ブラック・フォンのレビュー・感想・評価
全163件中、61~80件目を表示
受話器越しの友情
ラストで、あー良かった!!と、ほっとしてカタルシスを感じました。
終わりよければすべてよし・・・ですね。
1978年。コロラド州デンバーのある町で、少年誘拐事件が多発している。
犯人は黒いワンボックスカーに無理やり力ずくでフィニーを乗せて、
地下室に監禁しました。
フィニーの学校の男子生徒が5人も行方不明で、どうも“グラバー“
と呼ばれる男の仕業らしい。
スティーヴン・キングの「IT」を連想してしまいます。
子供をさらうピエロが「IT」
とても似ています。
血の浴槽・・・「IT」でも洗面台から血が湧いてきて溢れるシーンが
ありますね。
おまけに原作者がスティーヴン・キングの息子さんのジョー・ヒル。
なんとなく「スタンド・バイ・ミー」も思い浮かべる
少年の成長と友情の物語・・・そんな雰囲気感じました。
しかしこちらはあくまでも少年・誘拐殺人事件がメインのホラー映画。
誘拐犯の“グラバー(イーサン・ホーク)が誘拐したフィニーの前でも
わざわざ仮面を付けているのは何故だろう。
殺すつもりなんだから、顔を見られても問題ない筈。
そして“グラバー“は暇そうで、フィニーに何をするという訳でもなく、
食事を運び後は放っておく。
そして線の切れた黒電話が地下室で鳴る。
なんとも懐かしいジリジリジーンという耳をつんざく音。
この電話は冥界にいる“グラバー“に誘拐されて殺された少年から
なのだ。
それは脱出のアドバイス。
脱出の方法を教えてくれるブルース・タナカやビリーやヴァンス。
彼らは誘拐されて殺された少年たち。
フィニーの学校の生徒だから、顔見知りだし接点もある少年たちだ。
彼らは口々に、
“俺の仇を討ってくれ“と言って、
地下室の扉に付いてる鍵の番号のヒントをくれる。
“早く、そこを出ろ!!“と励ます。
5人の中にはいじめっ子もいたけれど、そんなことはもう問題外。
そして一番心強い味方は、フィニーの妹のグウェン。
兄思いの可愛い妹で、彼女は予知夢を見るのです。
グウェンは意気地無しの兄をサポートするしっかり者。
グウェンの超能力的な予知夢も手助けになります。
ラストは壮絶なグラバーとの決死の攻防。
アドバイス通りフィニーは、黒電話を振り下ろす!!
何度も何度も!!
もうフィニーを“弱虫“と呼ぶ生徒はいないだろう!!
ちょっと逞しくなったフィニーの姿だった。
魂消た〜😳
なんか最後熱かった😀
あまり過激な描写もなく、殺すシーンもほとんど出てこず、
どちらかというと中高生向けなのかなという感じだった。
いじめられっ子が親友の幽霊の力を借りて勇気とアイデアで
殺人鬼に立ち向かう、ラストはちょっと熱かった。
ホラーでは珍しいかも成長物語でもあった。
個人的に少年が主人公なドラマはなんか好きなので
こんな感じのものはちょっと評価高めになっちゃうかな。
妹が中々クールで強くていいキャラだったな。
予知夢を持っていたのだけど最後に向けてフィンを助けるために
直結しなかったのがちょっと残念。
王道で行くならば妹の予知夢で渋々警察が動き、
バトル中のフィンが絶体絶命のところで警察に逮捕という形が
良かったのではないかと。
なぜなら主人公は少年であり殺人をしてしまうということに
抵抗があるから。例えあんなクソ野郎でも人を殺すというストレスは
ただ事ではないだろうし。妹の予知夢がもう少し活かされたんじゃないかな。
物語自体がハードな感じで作られていないのにフィンが殺人鬼を
倒すことに違和感あり。
とはいえ、フィンが恐怖を抑え込み死んでいった少年の幽霊とともに
熱いバトルを繰り広げるラストは良かった。
伏線回収凄いね
予想を反して、感動する良作ホラー
何かしたらいけない規制ありきで作られたのだろうか?
