ほとぼりメルトサウンズのレビュー・感想・評価
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余りにも奇抜なシチュエーション
冒頭から照明のない暗い映像が5分近く続くのでホラー映画かと思った。癖の強い監督さんですね。町中を録音して回るしょぼくれたホームレスの老人とおばさん顔の少女の出会い、いったい何が起こるんでしょう・・。
老人は土砂崩れで死んだ妹に聞かせようと町の音をとったカセットレコーダーを地中に埋めて音の墓を作っている。おばあちゃんの家は立ち退きを迫られ、電気、ガス、水道も止められる中、少女と老人、立ち退きを迫る会社の社員との奇妙な共同生活の模様をタラタラと描いているだけ、音をとり終えたからだろうか、ある日老人の姿は消えていた・・。
エンドクレジットでクラウドファンディングの謝意があったから募金で作られたのだろうが観光誘致映画でもなく余りにもシュールで意味不明、確かに耳を澄ませば様々な音、ただ、鳥のさえずりや小川のせせらぎなら分かるが暮らしの音はノイズもあり癒しとは程遠いでしょう、確かに夕暮れの町内放送の童謡などは幼少期の記憶やふるさと回帰のノスタルジックな意味とはなるでしょう・・。何かしら感じるものが無い訳ではないが、余りにも奇抜なシチュエーションで物語としては作家性が強すぎて愉しめませんでした。
温暖化?!今やほとぼり冷め切って、文化は冷凍化している。
「イル・ポスティーノ」の主旨を受け継いだつもりなのか?
「この街は終わりばかりで、始まりは無いって事だよ」
それを髭面のジジイ(ムーライダーズ!?)に言わせても共感は持たれまい。果して、意図的な台詞なのだろううか?
「生命誕生」?ってそれは違う。それを生命まで範囲を広げてしまうのが、日本人の哲学の欠如だと思う。肩肘はらずに「子どもの誕生」で良し。
どうやら、ロケ地は桐生の様で、いったことなかったので、分からなかった。両毛線の桐生市近辺の無人駅だと思う。僕は父方の祖父の育った所が、渋川なのに前橋市には行ったことが無い。今度、行ってみよう。
僕がガキの頃、「渡辺貞夫さん」か「ムーンライダーズ」のコンサートのどちらへ行くか決めかねて、栃木県宇都宮市出身のナベサダさんを選んだ経緯を思い出した。
自分達の歌もテープに取って、土に埋めたのか?それで、最後に、僕に取っては受け入れ難い「ラップ」じゃねえか!!
「この国は終わりばかりで、始まりが無い。」よくよく考えれば、「カセットテープレコーダー」や「WALKM◯N」の時代から大和民族は転げ落ちている。何もかも。
車があるんだけれど、カンボジアは「HYUN◯AI」が物凄く多かった。でかいバスは全部「HY◯NDAI」と言っても過言でない。
この主演女優さんは中国系日本人の方の様だが、民族的な偏見はないので。
"音の墓" … 生活音をさまざま拾って、故人の弔いにする、 集めて...
"音の墓" … 生活音をさまざま拾って、故人の弔いにする、
集めている人々が一家団欒のようになる。
切なくもほほえましい、また観て聴きたくなる映画でした。
監督と演者さんのトークショーで裏話も様々聴けて、充実した場でした。
団らんっていいな
食べること
それは一人でも良いのだが、この映画を観ると
やっぱりみんなで食べる食事が豊かだなと感じてしまう。
とにかく料理を囲むシーンがとても美味しそうで良かった。
朝食のシャケが目玉焼きがキラキラして見えた
それは団らんが美味しそうの秘訣なんでしょうが
それでも帰ったらカレーを食べようと思わせてくれる。
ちなみにパンフレットには料理のレシピも載っていたので再現も可
タケさんが音を録って土に埋める理由が明るみになった瞬間
録っていた音達のチョイスのワケもスルスルすると脳裏を駆け巡りギュッとなった。
劇中の彼らの生活はボクの目にはキラキラした幸福な時として映っていたけど
時として見える闇も見え、故にキラキラと映っていたのか
ともかくこの団らんが焦がれてならない
鑑賞後スーパーに寄りカレーを作るぞと映画館を後にする
帰路の途中、焼き鳥のうまそうな居酒屋を見つけてしまい、通り過ぎることができず
瓶ビールと串盛り合わせを前に、カレー団らんが脳裏を走ったが
お正月ですので、サービスのお神酒です。どうぞとあけましておめでとう宜しく
これはこれで美味しいと2023年いいスタートをきった。
人生ゲーム
