「想定される観客者のレベルを理解していない??」ぼくらのよあけ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
想定される観客者のレベルを理解していない??
今年308本目(合計583本目/今月(2022年10月度)22本目)。
ということで、水墨画の映画から10分差でこちらです。
そもそも主人公は小学生で、この観点からすると、合理的な範囲で一定数の割合で小中学生が見に来られることは容易に想定はできます(私が今日(金曜日)行けたのは、単なる有休消化デーに過ぎないが、小中学生は金曜日の朝からいけない)。この観点で土日、お子さんをつれたファミリーの方の評価も気にはなります。
ストーリーとしてはよくあるタイプかな…という気はするし、少し未来の(20年くらい先の)日本をテーマにしたもので、多少ITに関する知識が要求される一方で(実はこれも切実な問題、後述)、Jaxaや国立科学博物館などの後援もあるようで(公式サイト、エンディングロール参照)、この点、つまり天文に関する点は妙なほどに正確に描かれているし、扱われているのは太陽系の近く程度までという事情もあるので、そこまで細かい知識は要求はされないところです。
一方で他の方の採点や感想でふれられているように、「何がなにだか変な展開にいきなりとんで、何かの「架空ワードやらが飛びまくって理解の展開を混乱させる」という部分、さらに単に「小学生の(民法上の)不法行為祭りじゃないのか」という話(勝手に水道管をいじったりうんぬん)、さらに、「形而上」(けいじじょう)といった、想定される観客ではまるでもって理解ができないのでは…という語が飛びまくり、見かけに反して理解はしづらいです。まぁ、この映画自体が作話の範囲な一方で、近未来の宇宙の在り方として20年後程度に(程度の差はあっても)ある程度、映画のように科学技術が発達しているだろう、という点は理解でき、ここは大きくは引けないところです、よって、2022年、6月だったか7月だったか、「グッバイ、ドン・グリース」のような評価に収束しそうな気がします(想定される観客層では理解が難しいが、大人がみればある程度は理解はできる)。
採点に関しては下記のようにしています。
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(減点0.3/映画の趣旨的に配慮が足りない)
・ 上述通り、この土日ではファミリー連れが想定できるところ、「形而上」だの何だのという語が飛びまくるので結構きついです。また、「(コンピュータの)処理落ち」という語まで登場します。さらに厄介なのは、2022年時点でのリアル日本で、一般的に家庭で使っているパソコンは、極端に「20年も前のPCを使っている」なんていうのは論外としても、今のPCではよほど負担をかけない限り「処理落ち」という論点自体が発生しづらく(ただ単に「ちょっと起動が遅いなぁ」程度でしかなく)、この「処理落ち」という語もリアル小中学生の子では理解ができるのか、結構怪しいです。
ストーリーも奇想天外で理解がしにくい…のは思ったものの、それを言い始めると近未来ものは全部だめなのかという話になる(近未来を扱う以上、合理的な範囲でITなりが発達している社会を描くのが当たり前で、その前提で「常識的にありうる(架空のお話だとしても)展開」である点は理解しえるからです。
結局のところ、「形而上」という語句が出るかと思えば、「処理落ち」に代表されるITワードが飛びまくれば、さらにストーリーとして天文の知識を要求したりと、「想定される一定の割合と思われる層」では消化不良にしかならないのでは?」という点、そこにつきてしまいます。
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(参考/「小惑星」のお話)
・ 「小惑星」は、主に火星と木星の間をまわりますが、イトカワ・リュウグウに代表されるように、地球に接近するタイプのものもあります(この点の理解が中途半端だと、まずそこから理解が困難になります)。
(参考/海王星の映像にぽつんとうつっているように見える「点」)
・ 海王星の衛星、トリトンではないか、と思えます。
(参考/登場人物の声優さんが、水瀬いのりさんと、戸松遥さん)
・ さて、今日(21日、一般版は22日)に同じく公開される映画で、お2人がやはりそろって登場するアニメ作品は、何でしょう?(戸松さんは、「ヴァイオレット~」のアイリスさんの役でも登場しています)
別にコラボしているわけでも何でもないのですが、「協力・反目関係」では似たリンクを感じたのも確かで、何かのめぐりあわせかな…とは思えます。