冒頭は自分好みの始まりで主人公の置かれている環境と数少ない友人との交流、オカルティックな夢を見る妹のエピソード、父親過剰な虐待などをさらりと見せてくれる。
友人が行方不明になった所までは「中々に上手く撮っている」印象だった。
このホームドラマの様な雰囲気から転調し当然ここから凄まじい事が起こるに違いない…と期待していた。
だが、イーサンホーク演じるグラバーが出てきた途端に自分の中に違和感が…。何だろう…迷作?「こどもつかい」を観たときの雰囲気が急に感じられたのだ。
あのヘンテコな車、お面、ちょっと胡散臭い手品師…巧みに元気な男の子を誘拐している変態がこんな奴なのか?と
誘拐した数人は明らかに暴力も辞さない少年たちでグラバーが上手く始末できたのか疑問残る。
そしてオカルトに寄せるのか?それとも幻聴、幻覚に寄せるのか?物語の進行からすぐに分かってしまう。
その流れで謎めいた雰囲気を作っているのだが、この作品で最も謎なのは監禁しておいて、殺そうとする以外に大した事をしない事である。
普通(普通ではないが)するだろ?こう言う殺人鬼は。
目を背けたくなるようなイヤな事するだろ?
その為にリスクを冒して誘拐してるんじゃないのか?
自分の欲望を満たす事の為に、色々するだろ?
と…このような作品を観ようとしている人は思うはずだ。(あくまで自分の偏った見解)
なのに…コイツは何がしたいんじゃ!となる。
死が終点なのは当然としてその過程は無いのか?
それ故にグラバーの偏執ぶりが規定の怪人物の域を出ない程度でそれほどの恐怖感は無い。
ただ従来のこう言った作品と比べてそう思うだけで、実際にこんな目に遭えば、フィニー程勇敢に立ち向かえないだろうとは思う
そう言う意味ではこう言った作品を見慣れていない人にはまだ見易い作品だろうし意外に心に残る作品かもしれない。
伏線回収が素晴らしい
黒電話は勇気を鳴らす
続投予定だった『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』を降板したスコット・デリクソン監督。
逃した魚は大きかった…かもしれないが、キャリアへの影響はナシ。
寧ろ、本来のフィールドに戻って手腕を存分に発揮。
ホラーではないが、ホラー色も加味されたサスペンス・スリラー!
1978年、コロラド州デンバー北部のとある町。
“グラバー”と呼ばれる誘拐犯による子供の失踪事件が続いていた。
主人公の少年フィニーも学校の帰り道、誘拐されてしまう。防音の地下室に監禁。
誘拐犯との駆け引き、何とか脱出を試みようとするが…。
…と、誘拐&監禁のワンシチュエーション・スリラーの定石を踏んでいるが、それだけには非ず。トリッキーな要素がポイントに。
タイトルになっている“黒電話”。地下室にあるが、線が切れている。
ところが! 度々鳴る。
恐る恐る取ると、子供の声。同じく誘拐され、そして恐らくここで殺されたであろう子供たち。
切れた電話から掛かってくる死者からの電話という、まさかまさかの超常現象ホラー!?
誘拐され監禁されている上に、心霊現象。恐怖に恐怖の上乗せ。
しかし、そうではなかった。
死者からの電話は、味方。
電話を通じて、脱出の方法や危険な行動を控えるようアドバイス。
殺された子供たちが、自分たちの無念を晴らしてくれるように。
ほとんどが近所の子供たち。中には知ってる子や友達も。
序盤なかなか本筋(誘拐~監禁)に入らず、冒頭の少年野球、学校でのエピソード、他の子供たちの誘拐が挿入されるが、それが意味を成してくる。
学校でいじめられているフィニー。勉強を教えた事がきっかけで、一人の少年ロビンが助けてくれる。唯一の友達だった…いや、友達だが、彼も誘拐。
そんな彼からの電話。誘拐犯に立ち向かう勇気を与えてくれる。
俺たちの代わりに!
父子家庭のフィニー。父はアル中で、妹グウェンと息を潜めて暮らしている。
妹には不思議な力が。予知夢。
警察しか知らない誘拐犯が風船を持っているという情報を夢で見て知っていたが、かえって刑事から追及されるハメに。
グウェンの予知夢は母親から受け継いだよう。が、母親はこの力のせいで心を病み…。
父はそんな娘をたしなめる。時には暴力で。
自分の力に悩んでいたグウェンだったが、兄が誘拐された事により、この力を使って兄の行方を探す。
警察や父をも動かす…。
DVやいじめの描写はなかなかにハードで、見ていてしんどい。
子供たちが抱える苦悩、不安、トラウマ…。
それらを乗り越え、兄妹愛、友情、家族、周囲との協力をこぼす事なく描く。
勿論、サスペンス・スリラーの醍醐味はパーフェクト!