上映終了間際に滑り込みで鑑賞。
音を集める映画という中々見た事のないジャンルの作品でしたが、想像以上に楽しめました。
ヌルッと始まり、ヌルッと同居人が増えて、ヌルッと退場していく、死生観についての映画ではあるんですが、本編にある優しい緩さがとても心地よかったです。
ご飯をよそって美味しそうに食べている様子は気持ちよかったですし、最後のカボチャの煮付け入りの餃子にはヨダレがダラダラと出ました。
様々な音を集めて、最終的には故人に捧げるという一種の弔いとしてとても素敵な展開だなと思いました。心が綺麗な人にしか聞こえないというセリフもまたグッときました。
大きなハプニングはなく、80分駆け抜けていった作品でしたが、心温まる音集め映画でした。生活って大切。
鑑賞日 10/5
鑑賞時間 20:55〜22:25
座席 A-7
安らげる♪
今は亡き祖母の家をたずねる孫娘。その庭にはひとりの老人が住む。一風変わった老人と一風変わったその孫娘、さらに祖母の家の立ち退きを巡ってやってくる男女も巻き込み、『音』をさがす。
ずぅーっとほのぼのとした空気が流れ、いつまでも見ていたいような気分に浸りながら丁度いい所で終わる。ハラハラドキドキもキュンキュンもないけれど、なんとなく安らぐ映画♪ こういう映画も好きです♪
凄く面白かったです。
音を埋める
東かほり監督による⻑編デビュー作は、アーティスト xiangyu(シャンユー)さんを主演に迎え、彼⼥が或る町で出会った⼈々との交流を軸にドラマが展開していく。
共演には鈴⽊慶⼀さん、平井亜⾨さん、宇乃うめのさん、坂⽥聡さんら多彩なキャストが集結している。
ヒロインのコトは久し振りに祖⺟の家だった空き家を訪れたが、何だか様⼦がおかしい。
家の庭には⾒知らぬダンボールハウスが建っていて、妙な⽼⼈が住み着いていた。
その老人タケは街の⾳を録っては⼟に埋める〝⾳の墓〟を作っていて、その奇妙な⾏動に興味を持ったコトはタケの⼿伝いを始める。
そこへ、家の⽴ち退きを要請しに訪問者である山田がやって来て、奇妙な共同⽣活が幕を開ける。
準主役である鈴⽊慶⼀さんの所属するムーンライダーズで「夢が見れる機械が欲しい」という楽曲がある。
その曲の中に「テープレコーダー 自分の声いれて 土の中へ 埋める」という歌詞がある。
正に本作そのもののような曲だが、映画はこの曲にインスパイアされて制作された訳ではなく、偶然の一致だったとのこと。
都会に住んでいると、沢山の音に囲まれていることを忘れてしまう。
その殆どがノイズだが、本作を観ているとノイズの中にも人によっては掛け替えのない「音」が存在するような気がする。
何故タケは、街の⾳を録っては⼟に埋めているのか?
その謎は終盤に向かうにつれ明かされるが、その過程においてコトを中心に、タケ、山田、更に山田の先輩である浩子も加わり、この不器用なりに生きる登場人物たちの交流が温かく描かれていく。
果たしてタケが目標とする全ての「音」が集まるのか?
本作は、限界集落という問題を提起をしながら、この社会で生きること、死ぬことについて我々に問い掛けているような気がする。
ムーラボらしさと新しさ
観ているときは気づかなかったけど、終わったときの清涼感が凄い気持ちよかった。可愛らしくて何処か儚い、刹那で優しい物語。舞台挨拶の話も交えながら記していく。
今回のムーラボはパッとしない…なんて思っていたけど、実はポテンシャルが高い作品が多いんじゃないかと思った。今作は、行き場のない少女と孤独な老人が家1つ囲うところから始まる。音を集めて土に還す…と意味が分からないことを言っているが、ちゃんと意味がある。家族を繕うように集まった、世代の違う彼らの行方は…。癒やされるような余韻が堪らない。
なんと言っても、xiangyu×鈴木慶一というアーティスト同士の化学反応が心地良い。自由奔放でセンスを感じるxiangyuに鈴木慶一が淡々と受け止める凸凹ぶりも魅力的。平井亜門も宇野うめのも皆ちょっとずつ馴染んでいくように溶け込んでいくから面白い。4人で人生ゲームをしたり、タピオカ飲んだり、そして音を撮ったり…凄く不思議だけど見応えがあった。
全国順次公開も決まってほしいと思えるほど良い作品。もっと色々な評判も聞いてみたいところ。監督の過去作も観てみたい。
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