根を失くせということか。
ファミリー映画に下品なネタがインサートされるのは単なる悪趣味。それは女湯に「心は女性」が闖入することと同義(橋本愛さんを支持したい)。
ついに狂ったか!?アカデミー賞!?
作品賞、取っちゃったよ...。
本当に、イカれてんじゃねぇの?
少なくとも私はこの映画の面白さを一生理解できない。残念です。(2023年3月13日)
うっひょー笑笑笑 こりゃ意味不明だ笑笑
予告はものすごく面白そうで、今月トップクラスに期待していたんだけど、駄作もいいところ。決して、「面白くない!」って言う訳では無いんだけど、予告の方が本編よりも断然見応えがあったため、それは如何なものかと。2020「パラサイト 半地下の家族」、2021「ノマドランド」2022「コーダ あいのうた」と、昨年はその前の2年に比べて万人受けするいい作品だったのですが、本作は類を見ないテイスト。まさか、これが作品賞取るんじゃないだろうな...。
序盤は面白そうな映画が始まりそうな雰囲気はあったし、MCUで疲れきったマルチバースというジャンルを、目新しく斬新に切り込んでくれそうでテンションは上がった。ハチャメチャでカオスなストーリーは個人的には結構好みだし、開始20分時点では、珍しくアカデミー賞受賞(予定)作品で楽しめるタイプの映画かもと期待。ぶっ飛び方は意外と良いところを突いていて、刺さる人には刺さりそうなテンション感でした。
ただ、話が膨らんでいけばいくほど、「何を言っている」「何をしているんだ」の押収で、見るのが疲れてきてしまう。もう、どうでもいいやと投げ出したくなる。ごちゃごちゃで難しくて理解できないー!!じゃなくて、ただ単に要素をてんこ盛りにして観客を困らせようとしているのがキツい。結局はシンプルなところに落ち着くし、オチとしてはいいかもしれないけど、こんだけ馬鹿馬鹿しくハチャメチャにやってきたのはなんだったんだ、って思ってしまう。
何故そんなにすぐ受け入れられる?という疑問も残ったり、ソーセージの国に気分がめちゃくちゃ悪くなったり、理解不足なのかベーグルは本当に意味がわからなかったり、とにかく全然ハマれなかった。プロレビュアーがこぞって高評価つけているのには、なにか理由があるのでしょうか。エンドロールが流れ始めると、「ああ、ようやく終わってくれた」と、思わず言いそうになるくらい、退屈でした笑
どの部分がアカデミー賞受賞のきっかけなんでしょうか。いやまぁ、斬新ではあるんだけど、面白いか面白くないかが最重要じゃない?これなら、「バビロン」が受賞して欲しいんですけど。デイミアン・チャゼルが2回も作品賞に導いて欲しいんですけど。...かなりガッカリです。やっぱり、アカデミーにはもう期待しません。
追記(2023年4月6日)
コメント頂いて初めて知ったのですが、どうやらアカデミー賞が2024年から作品賞の審査基準を大きく変えるようで、それがあまりにも狂っていたためご紹介。検索するとすぐ出てくるのですが、もう3年も前の記事。本当に怒りでしかありません。
人には常に、無限の可能性があるという現代のファンタジー。
人生とは選択の連続によって形成されるもので、主人公のエブリンはその選択の末、八方塞がりになっているのだが、その彼女がしてきた無数の選択の向こう側にある無限のマルチユニバースに触れてもなお、今自分のいるユニバースに向き合えるのか?がこの作品のテーマ。
最終的にエブリンは自分の中にあった可能性を様々に経験してもなお、このどん底の八方塞がりで生きて行かねばならない。自分の過去にした選択を後悔したとしても、その選択をしたのは誰でもない自分であり、そして生きていく限りはその先も無数の選択をし続けなければならないからだ。でも言い換えればその先にも同様に無限の可能性が常にあるという事。この中々に哲学的なテーマを、マルチユニバースというカオティックな世界観で目まぐるしく見せていくのがとても新鮮で、現代のファンタジーとでも言おうか。ただ、一見アクションあり、笑いありの娯楽作品のような親しみやすい成りをしているが、この作品独自のユニバースの野放図な概念やルールが、一筋縄ではいかない難解な後味にしている。正直いえばそのラストまで緩むことのない怒涛の展開に感情が追い付かず、エンドタイトル中もずっと頭の中は、混乱したままだったのだが…。
そのカオティックな作品の中で、主人公エブリン役のミシェル・ヨーは、繊細で情感豊かな演技を見せ、さらには衰えぬアクション演技もしっかりと見せ、この難しい作品のエモーショナルな軸となれば、ステファニー・スーが自身のアイデンティティーを母に容認されず苦悩する娘役と、ユニバースを消し去ろうとする悪役とをシームレスに演じ、多彩な表現力を見せる。この2人の演技が本作の白眉だが、80年代スピルバーグ作品で活躍した子役キー・ホイ・クワンの復帰も嬉しく、優男の夫役で味わい深い印象を残している。
Be Kind, My Friend. リー師父没後50年、カンフー映画頂に達すっ!!