地下室の閉塞感。
ドアには鍵が掛かってない時もしばしば。実はこれ、誘拐犯の罠…。
誘拐犯が珍しく寝落ちしている隙を見て、脱出しようとする。寝ている誘拐犯を背に、鍵のロック開け。
ホラー的な味付けも旨い。
突然鳴る黒電話にはドキリとさせられる。
幻影で、子供たちの幽霊登場描写は下手なB級ホラーより出色。
70年代という時代設定もいい。
現代舞台なら携帯電話やGPS機能などが絡んでくるだろうが、それが無い事によって、黒電話や予知夢などが重要キーとして活きてくる。
『IT』のモデルになったジョン・ウェイン・ゲイシー事件も同年代。不穏な雰囲気を醸し出す。
不気味なマスクを被り、挑発的な言動。『フッテージ』でも組んだイーサン・ホークの怪演もインパクト放つ。
勿論、主役の子役二人も奮闘。
本当にデリクソン、コミック・ヒーローよりこっちを撮って良かったのでは?
『ストレンジ2』の時ホラー色が濃厚になるとの事でスタジオとクリエイティブな面で衝突し降板したらしいが、本作でのスリル演出/ホラー描写にその鬱憤晴らしを見た。(でも、あちらの代打となったサム・ライミは思いっきりホラー色出してたけど…?)
死者からの黒電話は、一人の少年の勇気と成長。
いじめられっ子だったフィニーが誘拐犯と闘い事件から生還した事で、学校で一躍英雄視されるのは童心に響く。
憧れの女の子に声を欠けられ、洒落たラストシーン。
見事な“Fin”!
2022 188本目
ホラーじゃないけど、緊張と解放が小気味良いサスペンス
予告編の出来が良くて楽しみにしていたのに、上映期間が存外短くて見逃した作品。Amazon primeの有料コンテンツで観られてよかった。
導入部とタイトルバックが不穏な空気感を盛り上げ、主人公の少年フィンが犯人の手に落ちるまでの展開も無駄がなくグイグイと引き込まれていき。イーサン・ホーク演じる犯人のキャラクターや行動に関しては、あれこれ疑問やツッコミポイントがあるものの、ラストの疾走感が悪くないので、面白かった!という印象で終われた。
ほんと、惜しむらくは、犯人グラバーがひたすら不気味なだけで、やってることはわきが色々甘く見えるのがねー。せっかくイーサン・ホークなんだから、もっともっと狂気も恐怖も出せたはず。また、なぜ少年ばかり狙うのかとか、過去の犠牲者がどんな恐怖を味わったのかとか、そのあたりがもう少し深く描かれていたら、さらに怖さや、フィンを助ける少年たちの思いが際立ったんじゃないかと思うけど。
でも全体のまとまりは良いし、ちょっと青春ものな味付けも嫌味なく効いていて、サスペンスとして楽しめると思います。
ちなみにラストで犯人と対峙したフィンの行動や台詞は、原作のエッセンスに結構忠実で、そこも良かったです。
どこかチグハグ
監禁された少年が幽霊の助言で助かる・・・と聞いたら新鮮なアイデアに聞こえるが、どこかチグハグでコンセプトが曖昧に感じた。
●幽霊…つまり奇跡はうまく配列しないとご都合でしかない。なんで主人公だけ幽霊の声を聞けて、それまでの犠牲者と違って助かったかとか、腑に落ちないところが出てしまう。
少年に霊能力があってその能力で忌み嫌われている…とか?妹は予知夢を見るとか奇跡の安売りみたいに感じる。
●幽霊のアドバイスも中途半端で逆に主人公がピンチに陥る。何なんだろう?
●犯人がただの狂人とかイーサン・ホークが演じた割に安っぽい。仮面を被せるなら身近な教師が犯人とか意外性が欲しい。
●妹の通報は的外れだし、最後は電話で殴るだけで犯人を撃退。絶妙な脱出劇はなかった。
名作「ミザリー」みたいなのを期待してたけど、違ったね。
子供たちの努力だよ
幽霊が恐いんじゃなかった。
虐待かと思ってた父親は本当は怖くなかった。ただ子供を守りたかっただけ(多分・・・)
殺された子供たちがみんな諦めない子達で良かったね。
妹ちゃん本当に可愛いかった。いかにもThe妹って感じ。
主人公は初めはそうでもなかったのにラストはめっちゃ格好良くなってた。
全163件中、61~80件目を表示















