エイドリアン 亡き妻が世界に遺したもの
2021年製作/99分/アメリカ
原題または英題:Adrienne
スタッフ・キャスト
- 監督
- アンディ・オストロイ
- 製作
- アンディ・オストロイ
- 製作総指揮
- マーク・レビン
- 撮影
- トリッシュ・ゴボニ
- 編集
- アンジェラ・ガンディーニ
- 音楽
- アンドリュー・ホランダー
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2021年製作/99分/アメリカ
原題または英題:Adrienne
『ウェイトレス』は見ていないどころかまるでノーマークだったのだけどこちらのドキュメンタリー映画を見たら見る必要が出る。『ウェイトレス』を見てやっとこの映画を見終えたことになるのではないだろうか。
犯人がシンプルな強盗犯で逆に意味がなさすぎてきつい。貧乏な不法入国者の若者で、女性の地位や自己実現、子どもを持つことなどの意味と格闘していたエイドリアンが死ななくてはならない理由に釣り合わない。充分反省しているし、それをカメラの前で正々堂々と話すところも感情のもって行き場がない。
自分は奥さんを殺されていないのだけど、もし殺されていてもあの旦那のようにしっかり怒りを表現できるかどうか分からない。
娘さんが素晴らしい若者に成長していて救われる思いがする。
ハル・ハートリーの特集上映を劇場で「トラスト・ミー」と「アンビリーバブル・トゥルース」を観て魅了されたエイドリアン・シェリーのキュートな存在感、亡くなっていたことすら、その理由を知った時の衝撃は個人的に大きかった。
終盤に訪れる衝撃的な展開はアメリカだからこその特色?みたいに思える、日本のドキュメンタリー映画では不可能な気もする、被害者と加害者の当事者だからこそ踏み込めた領域でもあり、また少しずつでも人生が良い方向に向ければ、それは加害者にとっても。
成長した娘や残された家族、周囲の友人や関係者、映画に携わった共演者など、もちろんハル・ハートリーのインタビューも、これだけの時間が流れた今だからこそ撮られた作品だと思う。