「日本と韓国以外では放映が難しいタイプの映画かな…。」赤い糸 輪廻のひみつ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
日本と韓国以外では放映が難しいタイプの映画かな…。
今年4本目(合計1,096本目/今月(2024年1月度)4本目)。
※ 台湾作品です。以下、「台湾」といった場合、中国本土を含まない意味での台湾を指すものとします(断らない限り全て同じ)。
タイトル通り「赤い糸」がテーマの一つに入ってきますが、冒頭か10分あたりのところででてくる「七夕伝説」(織姫と彦星のお話)について、台湾では「赤い色で結ぶ」文化があり(バレンタインデーと並んで告白に適した日とされる)、この点でそのような文化がない日本とやや異なります。ただし、七夕文化が多少の差異はあるとしても存在するのは漢字文化圏である中国・台湾・香港・韓国(北朝鮮)・日本程度であり、そもそも「文化自体が存在しない」国のほうが多いです。こうした事情から、「日本・韓国以外での放映はそもそも難しいのでは」と思えます。
このこと(七夕伝説のお話)は最初に出て、ここで「月下老人」(月老)の話も出ますので、漢字文化圏である日本では、台湾のその文化の差異がわからなくても理解はある程度可能で、逆に言えば同じ漢字文化圏である韓国(北朝鮮)以外では放映が著しく無理ではないか…と思えます。
この「日本ではある程度わからないところも補って見ることができる」点は映画のプラス材料でかつマイナス材料でもあります。冥界、閻魔大王などは日台である程度解釈は違っても基とする文化は同じだし理解も容易ですが、その分、映画全般にあたって町の看板などに字幕のない部分もあります(「調剤室」や「胃炎」など。登場人物の一人が薬局にいることによる)。一方で「階段」にはなぜかそのまま「階段」という字幕がつくのも珍妙で、逆にいえば「調剤室」は違う意味なのかとか勘ぐっても意味がなく、余りその辺のことをどうこういっても仕方がない気がします。
また、マイナス点に挙げている方も多い「妙にストーリーの流れが遅く感じられる」点については私もそう思いました。映画館では「常識的な範囲で」スマホで時間を確認することくらいはどうこう言われませんが、途中からラブシーンやキスシーン、ダンスシーン等が出るので、「これで終わりなのかな?」と思いつつずっとずっと続いていくので(まぁ、メタ的にいえば「放映終了時間まで映画は放映される」わけですが)、「いったいいつが終わりなのかわからず、ずっと同じようなバトルシーン等も出てきて混乱する」といった点も同時に抱えます。
なお、映画全般にわたって日本文化「そのもの」を参照しているシーンが少なからずありますが(いわゆる「ミュージカルシーン」で流れる音楽が日本語「それ自体」であったり、スラムダンク等のネタが出る等)、この点、日本上映にあたって「差し替え」を行ったのか原作自体がそうなのかは不明です(どちらにもとれる。日台では文化の差は少ないし、交流も良好なので、常識的な範囲で許可をもらって「あえて」日本文化を入れたようにも思える)。
採点に関しては、上記に述べた点以外に致命的な問題があり(ここでも言及あり)、それを気にしたものです。
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(減点0.3/エンディングロールが極端に長い、意図するところがよくわからない)
ディズニー映画を彷彿とさせるほど長いです(10分くらいある?)。また、エンディングロールの部分も2つに分かれているので、最初のほうだけ見ると「もったいないかな」といったところもあります(前半のそれの放映後、「おまけシーン」のようなものが3分程度ある)。ただ、そこももったいないな(エンディングロールは最後まで見てね、は入れてほしかった)と思った一方で謎なのは、後半の長い長いエンディングロールを見ると、謎の「(Windows95か98か古いOSの)エラーシーン」で終わってしまうという珍妙な終わり方をする点で(正直何を意図しているのか不明…。わざわざエラーシーンを出す意味ってあったんでしょうか?)、放映フィルムがバグってるんじゃないかとすら思ったくらいです。
※ 最後のその「エラーシーン」が「8181」のコードを出していたことから「バイバイ=終わりですよ、ということ」にも読むことは可能で(8181でしたっけ?)、よくわからない部分ではあります。
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(減点なし/参考/バスケットボールについて)
台湾ではバスケットボールは、野球に次ぐか、野球をしのぐほどの「国技」です(映画内でバレーボールでも他のスポーツでもなくバスケットボールになっているのは、そのため)。