「青春バンド映画におけるポイント」目指せメタルロード ヒックス伍長さんの映画レビュー(感想・評価)
青春バンド映画におけるポイント
いわゆるジュブナイルというかライトノベル的な学園コメディ。
メタルを主体とした青春バンド映画そのものが、時代的にも相当マイノリティなはずなのだが、作中でのBGMは、あえてオールドスクールなメタルソングを意欲的に選曲してあるあたり、対象の年齢層はかなり限定されるが、個人的にはストライクだった。
しかしながら、劇中の展開とは言え、今時の高校生がはたしてサバスのWar Pigsをあんなに必死に練習するだろうか?という選曲の渋さゆえの不自然さはともかく、そもそも使用機材の調達や移動方法がチート過ぎるという点がメタルバンド経験者としてはかなりの疑問点だった。あくまでメタルバンドを軸とした学園コメディを描くなら、むしろ定番の恋愛パートを省いてでも、楽器や練習場所を確保するまでの苦労をプロセスとして描くべきだと思う。
後半、唐突に展開される、あるシーンはメタル好きにとってはある意味サプライズなのだが、あまりに突然すぎて笑ってしまった。メタルに無関心な人にはまるで意味不明なシーンだが、メタルは好きだけど映画は興味ない、という人もこのシーンのために鑑賞する価値はあると思う。
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