「ノヴォロシア」ドンバス MARさんの映画レビュー(感想・評価)
ノヴォロシア
2014年、ロシアによるクリミア併合後に「独立」を宣言した、親ロシア派が多くいるウクライナ東部ドンバス地方にて起こっている出来事を描いた作品。
昨今のニュースで取り上げられているようなシーンが随所に見受けられる・・・が、これは決してロシアによるウクライナ侵攻後の様子を描いた作品などではなく・・・。
私自身も恥ずかしながら歴史問題に疎く、2月24日に始まった戦争が、いきなり始まったように見えていたタチです。そんな私と同じような人は恐らく多いのではないかと思いますが、何も知らないで観たら、本作の内容が戦争前の出来事を描いているということに驚くのではないでしょうか。
印象に残ったシーンは数多く・・・
地下シェルターで暮らす人々。何度も言うが、これが本格侵攻よりも前の出来事だなんて衝撃。
この人たちは今この瞬間も勿論、ずっと長い間苦しんでいるんですかね・・・。
「新政府」に協力する警察。車の持ち主に署名を迫る…。ソ連って感じ。。
これと似たようなことは、実は現在はロシアの方で起こってたりするのかなぁなんて思ったり。
この戦争が長引けばどうなることやら。
ウクライナ軍捕虜への非人道的行為。戦争が始まった現在は、これ以上に酷い事がより多く起こっているのかもしれないと考えると辛すぎる。
最後、トラックの中で起きた12人の出来事。パトカーが来たと思ったら。。
哀しきことに、フェイクニュースは戦争の常ではあるが、この「共和国」がニュースを取るために行った行動。。この12人も所謂「共和国」の人達なんじゃないの?
本作についても、どれだけ鵜呑みにして良いのかわからないし、難しくて理解しきれなかった部分も多かったが、人の命の重さとか、今後の情勢がより気になるきっかけとなった作品だった。