日常に疲れ切った平凡な中年女性エヴリンが、何故か全マルチバースの命運をかけて謎の存在と戦うことになるというSFアクション・コメディ&ヒューマン・ドラマ。
製作は「MCU」シリーズの、映画監督アンソニー・ルッソ。
👑受賞歴👑
第95回 アカデミー賞…作品賞、編集賞、脚本賞、監督賞、主演女優賞(ミシェル・ヨー)、助演男優賞(キー・ホイ・クァン)、助演女優賞(ジェイミー・リー・カーチス)!✨✨✨✨✨✨
第80回 ゴールデングローブ賞…主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)、助演男優賞!✨
第48回 ロサンゼルス映画批評家協会賞…作品賞!
第38回 インディペンデント・スピリット賞…作品賞、脚本賞!✨
第28回 放送映画批評家協会賞…作品賞、オリジナル脚本賞、助演男優賞!✨✨
第18回オースティン映画批評家協会賞…作品賞!
今年2023年は、偉大なる武術家ブルース・リー師父が没してから丁度50年という節目の年であります。
そんなメモリアル・イヤーに日本公開されたこの作品、通称『エブエブ』。
還暦を迎えたカンフー・スター、ミシェル・ヨーが縦横無尽に動き回る奇想天外な一作!
すでにアメリカでは公開済みであり、同国の賞レースを席巻中。今月13日に開催される第95回アカデミー賞も、本作が主要部門を独占するのではないかと目されています。
本作は「マルチバース」という多元宇宙論を軸に物語が展開していきます。
マルチバースと聞くと、やはり思い浮かぶのはアメコミヒーローが大活躍する世界最大級のフランチャイズ、「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」。
MCUもまさに今、「マルチバース編」という新シリーズに突入したところなのです。
面白いのは、本作の製作を務めているのがMCUシリーズを世界的フランチャイズにまで成長させた張本人、アンソニー&ジョー・ルッソ兄弟であるということ。
詳細は不明だが、中心人物であったはずのルッソ兄弟は、現在マーベルとは完全に袂をわかってしまっている。
そんな立場にある彼らが、MCUと全く同じ題材を用いた作品を公開したという事実は非常に興味深い。
だってこんなん、ある意味クーデターみたいなもんでしょ。日本プロレスから独立して新日本プロレスを立ち上げたアントニオ猪木みたいなもんでしょ。
一大組織マーベルに真っ向から喧嘩を売ったルッソ兄弟。彼らの今後には要注目ですね。
さて、各方面から大絶賛の嵐を受けている本作。
まず言わせてもらうと、この作品は例えば『トップガン マーヴェリック』(2022)や『RRR』(2022)といった誰が見ても楽しめる超娯楽作品ではございません!
芸術性の高い作品を発信し続けている映画会社「A24」が配給を行なっていることからも分かる通り、アチョーーッ!的カンフーアクション映画ではなく、むしろ純文学的な香りが色濃い思想性の強い一作となっています。
なので、ミシェル・ヨーが主演だからといって『ポリス・ストーリー3』(1992)みたいな作品を期待していると「?」となってしまうことでしょう。
まぁこれは正直宣伝の仕方が悪い気もする。#エブエブとか言ってるけど、そう言うノリの映画じゃないからねこれ!!
確実に賛否が分かれるであろう本作。
個人的には………大絶賛!!!大号泣だぜメ〜〜ン!😭😭😭
正直、前半のギャグパートは結構滑ってたと思うんですが、終盤の展開には涙が溢れて止まらない…。滂沱の如く泣いちゃいました…💧
特に石になったエブリンが娘を追いかけるシーン。あんなもん泣くに決まってんだろうがっ〜!!
MCUが完全に持て余しているマルチバースという概念。本作はこのマルチバースの扱い方が上手いっ!
