エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのレビュー・感想・評価
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ダマサレタ
何度も途中で鑑賞をやめたくなり辛かった.
何に腹を立てていたのかと考えたら,アカデミー賞候補だとか,マルチバース物だとかの好評価に騙されてしまった自分に対してでした.予告編を見てた限りでは,これはパスしようと考えていたのに・・・.映画.comで,みなさんのレビューを注意深く見ていればよかったのですが.
主人公はマルチバース間をジャンプできる能力を持っていて,特にこの世界の主人公はこれまでの人生の選択で一番不幸な選択を続けてきたために,大きなジャンプが可能であるとのことで話が展開していく.そのどん詰まりの人生を説明するために,冒頭でクリーニング店の半日程度が描かれているのだが,ただわちゃわちゃしているだけで,何をもって1番のどん詰まりなのか響いてこない.たとえ中国人移民の特殊性とか忖度しても,全く共感できない.しかも,税務監察官に会うまでが無駄に長すぎる.
アクションも衣装も俳優も良くなかった.ただ,ジェイミー・リー・カーチスの演技が救いであった.True Liesの時はスリムだったのに.
私個人的には,ハリウッドと中国資本には要注意という教訓になりました.
全ての事いつどこでも一度だけである
マルチバースの世界の旅を通して娘、夫そして自分を理解する旅に出る。伝えにくいテーマをマルチバースを通して伝えるところや、作中がクレイジーなところが今作A24らしさ全開でした。毎日は同じ事の繰り返しで憂鬱になるかもしれません。しかし、同じ繰り返しの中でも笑えることや面白かったことがおきます。そしてなんと言っても繰り返しのできことが毎日にあるが、今日という日が再度来ることはありません。マルチバースの世界があるとしたらみんなが何かの生命として生きている。決して不平等なわけではなく、同じ繰り返しの中でもルールがないから楽しみを見つける。そしてその楽しみは自分にとってはなんだ!ありえないという感情になるかもしれませんが、良い所を見つけることもそうであり、相手を受け入れ理解することで憂鬱な日は2度と訪れない。全ての事いつどこでも一度だけであることを忘れずにいれば明日からは新しい発見があるかもしれません
シン・エヴァぶりの号泣
ロケは少なくて低予算なのだろうに、壮大なテーマを扱っている。
役者さんの稼働率もえぐい。たぶんメイクしなくても出てた疲労感なんじゃないか。
物語は明快。ノーラン映画じゃあるまいし。
アクションシーンのB級なサブカル感も楽しめる。
変なことをしたらマルチバースの自分を召喚できるという設定も、なんだか真似したくなる。
ただ、それぞれの世界がなぜそうなのか、とか、空間は飛べるなら時間も関係ないのでは、とか気になることはあった。なんでソーセージの指の人類が勝ったんだろう。岩の世界は岩であることの魅力があるのに。でも映画の主題をそこまで損ねるものではないと思った。
対立構図は、全ての空間と物質をベーグルに還元しようとする側と、それを防ごうとする側。
メタバース、還元派は、全ての空間や物質を自在に操れる。それを全てベーグルに還元しようとする。
人間であること、私であることの必然性。いま苦しい。きつい。傷つけ合う。この人生に何の意味があるのか。もっと別の人生が。
nothing matters.
重要なものは何もない。
それに対して、苦しくても、傷つけ合っても、うまくいかなくても、それでも一緒にいたい。全てがいままさにここにある。宇宙からすれば一瞬のことでも、世界が無数に広がっていても、必然性と偶然性を受け入れてそこで生きたい。傷つけられても諦めたくない。
nothing matters.
