劇場公開日 2022年8月19日

  • 予告編を見る

「漂流する人生と同性愛と中絶。」セイント・フランシス caduceusさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0漂流する人生と同性愛と中絶。

2022年9月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

34歳の女性ブリジットと6歳の少女フランシスの心の交流を描いた物語。
そして、中絶とカソリックという宗教的テーマも"ゆるく"描かれている。
大学を1年で中退し、今はレストランのウエイトレスとして働くブリジットだったが、パーティーで知り合った26歳の男とSEXし妊娠してしまう。
男とは付き合うとも付き合わないとも言えない関係が続くブリジットだったが、子供を生むことはまったく考えず、あっさりと中絶手術を受けて堕胎してしまう。
そうこうするうちに、夏の間、レズビアンのカップルの家で子守の仕事をすることになったブリジットは、フランシスの世話をまかされることになり、ウエイトレスをやめ、レズビアンのカップルの家に通うようになる。
レズビアンのカップルはカソリックの信者だが、カソリックでは同性愛もタブーだと思うので、宗教的には認められない同性愛と中絶という問題をテーマとして描きたかったのかもしれない。
主演のケリー・オサリバンが自身初の脚本を手がけ、私生活ではパートナーということだがアレックス・トンプソンが長編初監督を勤めた作品。
初めてとしてはまとまった作品になっていると言えるだろう。
前半出てきた"付き合っていない彼氏"が後半は出てこなくなる。ブリジットの両親も含め、様々な登場人物との成り行きを描けたら、もっと厚みのあるストーリーになっていたかもしれない。
ぜひ、劇場でお確かめください!

#147

caduceus