「満たされない男女が満たされていく」線は、僕を描く そよぐ桜並木さんの映画レビュー(感想・評価)
満たされない男女が満たされていく
家族を失ったり、愛されなかったり、居場所がなかったり、評価されなかったり。
そんな若い男女がとある椿の水墨画をきっかけに出会い
互いの暗い過去を曝け出し距離を縮める人間ドラマ。
他人におすすめしたい邦画ですね。
映画館行くたびに毎度プロモーション映像が流されるのも納得。
正直ラブストーリーをもう一歩踏み込んで告白なりそういうシーンまでやってほしかった。
原作あるので無理はいえないが。はっきり描写しないほうが水墨画らしいか。
青山霜介(そうすけ)
好青年。パルフェの主人公高村仁のように家族思いで闇を抱えていて女性からの接触にドキドキもせず好意に鈍感。テンプレ主人公かよ。
普通の男はまず顔見て惚れて体くっつけて手を握られて筆の動かし方を教えてもらった瞬間意識し始めると思うけど?
篠田千瑛(ちあき)
霜介よりも年下らしい。湖山先生の孫であり弟子で霜介からみたら年下の兄弟子。
序盤から霜介にひっそり好意もってるよね。
ぶつくさ文句言いながら丁寧に教え、サークルでは褒め、誤飲酒を機にアパート乗り込み、
女性画家に貶されたときにかばったシーン、アパート前で膝抱えて過去を共有するシーン、
極めつけは「ついていってもいい?」。で男の3歩後ろを歩く。
料理はだめだめだけど容姿芸術に関しては抜群という冬馬かずささながら。
男から見ると100点満点の女性でした。
お節介な同級生の男
3年になり過去を引きずったままの霜介を心配するシーンは飯塚武也。
でも彼女っぽい女性がいる前で「今度千瑛ちゃん紹介してよ」発言は無神経すぎかもね。
女性は傷つく。たぶん原作通りなんだろうけど。
演者さんの演技も文句なしでよかった。
イケメン主演俳優なので女性向けと思いきや実はこれ男性こそ見て損はないですね。
原作もよく、映像化も上手なのだろう。