「蜂起せよ!!咆哮せよ!!反抗せよ!! 燎原の大火と覆舟の高波、相容れない2つの魂が混ざり合う時、革命の狼煙が上がる!!」RRR たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
蜂起せよ!!咆哮せよ!!反抗せよ!! 燎原の大火と覆舟の高波、相容れない2つの魂が混ざり合う時、革命の狼煙が上がる!!
1920年、イギリス植民地時代のインドを舞台に、鋼の肉体と鉄の意志を持つ2人の男、ラーマとビームが、それぞれの使命を果たすために命を燃やすアクション超大作。
監督/脚本は『マッキー/Makkhi』や『バーフバリ』シリーズの、巨匠S・S・ラージャマウリ。
とある使命に燃える警察官、アッルーリ・ラーマ・ラージュを演じるのは『マガディーラ 勇者転生』『ランガスタラム』のラーム・チャラン。
👑受賞歴👑
第95回 アカデミー賞…歌曲賞!
第80回 ゴールデングローブ賞…主題歌賞!
第88回 ニューヨーク映画批評家協会賞…監督賞!
第48回 ロサンゼルス映画批評家協会賞…作曲賞!
ぐわぁぁぁぁぁぁああっ!凄えぇぇぇえええ!!!🔥🔥🔥🌊🌊🌊!!!
スクリーンから迸るパッションが脳みそを揺らす!心臓が激しく脈打ち、身体中を血液が巡る!
顔は笑う。眼球からは謎の涙が溢れる。マインドがラーマとビーム、2人の英雄に支配される!!
蜂起せよ!咆哮せよ!!反抗せよ!!!
時代も国も飛び越えて、ラーマとビームの意志が私の胸の奥に鋭く突き刺さってしまいましたーーーっ!😠💥💥💥
とにかく凄まじい映画。筆舌に尽くしがたいとはまさにこのこと。
脚本的に「えっ。それはどうなの?」と思うところも確かにある。
3時間という長丁場ゆえ、なんとなくダレてしまう時間帯もある。
しかし、この映画の魂はそれらの欠点を補ってなお余り有る!!!
あまりにも人間離れした戦闘力を持つラーマとビーム。特に冒頭、数万人の大群衆と戦うラーマはほとんど範馬勇次郎である。驚いたのは「グラップラー刃牙」(1991-1999)の中で勇次郎が説いていた圧倒的多数との戦い方をラーマが実践していたこと。まさかラージャマウリ監督やスタント・コーディネーターのキング・ソロモンさんが「刃牙」を読んでいるということはないだろうが、強さを追い求める男たちの発想はやはり似るのだと得心が行った。
とにかく、ラーマとビームの人間離れした強さに説得力を持たせる、ラーム・チャランとN・T・ラーマ・ラオ・ジュニアの圧倒的な筋肉、そしてあの圧巻の胸毛。これがセクスィーで素晴らしい✨やはり筋肉こそが映画の華なのであります!
驚愕の肉体が繰り出す、アンビリーバボーなアクションの連続。
特にクライマックス、”神”へと変貌を遂げたラーマとビーム、その神々しさと言ったら…🙏
アニメや漫画などにはよく主人公の覚醒シーンというものがありますが、本作はそれら全ての覚醒シーンを遥かに上回るとんでもないカッコよさでした!
おだやかな心をもちながら、はげしい怒りによって目覚めた伝説の戦士…。これが超インド人か…。
インド映画お得意のダンスシーンも素晴らしく、踊り出したくなってしまいました。ナートゥナトゥナトゥナトゥ♪💃
あのジェイクとかいうイギリス人、なんか結構仲良くなれそうな雰囲気があったから、彼が再登場してビームに手を貸すみたいな展開があったら最高だったかも…。まぁそんなことやっちゃうとさらに尺が伸びちゃうからね。しょうがないね。
燎原の炎のような情熱と、舟を覆す大波のような迫力。炎と水がガッチリと手を組み、Riseし RoarしRevoltしてくれる夢のような映画!
『トップガン マーヴェリック』(2022)といい『RRR』といい、今年のアクション映画界は一体どうしてしまったんだ!!最高じゃないかっ!?
とにかく1人でも多くの人間に、本作を鑑賞してほしい。この衝撃を全身の細胞で受け止めるべしっ!!
