「まさに、水墨画「道」を描いた映画」線は、僕を描く tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
まさに、水墨画「道」を描いた映画
水墨画には詳しくないが、シンプルなだけに奥が深く、技巧だけで良し悪しが決まるものではないのだろう。タイトルや劇中の台詞にもあるように、描き手の人となりや生き様が如実に表れるというのも、そのとおりなのかもしれない。
ただ、そうは言っても、水墨画で人に認められたり、賞を取ったりするためには、それなりの絵の才能やセンスが必要になるのではないだろうか?
その点、湖山先生が主人公を弟子に取った理由には、今一つ納得がいかないし、主人公が水墨画にのめり込み、めきめき腕を上げていく展開にも、どこか違和感を感じてしまった。
仮に、湖山先生が、行き詰まっている孫のために、一緒に前に踏み出すパートナーとして主人公を選んだのだとしたら、その深謀遠慮ぶりには舌を巻くしかないが・・・
いずれにしても、芸術家というよりは求道者のような水墨画家たちの言葉には、人生訓のような含蓄があるが、最も心に響いたのは、江口洋介演じる湖峰の、人や絵についての考え方だった。
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