何も大した問題じゃない。僕らは今ここで、一緒にいられる。
結論として新しいと思ったのは、欲張らずに今目の前にいる1人だけでも、その人と幸せであろうとすることを選んだこと。
それはパラレルがどうでもいいってわけではなくて、パラレルの自分を信じて応援するという選択でもある。
全てを何にも還元しないことを選択する。目の前にある人や物、そして自分自身を、ほかの何にも変え難いものであると考える。
これは綺麗事でもニヒルでもなく、僕らのリアルだなと思う。映画は週末にそういう当たり前のことを思い出させてくれる。だから好きなんだよな。
メッセージ、スパイダーマン、マトリックス、千年女優などと比較してみたい。
何見せられてんだ映画2023
まさか2023年にセクシーコマンドーを実写で格好良く観れるとは思っていませんでしたが、観れてしまった。
ジョブ(仕事)が人の心を余裕のないものにして家族や世界全てを不幸にしていき、ジョブ(資本主義)は全てを知っていてそのサイクルは止まらない、小さな我々は結束し理解することで逆らっていこう、というまさに2023年の我々の映画でありました。
そんな映画に中国系のスター達が演じる意味も出てくるよね。
観ている最中は全てのユニバースの意味や感情を理解できる、そんな全能感も味わいながらの頭をフル回転しながら楽しむ映画でもありました。
途中からこれナンセンスだよ!笑いながら観てね!と念を押してくる感じも、このテーマが結構マジで受け取るとラディカルすぎるところもあるからかなと。
ともあれ、馬鹿馬鹿しい映画とラディカルさのバランスの取れた面白い映画でした。
あきらめないで
この宇宙にある全ての可能性を体験し、
この世界の理り真理を全て理解し、
そして「無意味」だと悟ったとしても、
「優しくなって」
って言う。
あらゆる事を理解した果てに、
「無意味」と断ずることが出来るなら、
その逆も可能なはずだ。
「優しくなって」、
少しでも意味が見出せるのであれば。
始まりも終わりも分からない
この宇宙の中にいて、
一瞬でも、
愛したり、愛されたりがあるのなら、
そんな奇跡ってない。
十二分に意味はある。
前半のぶっ飛びに降り落とされないように〜〜
崖っぷちコインランドリーの経営者のエヴリン。
納税の期限が迫っているのに、頑固な父親や
自分勝手な娘と頼りない旦那にもうブチ切れ寸前!!
そんな時にいきなり、目の前の旦那が妙なこと言い出したから
もう、頭の中は大混乱!!
そのうち、目の前の納税窓口係のおばさんが襲いかかって来る!
警備員たちも自分たちを捕まえようと突っこんで来る!
どうなってるの??
このあたりで振り落とされそうになるので
気を引き締めて、シートベルト締め直して!!
(映画館にシートベルトは無いって!!)
だんだんと内容が理解できるようになってくると
なっ、バカな〜〜〜
とちょっと、半笑いを通り越して
呆れてしまうこともあるかもしれませんが(笑)
案外と着地点は分かり易い話なので
ここは、今年還暦のミッシェル・ヨーの
クンフーに注目して乗り切って下さい。
ぜひ、劇場で!!
で、月に8回ほど映画館で映画を観る
中途半端な映画好きとしては
ミッシェル・ヨーの映画、それもクンフーを使わない映画
アウン・サン・スーチーさんの伝記や、
「クレージー・リッチ」での超大富豪とかを
結構観てるので、今回、またクンフー映画での大復活は
なかなか感慨深いです。
今は正直、スタントウーマンも多数いるし、
撮影技術も進んでいて役者本人が
それほどアクションが出来なくても
ちゃんと説得力のある画面が作れますが
やっぱり基礎がしっかり出来ている人は
顔アップでの決めポーズが超カッコイイ!!
今、13日の朝、米アカデミー賞の授賞式を観ながら
キーボード叩いてますが
キー・ホイ・クアンが助演男優賞を受賞したこと、
本当に素敵で、素晴らしいと思います。
兎に角、この映画、初めの20分ほどを、
しっかりシートに捕まっていれば
あとは娯楽映画として純粋に楽しめますよ。
今、アカデミー賞で作品賞を受賞しました!!