別宇宙の自分の能力をインストールして戦うという設定は最高に楽しく、そしてこのマルチバースという設定が、自分の人生も他人の生き方もマルっと受け入れるべしという本作のメッセージを表現する上での必要不可欠な要素となっているところが素晴らしい✨
ルッソ兄弟がマーベルに対して「マルチバースはこうやって扱うんじゃい!!」と突きつけているかのような、見事な作劇だったと思います♪
もう一つ語っておきたいのは、役者陣の素晴らしさ。
御年60歳のミシェル・ヨーによるカンフーアクションの素晴らしさは言うまでもありませんが、何より良かったのは頼りない旦那さんを演じたキー・ホイ・クァンさん!!
『グーニーズ』や『インディ・ジョーンズ』に子役として出演していたらしいのですが、私はこれらの作品を観ていないので彼に思い入れはありません。
それでも、彼の演技力の素晴らしさには目を惹かれずにはいられなかった。
ひ弱な旦那さん、頼りになるエージェント、そしてトニー・レオンのような影のある色男まで、同じ人とは思えないほどに演技の幅が多彩。そしてカンフーアクションもキレッキレ!
何より顔がジャッキー・チェンに似ている!!
もう素晴らしいとしか言いようがない。本作で20数年ぶりにハリウッド作品へカムバックしたらしいのだが、これだけの能力を持った人が表舞台に出てこれなかったというのは、いかにハリウッドにアジア人俳優の居場所がないのかということの表れなように思える。
本作出演によってゴールデングローブ賞を獲得したクァン。このままの勢いでオスカー像もゲットして欲しい。
先にも述べた通り、本作はアクション映画というよりはヒューマン・ドラマ。それにかなり観念的な内容になっているため、観る人を選ぶだろう。
人によっては「ベーグル」の件でついていけなくなってしまうのではないかと思う。
個人的には、本作はかなり村上春樹っぽい作品だなぁ、と思いながら観ていた。村上春樹好きだからこそ、この作品をすんなりと受け入れられたという点もあるように思う。
世界を滅ぼすベーグルというのもいかにも村上春樹的なモチーフだと思ったし、あるユニバースでの行動が他のユニバースに影響を及ぼすというのも「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」(1985)を思い出させる。
もしかしたら本作の監督/脚本家であるダニエルズはハルキストだったりしてね。
難しいようでいながら、最終的には「人に親切になろう」というド直球なメッセージを愚直なまでに観客に届けようとする。このダサさと汗臭さ、そりゃ号泣するだろこんなもん😭
結局これに勝るメッセージなんか、この世の中に何一つとして無いんだから。もうこれだけでこの映画最強っすわ。気が狂いそう〜♪やさしい映画が好きで〜♫
ギャグが滑り気味だったこと、思ったよりもカンフーアクションが少なめだったこと、この2点を除けば完璧な作品だったと思います。
ブルース・リーが切り開いたアジア人のハリウッド進出。彼の死後50年にして、ついにここまでの精神性と娯楽性を併せ持った大傑作が誕生したのだという事実に嬉しみが止まらない!
「Be Kind, My Friend」。この精神でこのバースを生きていこう、そう思える一本でした!✨
オススメ!!!アチョーー🔥
※この作品、旦那…ジャッキー・チェン、娘…オークワフィナというキャスティング案もあったらしい。
この2人が出演しているマルチバースも存在しているということですね。そっちも観てみたい!!
頭は真っ白にして観る
大好きなハリーシャムJr.が出ているので、以前からチェックしていた作品。
何やらアカデミー賞にノミネートされたりと、アジア界隈が賑やかだ。
色んな映画へのオマージュと、どこまで行くの?と思わせるネタが、マルチバースという名のなんでもOKな状態で流れてくる。
確かにこれは…演じる俳優陣は凄いので、ノミネートは納得。
ただ、犬はガンガンしちゃうような内容の映画でも、女性同士のカップルを入れてくるんだなーと。
最近見たいくつかの作品でも、女性カップルがメインにいた、男性よりは描きやすいからか?
アカデミー賞?という先入観で観てしまったら、そりゃあレビューは荒れるよなーと実感。
私はハリーの活躍だけで充分なので、彼に星3つです。
マルチバースに手を出すな〜ポリコレ受賞
Everything(前編)
Everywhere(後編)
All At Once(エピローグ)
の3部?構成。
シナリオは難解かつ複雑。しかも全体的に不親切。
途中から大学の講義を聴いてるような感じの展開に。
で、何回か落ちたzzz(=_=;)
また予告編の勝利か…。
字幕で見る日本人にはあまり気にはならないが、音声のみで聞く場合、中国語と英語が混在して進行しているのでネイティブは少し混乱するのではないかとも思った。(中国系とはいえアメリカ生活が長く中国語が苦手だったり、中国人俳優で英語が苦手とかあるからか)
日本語吹替で鑑賞するとまた違うかも。
いうほどアクションもなく…
ジャッキー呼んでもよかったんじゃないか?
