「ヒロインが魅力的で、テーマがストレートに伝わる。これ以上に何が必要か?」ミューズは溺れない スキピオさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒロインが魅力的で、テーマがストレートに伝わる。これ以上に何が必要か?
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去年の映画ですが、ようやく観ることが出来ました。すごく佳い作品ですね、今年の邦画の暫定1位かも。
女子高生3人の青春モノ。朔子は進路も、恋愛も、父が再婚して新しくなる家族にも馴染めない。西原は絵の才能があるも、コミュ障で周りと馴染めない。宏美は片想いの相手が好きな朔子や、才能のある西原に嫉妬し、ギクシャクする。そんな3人の成長譚。
まず、主役の朔子がどんどん綺麗に見えてくるのが素晴らしい。「映画は女優を魅力的に撮ればOk」というのはポンポさんのセリフだったと思いますが、その通り。始めは、なんでこんな子を使ったのかな?と思うぐらい死んだ顔をしていたのが、ストーリーが転がるにつれて、どんどん魅力的に見えてくる。
次に、伝えたいことが分かりやすい。ファーストシーンが港で動かない舟で、溺れる主人公。真ん中からは自分の舟を作り、西原と一緒に海へ。本作でデビューする監督の想いと重なっているのかもしれませんが、迷いや不安をてらうことなくセリフに乗せてぶつけてくれるので、ストレートに感動できます。
ポレポレで鑑賞後にトークショーがあり、監督にサインを頂く時に「朔子が舟を作り産み出すことで、出産する義母と通じ合えたのですかね」と感想をお話しする機会にも恵まれ、余計に楽しかったです。
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