劇場公開日 2022年7月15日

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「ワンカットだから少し点数甘め」ボイリング・ポイント 沸騰 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ワンカットだから少し点数甘め

2022年8月4日
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鑑賞方法:映画館

ワンカットで撮影された映画やドラマが好きだ。たとえそれがワンカット風のものであっても、全編がワンカットでなくても構わない。脚本や撮影の段取りの大変さを想像しながら鑑賞するのが楽しい。
本作はレストランを舞台にしたワンカット映画。冷静に考えると、あんなに短時間にあれだけの客数をさばくことができるの?と疑問に感じてしまうが、実はあまり気にならない。ワンカット映画にありがちな、時間経過の錯覚をうまく使っていた。
基本的にはシェフのアンディの感情を乱す出来事を描くのだが、その他の登場人物にも感情を乱すトラブルが続出する。そして沸点を迎える人たちが。実は群像劇のようにいろんな登場人物の物語が垣間見えるのが面白かった。
余裕のなさ、想定外のトラブル、チームワークの乱れ、マネジャーの人間がイラつく要素がてんこ盛りの展開。アンディ目線だと同じようにイライラしてしまうが、冷静に見てしまうと彼の自業自得に感じてしまう。その場しのぎの対応や感情を表に出してしまうこと等、上に立つ人間としてはアウトなことだらけだ。
ワンカットで話が進むから多少強引な展開があったり、伏線回収がわかりやすかったりするのも仕方ないところ。でも、不満なところがあっても、全体的には緊迫感があってなかなか面白かった。
三谷幸喜作品が好きな身としては、この設定、この展開でコメディだったらさぞかし面白かったんじゃないか?と思ってしまう。いや、人が傷つくのはもちろんなしだけど。

kenshuchu