実は作品賞は「トップガン マーベリック」にあげて欲しかったけど、
パイロットはエリート達なのに対し、
移民としてアメリカに来て必死で生きてきた親世代と、
アメリカで生まれ育った子供たち、
血は繋がっていても文化の違う親子が
改めて理解しようとする話は
自分も含むパンピーの映画だと思えるんだな〜〜
最後にどころ出てくる娘役のステファニー・スーの扮装が
私には、これって渡部直美じゃね?!と感じました。
改めてインフルエンサーとしての渡部直美の影響力を感じました。
アジア人でぽっちゃり体型、少し前なら
確実に白人社会でパスされる存在を
インパクトあたえるアイコンとして確立したのだから。
映画に関係なくてすいません。
もちろんステファニー・スー自体の変幻自在の演技も
とても素晴らしかった。
もう一度観に行こうと思います。
フィジカルの壁
世界には美味しい料理がたくさんある。
脂っこいもの、辛いものでも山盛り食べられる人もいれば、香りだけでお腹いっぱいになる人もいる。
お酒とか、絶叫系ライドもそう。
本作を楽しめるかどうかは結局、知識とかセンスではなく単なるフィジカルの問題なのではと感じた。
アメリカのコーラのバケツのようなサイズ、呆れたり憧れたり、諦めにも似た気持ちを思い出す。
最後にエヴリンが選んだウェイモンドの闘い方。偶然、実生活で、物事を解決するにはそれしかないよなと腹を決めたばかりだったので答え合わせのようだった。
そんな選択の後にウェイモンドとおっさんのダンスシーンを思い出すと、ちょっとだけ涙が出そうになる。(とにかく全編、キー・ホイ・クァンの善さに尽きる!)
それとおじいちゃんとガールフレンドのシーンも。完璧な間、良かったな。
でもやはり、とにかく、汚すぎた。
自分には指ウインナーだけでも許容範囲オーバーに不愉快。
お下劣シーンの登場に口笛を吹いて拍手喝采盛り上がる胃袋の強さがあれば、最高のカタルシスが訪れたことでしょう。
私はもう、その時には打ちのめされていて、浮揚する力が残っていなかったです…。
映画館でお金を払って気分悪くなることは、映画ファンにはある程度織り込み済みでしょうが(もちろん無い方がいいけど)アカデミー賞の結果次第では、期待して観に来る人が増えるでしょう。
よく警告しておかないと、洋画離れがますます進んでしまうかも?と心配。
確定申告を済ませてから観た
実は7日(火)に観ようとしてたのですが、音声が出ないという劇場トラブルがあったために返金してもらい、1時間ほどで途中退出してしまったという経緯がありました。まさか『フェイブルマンズ』とベーグル繋がりがあったというのも知らず、それなら、キー・ホイ・クァンが『インディージョーンズ魔宮の伝説』に出演していたのだからスピルバーグ繋がりもあるのでは?と気づき、さらには『フェイブルマンズ』ではユダヤ人のハヌカ祭りを描き、こちらは中華系の春節を描いてるじゃないか!などと色んな共通点が浮かんできます。
残念ながらオスカー作品賞候補にはならなかった『バビロン』にしてもディルド繋がり(ジョイ=ジョブ・トゥパキの使うヌンチャク)があったりと繋がってたりします。あぁ、やっぱり宇宙は繋がってるんだと感じた至福のとき。「福」といえば、パーティ会場となったコインランドリーに飾られた「福」の字が逆さまになっていなかった・・・だから福が来なかったんだね・・・
映画界ではマルチバースが大流行。我々がいる宇宙ではビッグバンから始まり・・・といった宇宙史。中には「ビッグバン」は無かったという説もあるようですが、そのビッグバンが一つではなかった可能性だってあるのです。すると、我々の住む地球<太陽系<銀河系(今は天の川銀河と呼ぶ)<ユニバースといったものが他にもいっぱいあるということになる。そこでは地球の常識では考えられないような多次元だったり、生物がいたりいなかったり・・・様々な可能性が出てきます。さすがに同じ人間がいるとかバース移動なんてのはSFですが、解明されてないからこそ今のうちにマルチバースを描いてやれ!と、多くの映画が登場してるんでしょうね。まぁ、ブラックホールはほぼ解明されているんだろうけど、この映画では小規模な穴・・・穴といえばベーグル。なぜアメリカ人の大好物ドーナツじゃないのかは謎です。
宇宙論的な説明なんかも2人の岩のシーンで説明されていたり、目まぐるしく移り変わる映像の中に宇宙空間の写真や惑星衝突の映像があったりして、宇宙好きには楽しめる映像。しかも『2001年宇宙の旅』へのオマージュ(猿)で笑わせてくれるし、ウェイモンドのウエストポーチヌンチャク技は『燃えよドラゴン』そっくり!結構練習したんだろうなぁ~などと嬉しくなってきます。本来ならジャッキー・チェンの方がピッタリくるんでしょうけど、ミシェル・ヨーより強くなっちゃいそうだし、いい塩梅だったのだと思います。そして、『花様年華』の雰囲気や『マトリックス』のような設定、『キル・ビルvol2』みたいな特訓、『エルヴィス』の衣装。まだまだオマージュはいっぱいありそうですが、「デカ鼻」というあだ名なんてジャッキー・チェンそのままだったりする・・・この映画を観たジャッキー・チェンの感想を聞いてみたいところだ!あと最大に笑ったのが「ジュジュ・チューバッカ」・・・That's funny.