…余談だけど、筋肉とかアクションとか胸毛とかテンションとか、物凄く「ゴールデンカムイ」(2014-2022)っぽさを感じる映画だった。
「ゴールデンカムイ」実写化するらしいけど、ラージャマウリ監督が作ってくれないかな…。
※インド映画弱者の私はインド映画=「ボリウッド」と認識していたんだけど、これは間違いであることが判明!
ボリウッドとはインド第2の都市、ムンバイを中心に作られる映画のことを指すのだそうで、その言語はヒンディー語やウルドゥー語。対して本作はフィルムナガルという地域で製作されたテルグ語映画であり、このような映画のことは「トリウッド」と呼ぶとのこと。恐ろしく人口の多い多民族国家だからこそ、地域や言語によって映画業界が区分けされているのですね〜。
※※本作の主人公、ラーマとビームは実在の人物をモデルにして創造されたキャラクター。それすなわち、革命指導者のアッルーリ・シータラーマ・ラージュ(1897 or 1898〜1924)とコムラム・ビーム(1900 or 1901〜1940)である。
この2人は生年こそ近いものの接点はなかったようで、1920年にもしも2人が出会っていたら…、というIfストーリーが本作な訳です。この辺も「ゴールデンカムイ」と似てるな。
現実では悲劇的な最期を迎えるラーマとビームですが、映画の中では神となり八面六臂の大活躍を見せる。こうあって欲しかった、というラージャマウリ監督の思いが伝わってくるようです。
史実ならこの4年後にラーマは殺されてしまうわけだが、『RRR』バースのラーマは殺すには英国軍人を総動員する必要があるだろう。それでも多分、滅ぶのはラーマではなく英国の方だろうが…。
※※※本作のラーマとビームが、実在の革命家ラージュとビームからインスパイアされて創作されたキャラクターだというのは前述の通り。
しかし、実はそれだけではなく、ラーマは叙事詩「ラーマーヤナ」の主人公ラーマを、ビームは叙事詩「マハーバーラタ」に登場する英雄ビーマをモデルにしている。
実在の人物と神話上の英雄という、二重の影響を受けて誕生したキャラクターだからこそ、ラーマとビームは荒唐無稽でありながら親しみやすさも兼ね備えた人物として成り立っているのですねぇ。
ちなみに「ラーマーヤナ」は、攫われた妻シーターを取り戻すため、英雄ラーマが羅刹の王ラーヴァナに戦いを挑むというお話。ラーヴァナにシーターを攫うように唆したのは、ラーヴァナの妹シュールパナカーである。そしてラーマは弓の名手として描かれている。
一方、「マハーバーラタ」はパーンドゥ王の五王子vsクル国の百王子の戦いを描いた物語。
ビーマは五王子の一人で怪力の持ち主。今でもインドでは怪力の持ち主のことをビーマと呼ぶのだそう。彼は宿敵ドゥルヨーダナによって、毒蛇による毒殺を試みられている。
ーーー2025年10月、BSトゥエルビにて放映された為再度鑑賞。当時劇場で2回鑑賞しているので、これで合計3回、このクソ長い映画を通しで観たことになる。流石に飽きるかな、と思っていたのだが、何度観てもこれ死ぬほど面白いぞっ!どうなってんだ!?
気付いたのはラージャマウリ監督のアクション演出の巧みさ。「すべての映画はアクションである」という格言があるが、正に本作はそれを体現している。ラーマとビームが大暴れするアクションにばかり目が行くが、大事なのはその背景や合間。この映画では画面が静止している瞬間はなく、常に人いきれや動物、あるいは風や土煙によって「動き」、つまりアクションが作り出されている。「Be Water, My Friend」の言葉の通り、澱みなく流れものは決して腐らない。この画面に満ちる流動性こそが、本作の圧倒的な密度と熱量の秘密だったのだ!
調べたところ、いませんでしたねぇ(-_-;)・・・
失礼しました。監督のインタビューで「あえて知名度の低い人挙げた」そうで、ネルー元首相やガンジーを入れなかったそうです。
ちなみにガンジーと間違えたのはパテールという人物で「統一の像」という世界一高い像のモデルの方でした。
孔明みたいな人とインディ・ジョーンズみたいなのいたよなぁ(笑)

