「インドの黒歴史物語」RRR bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
インドの黒歴史物語
先日、Huluで『バーフバリ伝説誕生』を鑑賞し、今まで観てこなかったインド映画「侮るべからず」という衝撃を受け、公開から遅ればせながら本作を観に劇場に出かけた。ハリウッド映画とはひと味もふた味も違う、インド映画特有の演出だが、映像的には、ハリウッドに引けを取らない、人を飽きさせない趣向を盛り込んだ、エンターテイメント作品となっている。
『バーフバリ』でも感じたが、とにかくエキストラの数には驚かされる。また、思わず「エー!」とか、「そこでやるか?」とか思ってしまうシーンも随所にあり、本作でも、冒頭にたった一人で大群衆の中にこん棒一本で攻め込み、バッタバッタと薙ぎ倒していくシーンは、正にそのシーン。しかし、それがまたインド映画の面白さであった、細かい所を気にして観ない方がよいのかもしれない。
基本的には、ド派手なアクションを中心としているが、そこはインド映画。中には歌あり、ラブ・ストーリーあり、そして極めつけは『ナートゥ』と呼ばれるインド特有のダンス・シーンは圧巻。主人公の男2人が、シンクロしてキレッキレに踊る動きは、男の逞しさまで伝わってくる、これまで観たことのないダンス・シーンだった。
物語は、英国植民地下にあり、虐げられていたインドの黒歴史の時代を舞台。その時代に、英国軍に反旗を翻した2人のインド人の男の熱き友情が描かれている。英国軍に、村の少女が攫われる所から始まる。その少女を奪還しようと、兄のビームが英国軍相手に立ち上がる。一方、家族の復讐と国家の大義の為に、一旦は英国の警察官となり、英国に忠誠を誓う振りをし、軍の武器を奪って、反撃の時を狙っているラーマ。ある時、2人は運命的な出会いをして、それを機に、唯一無二の親友となる。
ビームは、英国軍のパーティ―の夜に、妹の奪還をするために、英国宮殿に攻め込む。しかし、その前に警察官としてのラーマが立ち塞がり、あと一歩の所で、ビームは囚われの身となる。それによって、2人に無慈悲な試練が与えられることとなり、熱い友情も崩壊していくのだが…。
3時間の大作ということで、観ていてお尻が痛くなったのは否めないが、エンドロールまで、例のダンス・シーンを盛り込んで、観る者を最後まで飽きさせない工夫は、インド映画ならでは。但し、『バーフバリ』の後に鑑賞したからなのか、『バーフバリ』で観たCGを駆使した古代の壮大な背景や圧倒される様な戦闘シーン等は、本作で上回ることができなかったように感じだのが残念だった。
なるほど,インド映画の現地での鑑賞は、日本で観るのとは、全く違うのでしょうね。
私は,これまでインド映画は観たことはなかったけれど、改めて,その面白さにハマりそうです。
今晩は。
私はここ10年ほど、マサラムービーだけではなくインド映画の新たなる潮流を愛するモノでございます。
マサラムービーと言えば「躍るマハラジャ」が有名ですが、私は仰る通り、 バーフバリシリーズに一時期嵌りました。
バーフバリシリーズでは見落とされていますが「マガディーラ 勇者天転生」から見たいですよね。
そして怒涛の「伝説誕生」「王の凱旋」をテルグ語&タミル語で鑑賞し、更にはインド出張の際には、”俺は大切な仕事がある!”と宣い、インドの民と(ちょっと、良い席)で観ましたねえ・・・。
インドの映画館の狂騒は、ちょっと日本では考えられない程、凄かったですよ。では。