「お魚大好きミー坊が、お魚博士への第一歩を踏み出すまで。」さかなのこ 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
お魚大好きミー坊が、お魚博士への第一歩を踏み出すまで。
超自然体の“のん“のミー坊役へのハマりっぷりに
驚く映画だった。
お魚博士・さかなクンの自伝映画です。
ミー坊という主人公を女性の“のん“が演じた利点。
とてもプラスに働いたなと感じます。
さかなクンという【ちょっと世間からズレてて、不思議な存在】
何故にそれ程までに《魚が好き》なのか?
ミー坊・イコールさかなクン、ではないし、
さかなクン・イコール・ミー坊でもない。
そこが絶妙なバランスで、“のん“の若々しさと、
中性的で《好きなことしかしない》感じがとてもマッチしてる。
《好きなことなら夢中》
それが仕事になる、その幸福に成功例、だと思います。
それにしても本物の「さかなクン」を幼女誘拐を疑われる不審者、
《ギョギョオジサン》にしてしまう大胆な発想。
「さかなクン」が本者の不審者に見えて来て、
「ごめんなさい、さかなクン🙏」
・・・可哀想だよ、ちょっとメゲた!!
ミー坊の家族もヘンテコだ。
子供のミー坊が穫った「タコさん」
お父さんが、頭を引きちぎって、岩にたたきつけて、
「こうすると美味くなる」
焚き火で焼いて皆んなに振る舞って、美味しく戴く。
高校生になったミー坊。
防波堤で釣り糸を垂れている。
「ミー坊新聞に俺らのこと書くな!!」
因縁つけるスクーター乗りのヤンキー総長(磯村勇斗)
対抗ヤンキーのカミソリモミ(岡山天音)
そこへ割り込む狂犬(柳楽優弥・・・小学校の同級生のヒオだ!!)
ヤンキーの喧嘩がコミックだ!!
その上でミー坊に感化されて魚好きになる描写が、面白い。
飛び跳ねてる釣れたての鯵(あじ)さん。
頭を落とすと、3枚におろして刺身にしてしまう。
ピチピチ跳ねる尻尾がリアルで、ギョギョギョとして、
目を疑った。
殺生をして美味しく食べること。
この2つは共存するのだろう。
《殺生は美味しく食べることで、供養される》
食べることは可哀想ではないのだ。
徹底して母親はミー坊の魚好きを肯定して応援する。
さかなクンも演じる“のん“も、
好きを貫いている。
通じるものがあるのだろう。
お母さん(井川遥)すごいね!
ちょっと《はみ出してて》《魚を好き過ぎて》・・・
(言っちゃイケナイことだけれど、)
(ごく軽い発達障害みたいなミー坊)
その子を丸ごと認める包容力。
ラストでお母さん、実は魚が○○○だった。
衝撃の告白に笑うより泣けてきた。
後半、感動してなぜか涙目で観ていた。
総長(磯村勇斗)・・リーゼント可愛い!
カミソリモミ(岡山天音=ミー坊のアオリイカを食べて寿司屋に)
熱帯魚屋(宇野祥平=海人、ウミンチュ、沖縄でTシャツ買ったっけ)
モモコ(夏帆=小学校の同級生でシングルマザー)
モモコの娘(ミー坊の予備軍)
ヒオ(狂犬)=柳楽優弥(小学校の同級生。後にテレビ局員)
ミー坊を取り巻くみんなが素敵だ。
好きを貫くことの幸福
一魚一会
さかなクンの座右の銘
演じてる俳優が皆んな幸せそう
周りの人に恵まれて、
周りの人を明るくするミー坊。
勇気と幸せを貰える映画だった。