「ワンショットでは描き切れない」ボイリング・ポイント 沸騰 加田瀬恋さんの映画レビュー(感想・評価)
ワンショットでは描き切れない
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冒頭の入りから終わりまで、1秒たりとも目が離せないほど引き込まれる。これぞワンショットと言える作品。
作中では、縦横の人間関係だけではなく、黒人差別や同性愛者の問題、薬物やアルコール依存など様々な問題が取り上げられている。しかし、その多くは触りを描くのみに留まり、本質あるいは問題提起の域に達していない。見方によっては、昨今注目される諸問題をワンショットしただけとも受け取れる。
その一方で、これらの問題は古くから日常に存在しており、解決どころか話題になることも少なかった現状をワンショットしているとも言える。どちらにせよ、アンディらが抱える問題は一見他人事に見えるが、我々が共感できる要素を綺麗にワンショットした作品である。
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