「すごく面白いし感動した。何で青春映画の金字塔なんてアホな宣伝するんだろう。」線は、僕を描く 風の又三郎さんの映画レビュー(感想・評価)
すごく面白いし感動した。何で青春映画の金字塔なんてアホな宣伝するんだろう。
西濱湖峰(江口洋介)がぼやく、「本質だの命を描けとか、えらい先生の言うことは面白い」。その通りだが、どういうコトかは分からない。題名も「線は僕を描く」 で 「僕は」ではなくて日本語として意味不明だ。しかし最後まで見ると何となく「線は僕を描く」の意味が分かったような気にななってしまう(^^)
篠田湖山(三浦友和)も偏屈な大家でなくいい人なのがいい。孫の千暎(清原果耶)が水墨画家としての葛藤の末に戻ってきたときの「おかえり」はとても心暖まるものだった。
「ちはやふる」があまり面白くなかったので期待してなかったが、「線は僕を描く」は面白かった。
映画は一冊の長編小説を2時間でまとめるから、話の筋を追うだけのトントン拍子なのは仕方がない。できればPART2と3で今回のラストまでにあった出来事を見てみたい。
【11/10(木)・追記】
原作を図書館で借りて読み終えた。「命を描く」とか「線は僕を描く」の意味がよく分かった。
原作にある水墨画の達人2人の言葉。 湖山「磨かなくても最初から輝いてる才能がある」。西濱湖峰「水墨画が何なのかを知っていれば、才能や技術を越えるものがあるのが分かる」。そして本質、命、心を見つめ問い続ける霜介。彼が賞を取るのも納得できた。
原作には湖山「きっと私も描けない」、「花が君の先生だ、ここには私には伝えられないものがある」とか、湖峰「何も知らないことが大きな力になる」など、言ってることは禅問答みたいに「?」だけど面白いセリフや描写がてんこ盛り\(^o^)/
原作はメフィスト賞受賞だから面白いに決まってる (たしか応募・選考基準が、面白ければ何でもOKみたいなことだった)。 映画で描き切れなかったことも てんこ盛りだ。