劇場公開日 2022年7月8日

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「史上最高齢の殺人鬼」X エックス bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5史上最高齢の殺人鬼

2023年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

これぞ、アメリカン・エロチック・ホラー。人の心の奥深くに潜む醜悪なものを、これでもかと注ぎ込んだ内容。前半は、不穏な空気が漂う中にも、男女が絡み合うエロ・シーンを中心に…。後半に入ると、いよいよ血生臭いスプラッター・ホラーな様相を色濃くし、凄惨なシーンを次々と突き付けてくる。

本作の最大な特徴は、史上最高齢の老夫婦の殺人鬼という点。その殺意においても、老齢による身体機能の低下がよって、満たされない老婆の性欲が元凶というのも、なかなか生臭い設定。そこに、若者の自由奔放なセックスへの憎悪と嫉妬を絡め、殺人鬼として仕立てていくのは斬新なホラーと言える。

ストーリーは、自主ポルノ映画を撮影する為の6人のクルーが、ロケ地として田舎の農場を訪れるところから始まる。そこには、不気味さを漂わせた、貧相な老夫婦が住んでいた。順調に進んでいたロケだったが、ある出来事でカメラマンが怒り、ロケから離脱しようとする。それが血塗られた地獄の門の幕開けとなり、老夫婦が猟奇的な殺人鬼へと変貌を遂げ、一人また一人と、クルー達に襲い掛かってくる。

スプラッター・ホラーにおいては、いかに目を背けたくなるような、グロい殺戮シーンが見どころとなる。その点で、不気味な納屋、ワニのいる沼、地下室、幽霊のような老婆等、様々な危険が潜む前振りをしながら、「来るぞ、来るぞ」と恐怖を煽る中で、グロさ満載の「グサリ」と来る演出は、ホラー映画の王道とも言える。

また、こうした作品につきものの、最後には殺されるおバカな若者達のエロ・シーンも、前半には、何度も盛り込まれ、これもまたアメリカン・ホラーの王道を辿っている。本作で主演したミア・ゴスは、『サスペリア』にも出演していたが、今回、惜しげもなく裸体を晒し、大胆なベットシーンも演じている。

現在、本作の前章譚となる『パール』が、上映されているので、時間があれば観たいと思う。こんな暑い日が続く夜には、うってつけのホラー作品である。

bunmei21