「ミー坊という新しい生命体」さかなのこ つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
ミー坊という新しい生命体
「好き」が根底にあるんだろうけど、それだけじゃ足りないんだよね。その先にある「本気」が大事だと思うのよ。
どんなに馬鹿げたことでも本気で取り組んでいるなら応援したくなるものだ。
もちろん馬鹿馬鹿しいと一笑に付す人もいるだろう。それでも折れない「好き」の力強さは計り知れない。
ミー坊の本気さと、それに当てられた人々の物語で、笑えるし、熱いし、実に面白い。
最近は本気になれることどころか、好きなものも興味のあるものもないような人が多くなった気がする。
ミー坊くらいの年代より上だと、程度の差こそあれ何かしら好きなものがあったよね。歳を重ねるにつれそれも薄れていくのだけれど、情熱を持ってた記憶だけは失われないからな。
何でもいいから好きなことがあるというのはいいと思うんだけどね。
もう面白いと書いたけれど、この作品がエンターテイメントとして成功している一番の理由はのんをキャスティングしたことだろう。
ミー坊の持つワンダーを表現できる人を考えた時、のん以上の適任はいない。
しかも、のんに男装させるのではなく、そのまま使っちまったのがスゴイ。
どこをどう見ても女の子だけど、役のミー坊は男性だ。冒頭に男か女かは関係ないとテロップが出るが、本当に関係なかったよね。
なんていうか、ミー坊といういろんなものを超越した新しい生命体のよう。
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