エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのレビュー・感想・評価
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成程これはワカラナイ
並行宇宙が無数に存在するっていう量子力学の多世界解釈をもとにした話だね。『バース』って言ってるけど。
それで、あれやこれやあって、なんか丸く収まって終わるけど、話は良く分からないね。
最初にミシェル・ヨーがカンフーの能力を手に入れるけど、そのときのキレがいいね。『なんで私がカンフーできるの?』って感じで、ゆっくり型をなぞる感じになるけど、キレがすごい。さすがミシェル・ヨー。
それで『あなたが全ての宇宙の中で最低のエヴリンだから、全ての宇宙の力を使うことができる』っていう設定もなんかいい。最低だから最高なんだよ。
エヴリンとウェイモンドは、エヴリンがカンフースターの宇宙がいちばん成功してるっぽいんだよね。お互いに。でもウェイモンドは『君とランドリーと税金をやりたかった』と言ってしまう。ランドリーにやってる二人は最低の宇宙にいるんだよ。それでも、最低でも、エヴリンと一緒にいられる方が良いっていう。泣いた。声をあげそうになったので抑えて泣きました。
そして話は母と娘の対立へ。結局そこへ落ち着くのかって感じなんだけど、まあそうだね。それで決裂するよね。生物が生まれなくて石になってる宇宙で娘が崖から転がり落ちんの。もう、これ、収拾つかないだろって思ったね。
しかし、そこから収拾した。母も転がり落ちるのはすごいね。
それで母と娘の対立も解消され、なんだか多様性を認めたぜみたいになって終わるんだけど、その辺は良く分からなかったな。
でも無数の並行宇宙をこれだけ描いて、それなりい辻褄合わせて最後までもっていける脚本はすごいと思ったよ。
最高にふざけることは最高にカッコいい
監督のダニエルズの撮るMVがいつもとても好きだった。
誇張の天才である彼らは、日常のちょっとした違和感を誇張に次ぐ誇張でおかしなものに仕立て上げる。
今回の作品でもそのセンスが遺憾無く発揮されている。しかも、今回の誇張はただの誇張ではなく、社会的なメッセージがびしびしに入った形での誇張だった。
難しく複雑な社会の問題に対して、最高にふざけた誇張表現でアプローチするのは、最高にカッコいいと思った。
ぶっ飛びカオスムービー。ストレス発散効果も!?
アカデミー賞候補ということで、気になって観てきた。
完全に理解しきれなかったところがあったけど、面白かった!ていうか、この話考えた人すごっていう感動が大きかったかな。他のマルチバース世界に飛ぶためのトリガーがとびきり変な行動をとること、とか誰が考えたんや、マジで面白すぎる笑。
私は黒いベーグルの存在がよく分からなくて、観終わってからネタバレサイトを見てみたりしたけど、やっぱりよく分からなかった。でも、ベーグルの意味がよく分からないままに完走しても、それでも十分に面白かった!
ネタバレサイト見てたら、過去の映画のオマージュがあちこちで使われているっていう記事がたくさん出てきて、私はレミーのおいしいレストランくらいしか分からなかったから、もっと映画オマージュの部分に気付ける映画知識がある人間になりたかったな〜ってすごく思った。分かって見てたら絶対さらに数倍楽しめたんやろなって。
途中まで設定を理解してストーリーについていくのにかなり必死で観てたから、ちょっと疲れたけど、怒涛のストーリー展開に何というか、見終わった後頭が空っぽにされた感じがあって、鑑賞後感はなんか、良かった。いい感じにぶっ飛んでて、自分の中のストレスもいつのまにか吹っ飛ばされた感覚があった気がした笑。
セカイ系2.0
中盤くらいまでとても楽しく面白く見れてたけど、途中からストーリーが分からなくなって、おいてけぼりになった感じ。
普通のさえない人が突然カンフーの達人になる感じはすごく面白い(そういえば「シャン・チー」でも同じこと思った)し、斬新なマルチバースの設定もにぎやか楽しい。はちゃめちゃな世界観と、日常が激しく入れ替わって、日常視点からすると主人公がおかしくなってしまったとしか思えないカオスな状況が最高。
主人公に指示を出すアルファバースの人達はマトリックスを彷彿とさせる。
「ベーグル」が象徴するのは、「中心が空」ということか。自分の人生をより良くしようとみんながんばって苦しんでいるけど、実は世界には究極的には意味なんかない。あらゆる世界のあらゆる可能性世界を経験してしまった主人公の娘は、意味のない世界に絶望してしまったというところか。
仏教とか道教に通じそうな壮大な世界観で、そういう哲学的な奥深いことにつながりそうなところもマトリックスっぽい。
