サヴェージ・ウーマン 美しき制裁のレビュー・感想・評価
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見た目じゃわからない
Sarah Bolgerが気弱そうな女を演じているが、気弱そう──というのは男の希望的観測である。 若い頃、外観の印象で女に近づいたことがあった。そういう観点で近づくと当然いい結果にならない。あどけない童顔であろうと優しそうな風貌であろうと理知な顔立ちであろうと、毒づかれてびびるのがおちだった。ひるがえって大人は外観が女の内的気質を表していないことを知っている。それはあたりまえのことだが男は外観から入っていく生き物ゆえ実際にしっぺ返しを食らうまで解らないのである。 逆に言えばすでにいい大人であなたに近づいてくる者がいるとしたらロクでもない奴とみていい。かれはあなたを言いくるめることができそうだ──と見なしたプレデターに他ならない。 そういう描写が冒頭にあった。 子連れのサラ(Sarah Bolger)がグロサリストアにいるときおっさんが親切風ふかしながら話しかけてくる。ああこういうのいるよな──と思わせるシーンだったが、Sarah Bolgerはじっさいなんとなく守ってやりたくなる風貌をしている。 マーガレット・クアリーの出ているメイドの手帖というネットフリックスドラマがあった。シングルマザーがDVと世間の荒波を乗り越えまくる話。きれいな面相と気の毒な境遇ゆえに、男がマーガレット・クアリーを守ってやりたくなるのは必然だった。 が、女にしてみりゃ「だれがおまえに守ってくれとたのんだ?」とか「同情するなら金よこせ」という話である。 この映画の原題はA Good Woman Is Hard to Findで、翻訳機にかけたら「いい女はなかなか見つからない」と出た。 つまり男はマーガレット・クアリーやSarah Bolgerのような外観の女が子連れでがんばっている姿を見ると下心込みの庇護本能で近づきたくなってしまうのだが、女からすりゃ「寄ってくんな」という気分なわけである。それが原題の「いい女はなかなか見つからない」につながる。要はしっぺがえしを食らった男の嘆きがタイトルになっているのだった。 imdb6.3、RottenTomatoes92%と67%。 社会の下層で戦うシングルマザーが、男社会にリベンジするストーリーになっていてプロミシング・ヤング・ウーマンのようなユーモアもあった。 ディルドーの電池がなくて子供のおもちゃから電池をもってくるシーンがあったが子育てと性を表徴描写したいいスクリプトだと思う。 シングルマザーのサラを窮地へ落とすのは男尊女卑な社会や治安のわるい居住地で、その様子がケンローチ的であるという評がいくつかあった。ケンローチみたいに社会派なところとアイスピットオンユアグレイブ風のリベンジエンタメがあわさっていて、黒幕の拠点へ潜入するとき濃く化粧するSarah Bolgerもすてきで、個人的に気に入った映画になった。 起のグロサリストアのおっさんは結にもなっていて、くずどもをやっつけて強くなったサラがユーモアをしめくくった。
胸張っていきましょう
原題は「善き女性とはめったに出会えない」だろうか。 古臭い「善き」なんて観念はカチ割ってやんよって感じの痛快さだった。 エンタメとしてまずは100点満点。 苦労も苦悩もする生身の女性がいて、姿が見えない”世間”の冷たさがあって。 んでも清掃員(かわいそうだった)のおっちゃんがいたり、 我が子が壁を乗り越える瞬間があったり、人生やっぱり捨てたもんじゃなくって。 スーパー店員のあいつみたいなゲスさにどう対処できるか。 自分が自分であることに胸張っていきましょうっていう そういうポジティブさが感じられる作品だった。
主役キャラの新味。
シン•遥かなる山の呼び声。 拾い物の秀作。 既視感あるベタ展開に主役キャラの新味で果敢に挑み成功。 導入部の無駄の無さ。 小道具の少なさ。 娘をビッチ予備軍に据える爽快。 依然として何処か危なっかしいままという人の生のリアル。 三宅隆太氏推薦作。 推す。
意外と好きかも…
リベンジものですが、決して痛快ではないし(え?子どもたちにはいつか本当のこと言うの?)、終始暗いというか重くてゲンナリします。 やってることも、実際はかなり無理があるのですが、全体の重苦しい世界観の中では、リアルな感じもしてくるから不思議です。 個人的には、あの状況で頑張るお母さんをなんとか助けてあげたい、と思わせられたので、感情移入できた分、なかなかの作品、という印象です。
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