劇場公開日 2022年10月21日

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「字が苦手なので書道の時間には絵を描いていました」線は、僕を描く kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5字が苦手なので書道の時間には絵を描いていました

2022年11月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 青山(横浜流星)が涙する序盤のシーンで同じように涙してしまった。もしかしたら、自分は長谷川等伯の生まれ変わりなのかもしれないと思った一瞬(ウソ)。いい仕事してますね~と、千瑛(清原果耶)の絵に心奪われてしまった。でも、椿という題材が、青山の過去の辛い記憶のものだとわかり、篠田湖山(三浦友和)はそこまで読んでいたのだろうかと疑問をも感じた。やっぱり優しい線を可能にしたのは箸の使い方だったかなぁ・・・

 有名画家の映画は数多くあれど、将来大物になるかもしれないと予感させる素人の作品は少ないんじゃないでしょうか。しかも墨一色という水墨画の世界を描いた作品は珍しい。思い出そうとしても『書道ガールズ』(2010)くらいしか浮かんでこなかった(絵じゃない)。それより『メッセージ』(2016)が近いか?!たしかあれはイカ墨だったよね?

 大雑把に言ってしまえば、家族を亡くした喪失感と再生の青春ストーリーなんですが、水墨画の初歩を教えてくれるし、意外な江口洋介を見せてくれるし、千瑛との恋の予感もほのめかしていた。そして、病気のために筆を左手に持ち替えた三浦友和に画の心を見た!

 全体的にはつまらない?いやいや、絵の向こうにある心が見えればいいんですよ。技術や才能だけでは評価できないプラスα。麻雀の花牌でもお馴染みの基本の四君子(蘭、竹、菊、梅)という描画も苦にせず楽しく打ち込んでいる姿。ライバルとも言える千瑛が逃げ出すのもまた乙女心。画を通して人の心に触れることの大切さも伝わってきた。人前で描くパフォーマンスにしても、紙と筆と心が一体にならなければ不可能だ。

 大きな災害も東日本大震災ばかりが題材になっている昨今。想定外の大雨だとか大地震だとかいつも災害に見舞われる日本。色々と考えさせられる作品でもありました。

 また、柱の傷はおととしの~♪と、8才のそうすけと8才のつばきの傷によって、何気につばきの方が背が高かったことに気づきました。こんな僕じゃ、いつまでたっても自分の線が見つけられないかもなぁ・・・

kossy
しろくろぱんださんのコメント
2022年11月16日

共感ありがとうございます。

…墨で絵を描いていたんですね。
それこそ。まさしく
…水墨画ですね。

しろくろぱんだ
NOBUさんのコメント
2022年11月15日

今晩は
 今作は、横浜さんと、清原さんと三浦さんの演技もありましたが、心に響いた作品でした。
 大きな和紙に、大筆で水墨画を書くシーンに魅入られ、目的を失っていた主人公が水墨画に魅了されて行く姿がとても良かったですね。
 珍しく評点を変えた映画でした。横浜さんも、清原さんも今後の邦画を担っていく方だと感じた映画でもありました。では。
 あ、返信は不要ですよ。

NOBU
CBさんのコメント
2022年11月15日

映画観た後に原作読むと、これがまた楽しいと思います。おすすめです。(自分は逆でしたが)

CB
みかずきさんのコメント
2022年11月15日

肝心なことを書き忘れました。

共感ありがとうございます。

ー以上-

みかずき
みかずきさんのコメント
2022年11月15日

ラストシーンは出来過ぎかなと思いましたが、
作品全体がシンプルでクリーンな雰囲気だったので納得でした。

文系スポ根ドラマだと思っていましたが、
好きこそものの上手なれタイプの作品でした。

爽やかな余韻に浸ることができる作品でした。
三浦友和、江口洋介が良い味を出していました。

では、また共感作で。

-以上-

みかずき