世界観がだんだん明らかになっていく過程の部分は面白いのだが、途中で「あ、結局これってセカイ系なんか」ということに気づいて、オチがなんとなくよめてしまった。
セカイ系…主人公を中心とした小さな関係性の問題が、具体的な中間項を挟むことなく、「世界の危機」「この世の終わり」などといった抽象的な大問題に直結する作品群のこと。
まあ、単なるセカイ系というより、「セカイ系2.0」とでもよんだ方がよいのかもしれない。人間関係は「君とぼく」だけじゃなくて、夫、娘、父を中心に主人公の人生にからむ様々な人たちだし、救うのは「世界」だけじゃなくて、マルチバース(無数の平行世界の宇宙)なわけだから。
でも、主人公の人間関係の修復が世界の破滅の回避につながっていく、という構造はまんまセカイ系。そしてテーマは、「なんでもない日常」「特別じゃない自分」への感謝と肯定、というこれまた定番のもの。
ありきたりのテーマだとしても、ストーリーについてこれていたらそれなりに面白く観れたのかもしれないけど、結局「どうして世界の破滅が回避できたのか」というオチのロジックが僕にはよくわからなかった。
常識をぶっこわす、はちゃめちゃでカオスな世界観は大好きなので、この監督の次の作品には期待大。
あまり深く考えずに観るのがいいかな。
仕事、夫婦関係、自分と親との関係、娘との関係など、
現状に満足してない人が、マルチバースで色々な経験を積んでいくうちに、現状を受け入れ、自分の考え方が変わり今ある幸せに気付いて生きていく映画。
ベーグル、ソーセージ、石など象徴的に使われる。
私には支離滅裂しているとしか思えなかった。
アカデミー賞の有力候補らしいので鑑賞してみた。
正直な感想はタイトル通りである。「マトリックス」やカンフー映画のパロディ満載なのだが、楽しめなかった。また、ジョークも笑えなかった。仮想現実の物語で話があちこちへ飛び、わけがわからなくなる。要は夫婦仲、娘や父との関係、家業の苦しい現実を再認識し、生きて行こうと訴える。場面があちこちへ飛ぶのもいいが、観客が楽しめなければ
失敗だろう。暴力場面や下劣な場面が満載で、何度も席を立とうと思った。人には鑑賞を勧めない映画だ。
Of all the places I could be, I just want to be here with you.
一体何を見せられたのか?What a mess?! 摩訶不思議な作品でした。でも、序盤から緊迫感に、一切飽きる事なく。マトリックスのような真実味は無いのだけれど、マルチバースが存在していて、それぞれの人生でのスキルが取り出せるなんて事があったなら。女優の美をかなぐり捨てたミッシェル・ヨーの体を張った演技は素敵でした⁈しかし、アカデミーも随分柔らかくなった?笑
追記: アカデミー作品賞受賞おめでとうございます!信じられませんが、笑
私の母には刺さらないと思う
泣かされると思わず観に行きましたが
母でもあり娘でもある私は
涙が止まりませんでした。
否定的なレビューが多くて驚きましたが
年間120本程観ている私には人生ベストでした。
笑えて泣けて考えさせられる良い映画ですよ。
私の母には意味がわからないと思いますが。
私も「優しくて忍耐強い」夫に恵まれました。
観た後はちょっと周りに優しくなれるかも。
A24好きな方は是非。
相性。
前作のスイスアーミーナイフマンもそうだったんだが、この監督と私は相性がわるい。アイデアもオゲレツさも、絵作りも上手し好きなポイントは山盛りなんだけどなんかテンポが合わないのよ。テンポ早いのは嫌いじゃないんだけどちょっと強引かなと思うし、後半にいろんなものかき集めて割とこれまた強引に感動させられる感じとか、、、強引がキーワードか、、
これが世界標準なら私が歳とってついていけなくなっただけかも知れないなぁ、、悲しい。
馬鹿っぽいマルチバースで擬装された家族愛の話。役者陣のがんばり、全力で役を楽しんでるのは伝わった。
あ、あとトロフィー見た瞬間これアナルプラグやろ、、、と思った自分も悲ちい。
ザ・ワンを想像していくと肩透かしかも
2023年54本目。
平行世界とカンフーの達人とくれば101匹ジェット・リー大行進じゃないですけどザ・ワンを連想してしまいます。
ザ・ワンは平行世界の自分を殺せば残っている者に力が渡っていくというものでした。こちらは他の世界の自分と精神だけシンクロするというもので、カンフーと関係ない自分とリンクすることで強さを身につけるのは面白かったです。
ただカンフーで全てを解決するわけでなく、だんだん哲学的な展開になっていくのがアカデミー賞の対象となる作品らしいなと思いました。
“今”を生きる現実の自分を少しだけ好きになれる映画
前半は予告のイメージの通り「おバカ映画だな~(笑)」って感じだったんですが、後半になるにつれてこう、色々こみ上げてくるものがあり、思わず涙が。泣きに行く予定の映画じゃなかったんだけどな~!?
