「トラブルまみれの90分間ワンショットに釘付け」ボイリング・ポイント 沸騰 12shiho28さんの映画レビュー(感想・評価)
トラブルまみれの90分間ワンショットに釘付け
90分のワンショット撮影が公開前から話題になっていただけあって、公開2日目の朝10時開演の回でも客席は8割方埋まってた
イギリスの人気レストランのとある夜。トラブル続きの90分間を、まったく違和感なくノーカットで描き切っているのは、前評判通りで圧巻
お店のスタッフたちはそれぞれ問題を抱えていたり、現状に不満を持っていたり、方やお客も嫌な客や迷惑な客がいたりと、群像劇としても楽しめる
後から後から湧いてでるトラブルに、そもそもオープニングからいっぱいいっぱいのオーナーシェフがどんどん疲弊し追い詰められ、予想外の結末へと物語は突き進んでいく
この結末は予想外&あんまり腑に落ちなかったんだけど、鑑賞後に思い返してみると、オープニングから伏線は貼ってあったし、90分間リアルタイムで描いた意味はここなのかな、と感じられた
「自分が悪いことは分かってる」って冒頭のオーナーシェフの言葉が後で効いてきた
ワンカット撮影を見事成功させた魅力的な役者さんたちの中でも、スーシェフ役の女優さんが特に良かった。次回作も観てみたいなって思う
個人的に気になったのは、飲食業界経験者の私としては、オーナーシェフが持ち場を離れ過ぎだし、フロアスタッフがちょいちょいおしゃべりに興じてて、あの席数で客数を、あんなんじゃ回せてないだろうと思えたこと
とはいえ、リアリティと緊張感、人間模様の悲喜交々が楽しめる、上質の映画でした
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