「沸騰した先にあるもの」ボイリング・ポイント 沸騰 iroiromanさんの映画レビュー(感想・評価)
沸騰した先にあるもの
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主役のスティーブン・グレアムは、個人的なオールタイムベストに入る『スナッチ』のトミー役をしていて、追いかけているわけではないが、出演しているとテンションが上がる俳優さんの1人。
レストラン×一夜の群像劇で言うと『ディナーラッシュ』が好きで期待してしまう。
そして、90分ワンショットの長回し。
観ないわけない。
結論、とても見応えがあった。
人気レストランの通常業務で、注文が殺到する中、巻き起こる深刻なトラブル。
忙しない一夜、従業員それぞれの抱える問題がグツグツグツグツと沸き立っていく様は、緊張感高い。
過去に厨房でバイトしてたこともあり、定期的に現れる態度の悪い客の描写などリアルで感情移入してしまった。
沸騰して鍋から溢れ出た熱湯にどう収集をつけるのか?と思ったら、キャパオーバーでついにシェフが倒れ込んでしまい唐突に終わりを迎えてしまって、少し拍子抜けしてしまった。
呆気ない終わり方で、消化不良だったが、沸騰した鍋の火が消されて作品が終わったのだと勝手に納得した。
一定のキャパを超えると誰でも抱え込めなくなるので、早めに誰かに助けるを求めるべき。
劇中でシェフは最終的に妻に自分のありのままを打ち明けて、弱音を吐くことができたものの、やはり時すでに遅しだったのかなと。
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