さかなのこのレビュー・感想・評価
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予想を遥かに上回るさかなクンの半生記
本作を観てまず思ったのは、なんか最近毎月のように磯村勇斗さんが出演してる映画を観てるなあ、ということ。振り返ってみると、「PLAN75」(6月)、「ビリーバーズ」(7月)、「異動辞令は音楽隊!」(8月)、そして本作「さかなのこ」(9月)と、実際6月以降毎月観てました(笑)観る方は楽だけど、演じるのは大変だろうなと、内容でないところでまず感心してしまいました。
さて本論。予告編で本作を観た時は、女性であるのんさんが男性であるさかなクンを演じているところが面白そうだと思う反面、ジェンダーフリーとか、「普通って何」というセリフなどから、某都知事が言い出しそうなダイバーシティとか言った、いわゆるポリティカル・コレクトネスを押してくる映画なのかなという不安もありました。実際本作の冒頭は、「男か女かはどっちでもいい」というメッセージで始まったので、不安が的中したかなと思いながら観始めた訳ですが、物語が進んでいくとそういった「教育的」というか「政治的」な部分は感じられず、理性よりも情念に訴えて来る作品で、事前の不安は完全に吹き飛びました。
一言で言えばさかなクンの半生記なのですが、事実と創作の織り交ぜ方が絶妙でした。コメディタッチで笑いを誘う場面がある一方、主人公ミー坊の父親が全長1メートルくらいある生きたタコを地面に何度も叩きつけてみんなで焼いて食べるシーンとか、のんさん扮するミー坊自身が、釣ったばかりの魚を三枚におろすシーンなどは、観ようによってはスプラッター的でグロい感じがしないでもないものの、当たり前ですが料理を作るには必要な行為でもあり、この辺りの場面が隠すことなく自然に映し出されることでリアリティを感じられ、非常に上手い創りだなあと唸ってしまいました。
また、冒頭でも触れた磯村勇斗さんや柳楽優弥さんと言った、最近大活躍している若手俳優や、母親役の井川遥さん、そして「ビリーバーズ」でも磯村勇斗さんと共演していた宇野祥平さんなど、脇を固める俳優陣が実にいい味を出しており、この点も大いに満足出来ました。そして何よりも主演ののんさんが、一切の邪念なく魚に熱中するさかなクンの姿を唯一無二の演技で熱演しており、感心させられてしまいました。
そんな訳で、事前の予想を遥かに上回る出来栄えの素晴らしい映画だったので、評価は最高の★5としました。
好きを知らぬ間に忘れてしまった中年の心に刺さる映画。
内容は、魚博士を目指すさかなクンの反省をミー坊と言う主人公に投影したコメディドラマ。好きな言葉は、『先生!皆んなが皆んな勉強が出来たら大変ぢゃないですか?!この子には好きをやって欲しいんです。』ミー坊の母が高校の進路相談で担任の先生に話す言葉。ミー坊の好きの力も凄いですが、それを家族という犠牲を払っても支える事の出来る母親の信念に恵まれた事が運が良いなぁと感じました。両手を挙げて好きを一番に感じる事が、時間と共に出来なくなってしまった我々一般大衆の憧憬と寂寥感を感じました。好きな場面は、ミー坊が寿司屋の大将とスナックに行き背後で流れていた『上・京・物・語』シャ乱Qの場面です。自分もさかなクンや沖田修一や前田司郎と年も非常に近いので当時の状況がシンクロした感覚があり、身近に感じられ郷愁に駆られました。ロッキーのスウェットも当時来ましたし野外の階段も駆け上がり両拳を上に突き上げる仕草も真似た記憶が蘇ります。好きなシーンや場面では、やはりギョギョおじさんとのパトカー🚓前での別れの場面です。さかなクンが帽子を脱ぐという事は死ぬ覚悟をしているぐらいの感覚なので、人から無理やりは脱がされないですが自発的に自分から脱ぐ場面はバトンタッチされた様でなんだか嬉しくもあり寂しくもありました。そして最後の映像的な上手側に堤防を走りそのまま海の中へ魚群に迎え入れられハコフグになって画面右手に泳いで行く場面は叙情的で観ている人の其々の想い出にも訴えかけるような映像的表現は素晴らしいと感じました。一部の天才や悪魔それを支える人々。皆同じ様な葛藤や挫折を感じ好きと幸せを楽しみに精一杯生きてるかもと考えると皆んな形は違えど、さかなのこで、時間と共に思い出し辛くなっただげなのかもしれません。だから人の心を打つ様な素晴らしい作品に仕上がったのだと感じました。
ミー坊素敵でした
きっと子供の頃はもっとたくさんのエピソードがあったのではと想像しま...