悪役?はジェイミー・リー・カーティスだったのか。
という驚きと、
キー・ホイ・クァンの復活に感動。
数々の受賞には素直に喜びたい。
個人的にはわからん
けっこう怖くてぜんぜん話しが頭に入ってこなかった。
コメディと聞いていたので、SFファンタジーテイストのぶっ飛んだコメディかと軽い気持ちで見たら、けっこう怖くてずっと目を閉じてました。
そっか、中国かぁ..と観たのを後悔しました。
ちゃんと観れる人はけっこうおもしろいのかも?
一瞬、ジャッキーチェンかと思ってびっくりした。
なんか、第三の目とか宇宙とかエイリアンとかパラレルとか出てくるし、深いお話しなのかもしれないし、
逆に小さな点をこれでもかってくらいめちゃくちゃ広げて描いてるだけなのかもしれない。
私には深さも分からず広げられた点のように感じたし、絵的に観ることができなかったので、ぜんぜん面白くなかったけど、もしかしたらめちゃくちゃすごい映画なのかもしれない。
見れる理解できる人の感性で観てみたいなと思った。
これだからプロのレビューは当てにならん
アカデミー賞候補?ゴールデングローブ賞受賞?
やっぱ評論家のレビューは当てにならんわ
だから素人レビューをしっかり読み、そっちの方が信憑性があると思い映画を選ぶようになったんだった。
久々にやられたわ。
ミシェルヨーとキーホイクァンに罪はない
絶望に効く薬は?
コメディ、下ネタ、名作のオマージュ、すがすがしいほどカオスだけど、メッセージは意外とシンプルだと感じた。
絶望に効く薬(っていう漫画あったよね)は、優しさをもって相手を受け入れること…。
「ずっと君を見ていた」「世界の最後にこの世界の君に出会えてよかった」、とさらりと告げるアルファ世界のウェイモンドの台詞がじわじわ胸を締め付けます。
アルファ世界のジョイは、無理矢理バースジャンプを体験させて虚無を味合わせた母親を憎んでもいるし、また、他の世界の母親が救ってくれるのではと期待もしている。何をどう行動しても人生に意味はないという虚無感からベーグル(ブラックホール)へ母親を道連れにしようとする。結局、愛憎の混じった究極の反抗期。
「人生の意味」については、意味を考えること自体が無意味だと私は思う。人は「意味という概念を持たない」他の動物と同じく、「どうにかして生きる」目的で生きているだけだと思う。人生は「目的」を見つけ、それをこなしていく連続した営みでしかない。
永遠の時間と命を与えられたらきっと人間は考える肉体と化し、しまいにはそれにも飽きて無となるんじゃなだろうか。あの考える岩というのはすごく抽象的だけども、けっこう平凡でもある。
宇宙に比べたら税金なんてたかが数字で、人間は他人(先人)の決めたルールに雁字搦めになってくだらない時間を過ごしているかもしれないけど、結局生きている以上、対処していくしかない。
そしてどの世界にいても、気持ちを向けてくれた相手に心を開かなければ閉じているのと同じ…。人間は岩と違い、一人では幸せを感じられない生き物。ジョイは本当は幸せに満たされたいからこそ、家族の存在に苦しんでいたんでしょうね。
レミーのおいしいレストランから、2001年宇宙の旅まで、似ているけどちょっと違うパロディ世界や、お尻の穴に優秀賞のトロフィーを突っ込ませるなど(そんなものくそくらえって?)、下ネタもぶっこんで大いに笑わせるけど、移民問題やLGBTQも絡めて、みんな短い人生なんだから認め合って楽しく生きようよ、という暖かな愛に満たされた映画でした。
それにしてもマルチバースはマーベルしかり最近のSFで流行っているけど、このエブエブで一つの集大成なのではと思うね。肉体が行き交うのではなく、精神が行き交うという新しい描き方。
肩車アクションはRRRを彷彿とさせたけど、制作時期的にかぶらないからまさか違うよね。子供の当時インディやグーニーズに夢中になった世代(グーニーズ2の企画は頓挫したらしい)、ヒサビサのキー・ホイ・クァンには感無量でした。
笑って泣きながら人生観を噛み締めた
MCU作品などですっかりお馴染みとなったマルチバースを、現代のアメリカの下町で再現したアイディアが秀逸である。どうということはない家族再生のドラマなのだが、それを全宇宙的なスケールで描いた所が痛快である。
