劇場公開日 2022年7月15日

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「人生は予測不可能」ボイリング・ポイント 沸騰 ミカエルさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人生は予測不可能

2023年2月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

レストランを舞台にした映画だと当然グルメ情報が話題の中心になり、おいしい料理が次から次へと登場するかと思いきや、この映画は一風変わっていて、レストランに関係する人物たちの人間関係がテーマで、中でもプライベートも仕事もストレスにまみれたオーナーシェフの波乱に満ちたスリリングなクリスマスの一夜を描いた作品となっている。
妻子とは別居状態、衛生管理調査では店の評価を下げられ、オーナーシェフのアンディは人生の崖っぷちにいた。さらに、信頼できる相棒の副料理長は給料に不満で他店に移ることを考えていたり、若い黒人女性従業員が白人客から人種差別的な言動を受けたりという様々なトラブルが持ち上がっているが、予約過多の店は満席となり、厨房には怒涛の勢いでオーダーが舞い込んできた。
そんな中、ライバルシェフがグルメ評論家を連れて来店し、アンディに脅迫まがいの取引を持ちかけてきた。そして、さらに追い打ちをかける緊急事態が勃発する。
ついに、アンディは我慢の限界であるボイリングポイント(沸騰点)を迎える。
昨年観た映画の中でこの映画は特に印象深いのだが、それは、全編90分間ワンカットで撮影されているため、他の映画にはない臨場感、緊迫感があったからだと思う。90分間というと、ちょうどレストランで食事をして滞在する時間と同じくらいになるが、この1回の短い食事時間の間にこれだけのハプニングが起こるとすると、本当に人生とは予測不可能なものだといわざるえない。

ミカエル