人生の中で「あそこでああしてたら」とか「こうしてたらもっと違う人生があったのかな」とかそういう後悔みたいなものってたくさんあると思うんですよ。
「自分にもっとすごい能力とか才能があったら」とかね。
でも、今の世界線で得られたものとか出会いがその別の世界線であったかって言ったら、多分違うんですよね。
スーパーな能力もないし、キラキラした人生でもないけど、
「自分はなんてダメなヤツなんだ」って落ち込むんじゃなくて、そんな冴えない現実を生きる“ありのままの自分”でいいんだな、ってちょっと思えるようになった映画でした。
後は家族に優しくしよう!って思えます、観た直後は、ですけど(笑)
いや、ほんと、こんなに刺さると思ってませんでした。「マルチバース?面白そうやんけ!」くらいのノリで観に行ったのに・・・w
観る人のバックグラウンドによって感じ方がすごく変わってくる映画だと思うので、ぜひ一度観てみてください。
夜の歌舞伎町に響くバッハ
マルチバースと聞いて、クールな世界を想像していたが、
映像も、設定も、徹底的にシュールでカオスだった(たまにグロ×ギャグ)
早すぎる展開、多すぎるマルチバース、メチャクチャな設定、、
伏線なのか、本筋なのか、パロディなのか、単なるギャグなのか、、、どうついて行けばいいかわからない。
置いていかれながら、IMAXの大画面をぼ〜っと眺める。
カオスの中で、時々、一つの小さなメッセージが静かに響く。
頼りないと思っていた夫がつぶやく
当たり前な一言にハッとするエブリン。
残虐なサイコパス大魔王と化した娘への愛に気づく。
カオスの世界の中で、閉じていたエブリンの心が徐々に開いていく。
周囲の混沌と相対するように、穏やかな愛と静寂に包まれる。
映画が終わって外に出ると、目の前の大きな窓に、歌舞伎町の夜景がどーんと広がっていた。一瞬息を呑む。その瞬間、ギャーンとパイプオルガンのバッハの旋律が聞こえてきた
・・・ような気がしたのは、きっと映画のせいだろう。
帰り道を急ぐと、人々が一斉に空にスマホを翳して何か撮っている。振り返ると、映画館のビルの上に巨大な顔を覗かせて、ゴジラが雄叫びをあげていた。
夜の歌舞伎町でエブエブ、
ブラボー!
感性で観るべき家族愛が底流にある異色作
今年のアカデミー賞作品賞有力作品。理屈で観てはいけない。感性で観る作品である。理詰めで観ると、マルチバース乱発でストーリーが雑然として分かり難い作品になってしまう。しかし、詳細に拘らず、感覚的に観ると、作品を貫いている普遍的なテーマがあることが分かる。作り手が、敢えてストーリーを理路整然とせず、感性で観ることを誘導しているように感じた。
本作の主人公は、破産寸前のコインランドリーの経営者エヴリン(ミシェル・ヨ-)。彼女は、頼りない夫、反抗期の娘、ボケて頑固な父親に囲まれて、満身創痍の日々を過ごしていた。そんな彼女の前に、ある日、別の宇宙から来たという夫が現れる。彼に言われるままに、主人公は、マルチバースの世界に飛び込んで、カンフー達人能力を授かり、人類の存亡を賭け宇宙の巨悪との戦いに挑んでいく・・・。
マルチバースの切り換えはマトリクスを彷彿とさせるスリルがあるが、頻繁で唐突である。ストーリーを追うのは大変だが、切り換え先には、違う人生の選択をしたエヴリンがいる。マルチバースというよりは、人生においてあの時の別の選択を実際に具現化した感が強く、自分のあの時の選択について考えさせられる。
アクションシーンはカンフー満載でスピード感がある。下品なシーンもあるが、演者達の大真面目な演技が笑いを誘う。
主人公役のミシェル・ヨ―は、マルチバース切り換えの度に色々な役柄に成りきっている。カンフーアクションも見事に熟している。役柄に合った表情の作り方が巧い。正しく七変化の変身ぶり。
全編を通して感じたのは、家族愛である。ラスト。戦いが終わり、現世界に戻ってきたエヴリンの穏やかな表情が象徴的だった。雨降って地固まるという諺の通り、エヴリンの壮絶な経験が、エヴリンと家族の絆を深めたと感じた。本作は、マルチバースの世界でのアクションが目立つが、家族愛が底流にある。家族愛をテーマにした異色の愛の物語である。
難解?いやただつまんないだけ
これは人生の岐路に立った時の選択肢をマルチバースに例えてるということなのかな?あの時ああしてれば違った人生が…みたいな。何度も異世界を行き来する中で、ミシェル・ヨーがいつ綺麗になるのか粘り強く待ったが、結局最後まで普通のおばさんのままだった。娘も同様。オスカーノミネートも多分に政策的なものなのだろう。トゥルーライズでシュワちゃんの奥さん役だったジェイミー・リー・カーティスのまだまだ元気な姿が見られたのがなにより。
看板に偽りあり
イロンナトコに行けて、なんでもできてしまう。
楽しいSFなんかと思っていた。
人種、世代、性的マイノリティー、税務署なんか。
わかりあえない前提で進めて、強引な大団円。
あり得ん。マルチバースってそういう意味なんかな?
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