「最重要カットの欠落」線は、僕を描く uzさんの映画レビュー(感想・評価)
最重要カットの欠落
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冒頭の湖山先生のパフォーマンスで一気に惹き込まれた。
様々な筆や刷毛、時には手指も使いながら、掠れや滲み、滴りすら線にしてしまう躍動感。
横浜流星は大人っぽすぎるかと思ったが、水墨に触れたときの子供のような目やあどけない所作で違和感なし。
(サスガに大学入学前はムリがあるけど。笑)
清原果耶は大人っぽくなりましたね。途中まで年上設定だと思ってたくらい、凛々しく美しかった。
脇の演者も文句なし。
河合優実は過去イチ普通の役だったが、立ち位置的に出過ぎないバランスが絶妙。
江口洋介は、『アキラとあきら』でもMVPだったが、なんかもう、ズルい。
湖峰の力強いパフォーマンスは、湖山の洗練された無駄のないそれとの対比が素晴らしく、中弛みも防いでいた。
しかし、クライマックスは地味。
メイン二人の“線”の変化を感じづらいこともあるが、霜介の憔悴した姿がワンカットもないのは問題だと思う。
再生を描くのに、底を見せないのでは乗り切れない。
千瑛の初登場シーンなど、光を強くする演出の多用もやや安易に感じたし、エンドロールの演出は最高だが曲が合っていない。
など、惜しい部分も散見されるが、下手に恋愛に持っていかないあたりは好印象。
最後、霜介の画に描かれた色の強い3つの椿は、開いた2つが両親で、蕾が妹さんかな。
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琥珀糖さんのコメント
2023年6月23日
共感ありがとうございます。
出演者が皆さん良い仕事してましたね。
江口洋介・・・三浦友和の代役で、即興で描く・・・
・・・たしかにズルい。
場面をさらいましたものね。
私もエンディング曲は、一気に雰囲気を壊したと思います。
そこまでの音楽を担当した作曲家はとても良かったと思っていたのに・・・