真面目に不真面目
ざっくりいうとマトリックス
TSUTAYAだったらどの棚に置くの?
複雑なメタバース構造とシンプルな物語と感銘
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい)
結論から言うと非常に面白く見ました。
この映画は一見複雑なメタバース構造をしていますが、内容は非常に普遍的でシンプルな物語だと思われました。
この映画は、ものすごく雑にまとめると、
<少し古い考えの母親 vs LGBTQの娘>
という2人の対立の映画だと思われます。
それだけだとイマイチだな、と正直、鑑賞途中は思われたのですが、さらに物語は進んで、それぞれ母と娘の1段深い話(母の方はもっと輝ける別の生き方あるいはそれをあきらめたからこそ古い考えに縛られている、娘の方は自分が理解されないこんな世界には”死(虚無)”(ベーグル)を)に進みます。
そしてこの映画の優れた点は、その母と娘の対立の解決策を、母の輝ける他の可能性未来にも、娘が理解されないこの世界を虚無に崩壊させることにも、≪どちらにも求めていない≫ところにあると思われました。
わたしは、この母の方でもない娘の方でもない解決策の提示に大変感銘を受けました。
もちろんこの映画の最後に描かれた解決策は混乱が伴い、一時的な安息でしかないのかもしれませんし、娘を虚無(ベーグル)の世界から取り戻すのに納得感が得られなかった人もいたかもしれません。
また、メタバースの複雑な装いの割には、映画の内容がシンプルでやや抽象に偏っているとの評価があるかもしれません。
これが様々な一般レビューでの両極端な評価につながっている理由と思われます。
ただ、私はこの映画で提示された解決策は深い人間理解から来ていると感じ、納得の質の映画と思われこの評価となりました。
非常に現在性ある優れた映画だと思われ面白く見ました。
多元宇宙全体に広げた風呂敷はタタミ一畳分の広さしかなかった
扱ってるテーマに普遍性を感じるので、アカデミー賞ノミネートは分からんではないけど、はっきり言って万人受けしないエッジが効きまくった作品です。
マルチバースという設定に違和感なく着いて来れるか?
割とモロだしの下ネタギャグを受け入れられるか?で評価がハッキリ別れるはず。
私は割と楽しめた方でしたが、正直2時間20分の上映時間は長過ぎて鑑賞後グッタリしてました…
2時間で充分描き切れる内容だと思うので、冗長なパートを削ってよりシャープにすれば星+1になったかな?
■良かったところ
・ふざけたコメディと荒唐無稽なアクションが大半を締める割には、移民・同性愛・熟年離婚・介護・貧困…etc現代社会が抱える問題から逃げずにきちんと解決しようとする姿勢が誠実に感じられた
・ジャッキーチェンの街角カンフーの流れを汲む、ランダムシチュエーションでの戦闘がアイデアいっぱいで楽しい
・中盤以降に現れる「岩しか存在しないユニバース」が破茶滅茶な展開の中での清涼剤のように作用して、動→静→動の振れ幅がとても良かった
・日本のサブカルチャーにもかなり目配せしてくれているのはとても嬉しい⭕️今敏の「千年女優」は言うに及ばず、靴の匂いを嗅がせるシーンはクレヨンしんちゃんの傑作「オトナ帝国」を彷彿とさせるシーンで思わずニヤリ
■イマイチな点
・主人公エヴリンがいるユニバースでの出来事は全て「自宅のランドリー」と「国税庁」の2箇所でしか行われてないので絵面が変わらず、バトルシーンがやや冗長に感じられてしまう
・敵と味方の構図がイマイチ分かりにくいので戦闘シーンでのカタルシスが物足りない。例えば監査官のおばちゃんとのバトル→別のユニバースではおばちゃんと愛しあっているシークエンス→また自分のユニバースでおばちゃんとバトル…と行ったり来たりするので感情の置き所に困ってしまう
・下ネタが露骨過ぎて、メチャメチャ好き嫌いが別れる。私は正直やり過ぎだと思った
苦痛でした
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