「日本の未来」ロストケア ぱんださんの映画レビュー(感想・評価)
日本の未来
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検事に殺人を続けた理由を聞かれた主人公が「バレなかったから」だと答えたことがとても引っかかった。
積極的に殺人を犯したい精神性ではなかったのに、バレなかったことがなぜ殺人を続ける理由になったのだろう。
また同時にバレないように絞殺などの痕の残る方法を選んだのではなく、純粋に父親を苦しめたくなくて毒殺を選んだ主人公の優しさがとても悲しかった。
この時もし殺人に気付かれていたらきっと、彼は素直に罪を償ったし、殺人を救いだとは思わなかったのではないか。
でもバレなかった。
それで介護殺人とは正しいこと、殺人によってもたらされた平穏は救いだと錯覚してしまったのではないだろうか。
(これが錯覚かどうかというところに議論の余地があるのが日本の現状の社会問題でもありますね)
彼の行った殺人によって、本当に救われた人もいて……でも裁判の場面では最後、家族を返せと力の限り叫ぶ人もいた。
他人の心は目には見えないですね。
幸せそうに見えても本当は辛い思いをしてる人もいるし、辛そうに見えても実は幸せを感じている人もいると思うんです。
彼の大きな罪は他人の幸不幸を自分の物差しで勝手に判断したことではないだろうか。
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