おかしな映画だが泣ける
好きこそ物の上手なれ
ほのぼの、だけど退屈しない不思議な魅力
穏やかな物語の中で、のんさん演じた主人公の素直さ、まっすぐさが光っていました。
そして、ふらふらと流されていってしまいそうな人生なのに、その時々の一期一会によって、なにかに導かれていくように成長していく過程が素晴らしかったです。
少しだけ疑問?なシーンもありましたが、
全体を通してそこが引っかかって集中できないことは無かったです。
ゆるゆるしているのに、退屈ではない、不思議な魅力ある映画でした。
エンドロールのCHAIの音楽もピッタリで最高でした。
好きなものを追い続けるということ。
魚が大好きなミー坊が家族や友達に見守られながらさかな博士になるまでの半生を描いた話。
この映画が良いのは、魚大好き変人ミー坊が努力してさかな博士になる成功物語じゃなく、ずっと変わらない魚大好きミー坊を周りの人が暖かく見守ってアシストしてさかな博士にさせる話だから。
そりゃあ、さかな博士になる正攻法は勉強して海洋系の大学行って好きなだけ勉強することだろうけど、大学に入るためには魚以外の勉強もある程度出来ないといけない。ミー坊は不器用ながらも、どうにかして好きなことと関わり続けるために色々な仕事を試してみれど全部上手くいかない。
友達がいなければミー坊は、最初に出てくるさかなクン演じる不審な魚おじさんのように悲しい末路が待っているのは容易に想像がつく。身近にいるちょっと変わった人を、"普通じゃない"と排除するのか、仲間に迎え入れるのかは私達の手にかかってるんだなと思った。
好きなことを仕事にするに限らず、全般的な仕事において、自分のことは自分で考えてやっていくべきで人に頼るのは甘いって何となく勝手に思ってたけど、全部自分でやらなくても良いんだよね。自分が助けて貰えるように今のうちから友達に恩を売っておこう(笑)
ミー坊がずっと好きなことをやっていけたのは、お母さんがずっと背中を推し続け、友達もミー坊を肯定し続けたから。そんな人からの言葉がなくても本当に好きならずっとやってけれるなんて絶対嘘で、人から言われることって自分の意思の何十倍も強い力を持ってるよなと思った。
私は好きなことをやり続けるために、好きじゃない事で安定した収入を得てその代わり他の時間は全部好きなことに使う道を選んだからミー坊が眩しかったなぁ。
期待してなかった
観てよかったと思える映画
映画を見終わった後、原作になった
「さかなクンの一魚一会」も読了。
さかなクンを、のんさんが演じ、
映画のために脚本が書かれ
監督自身が
「これは、さかなクンの映画であって、さかなクンの映画ではありません」
と仰っていたが、
観ていた自分が感じたのは、
「これは紛れもなく、さかなクンだよ」
ということだった。
フィクションが限りなく真実に近づく、
「横道世之介」を見た時にも感じた、
不思議な感動。
【さかなクン】だったらあり得たかもしれない
お話(フィクション)が
実際の【さかなクン】へ繋がっていく凄さと自然さ。
物語のために創られた登場人物の自然さよ。
終わった後、検索しそうになった自分がいた。
観てよかったと思える映画。
映画の良さが詰まっています。
沖田修一&前田司郎のタッグは要注目です。
暖かい気持ちになる映画
のんがミー坊役にぴったり。これまた、音楽がパスカルズ♪
見た!
ほっこりコメディ
さかなクンの半生の映画化ということで、彼の強烈なキャラクターがどう培われたのか気になって観に行った。
きっと色々人間関係で大変なこともあったのだろうけど、周りの人々に恵まれた状況をコメディタッチで描いていた。
子役が可愛く、主役を演じたのんも好感が持てたし、存在感のある脇役陣も面白かった。
主人公のキー坊(さかなクン)がどんな風にしておさかな博士になったのか、流れがわかって納得した。
「好き」ってとてもない原動力になるのだろうけど、周りは迷惑だったり振り回されたり、大変なのだと思う。
そんな中でも、互いに個性を認めあう心が、才能(好き)を伸ばして開花させるのだと感じたし、これからの世の中はこうあれば良いな~と思って+0.5ポイント。
子供たちと教師に観て欲しい映画だ。
舐めてた
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