監督、脚本は「スイス・アーミー・マン」のダニエル・シャイナートとダニエル・クワイ。通称ダニエルズ。前作「スイス・アーミー・マン」もかなりシュールでナンセンスな作品だったが、今回も二人の独特のぶっ飛んだ感性が至る所で炸裂しており、かなりクセの強い作品になっている。
何と言っても目を見張るのが、凝りに凝ったポップでファッショナブルな映像の数々である。両ダニエルは元々MV畑の出身ということで映像に対するこだわりは相当に強い。そのこだわりが映画全体から感じられた。
例えば、エヴリンが別の宇宙の彼女に乗っ取られる瞬間を描く”ジャンプ”の描写は、観ているこちらも画面の中に引きずり込まれそうな興奮が味わえた。さしずめアトラクションゲームを体感しているようなワクワク感を覚える。
あるいは、マルチバースのエヴリンはカンフー映画のスターだったり、歌手だったり、シェフだったり、様々な人生を歩んでいる。当然それぞれに悩みや葛藤、喜び、家族がいるのだが、映画は彼女たちの人生もフラッシュバックで万華鏡のように見せていく。まるで1本の映画の中にいくつもの映画が混ざっているような多彩なトーンの取り合わせに眩暈を覚えるほどだった。
中にはアニメや人形のエヴリンまで登場してきて、一体どうやって収集を付けるのかと思いきや、クライマックスにかけてこれらは見事に一つの結末に向かって収束していく。この計算されつくされた演出にも唸らされた。
また、本作はSF映画であると同時にカンフー映画でもある。「マトリックス」シリーズよろしく、カンフースターの時のエヴリンが見せる超人的なアクションシーンもケレンに満ちていて面白く観れた。ユーモアとファンタジックな要素が加味されることで一味違うものとなっている。
ただ、一部のギャグで下ネタが出てくるのでそこは注意が必要かもしれない。前作でもその傾向は強かったので、このあたりはダニエルズ監督の作家性の一つなのだろう。好き嫌いが分かれる所かもしれない
一方、物語はSFとして捉えると細かな点で色々と突っ込み処が目立ち、個人的には余り感心しなかった。
そもそも”ジャンプ”するためには両耳に取り付ける装置が必要なのだが、これが一体誰がどのように持ってきた物なのかよくわからない。百歩譲って意識や能力が脳や肉体に宿るという理屈は分かるとしても、この装置のような有機物をどうやって現実世界に持ち運ぶことが出来たのだろうか?また、”ジャンプ”するためには変なことをしなければならないという法則があるのだが、これも成功と失敗の判定が今一つよくわからず、何かしらの一貫した基準が欲しい所である。
おそらくだが、敢えてこのあたりの設定を緩くしてナンセンス・コメディとしての面白さを狙っているのだろう。しかし、これがエヴリンの脳内妄想だけの世界だったら”何でもあり”として許容できるのだが、マルチバースというSF設定を持ってきたせいで、そこの割り切りがどうしても自分には難しかった。
物語はクライマックス以降、意外なほどウェット感を増していく。笑いながら観ていると思わず足元を掬われ、これには良い意味で予想を裏切られた。本作が他のコメディ作品と違う所はここだろう。何だかんだと言って、最終的に王道な家族のドラマへ持って行くあたり、実にしたたかである。
また、エヴリンが他の人生を知り、今の自分を顧みる終盤にはホロリとさせられた。成功や失敗、人生は人それぞれであるが、それでも生きることの尊さは変わらないのだな…と。たとえそれが石ころの人生でも幸福の価値は平等なのかもしれないと、観終わって何だか勇気が貰えたような気がした。
キャスト陣ではミシェル・ヨーやキー・ホイ・クァンといった懐かしい面々を久しぶりに見れて嬉しくなった。夫々にアクションシーンにも果敢に挑戦しており、シリアスとユーモアを織り交ぜながら好演している。
エブエブ
2023年3月8日
映画 #エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス (2022年)鑑賞
この設定、この出演者で一流のエンタメ映画を撮ってしまうところにアメリカ映画の変革を感じる。
しかもアカデミー賞にも多数ノミネート。
たた、アメリカではそんなにヒットしてないところが寂しい。
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