「インド映画がこんなにも面白かったとは!」RRR 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
インド映画がこんなにも面白かったとは!
この作品は、最近観た映画の中でも間違いなく傑作中の傑作です。表向きは、二人の戦う闘士の友情がベースになっていますが、根底は、インドがガンジーによって独立を達成する前の苦しい抵抗運動を、活劇風にソフトに仕上げています。しかし、この作品の端々に、インド国民の苦しみが描かれていて、心が本当に痛みました。画面上では侵略者である英国人が、悪人として描かれていて、割り切って見ているとまさに悪人成敗といった気持ちになり、インド人を手放しで応援したくなりました。事実バッタバッタと英国人が倒れて行きます。もちろんインド人もですが。また、当時の英国人にとっては、インド人は「虫ケラ」に過ぎなかったのが良くわかるシーンが多いです。まさに19世紀の戦争の時代は本当に残酷です。もちろん今でも残酷な戦争は続きますが、憂えているのは私だけではないでしょう。インドの国のために戦うラーマと、家族のために戦うビームの二人のエネルギーが合致して、英国人を撃退する姿はまるで神が乗り移ったようですが、それがインドの持つ魂の力の現れなのかもしれません。作品の中で、インドの激しい踊りが展開されますが、まさに民族のエネルギーここにありと言う感じでした。その明るさは言葉にいい尽くせません。
追記 最後にはラーマとビームがそれぞれ恋人と無事再会できた時には、本当に嬉しかったです。
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