「乙女として、殺人鬼として生涯現役」X エックス bionさんの映画レビュー(感想・評価)
乙女として、殺人鬼として生涯現役
もうこの監督エグい。エロで気持ちを弛緩させた後は、とことんまで観客を追い込んでくる。しかも、これから起きる事を想像させて、ジワジワくるから肩の力を抜くことができない。変な汗もいっぱい出たところでエンディング。メンタルの鎧は、粉々になっておりました。
最初の方で、ワニが迫ってくるシーンがあるんだけど、このシーンで「X」ワールドに引きずり込まれる。
水面から顔を覗かせるワニ。ホラーでワニが登場すれば、もう答えは一つしかない。
来るよ来るよ、ジワジワ来る。狙われている本人は気がついていないけど、見ているこっちの心臓はバクバクする。
あー、来ちゃう来ちゃう。ドローンを使った上空からのショットが、物理的に絶対絶命な距離である事を教えてくれる。もう見ていられない。どうなっちゃうのこれ。
最高齢殺人鬼と謳っているジジイとババア。ヨタヨタとしか歩けないのに、殺しのバリエーションはやたらと多い。心臓が弱いっていうのは、フェイクじゃねーの。一体、いつから殺人を重ねているんだろうね。
『哭悲』がグロ界で名乗りを上げたと思ったら、『X』は老人界の殺人王として君臨する。今週は、ヘビー級の作品を堪能できて幸せ。
生涯現役には、こだわらないでおこう。そう思わせる逸品でございました。
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