劇場公開日 2022年9月1日

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「のん(能年玲奈)と堤防は間違いなかった」さかなのこ 関西の方さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0のん(能年玲奈)と堤防は間違いなかった

2022年9月28日
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さんざん言われていること
じぇじぇがぎょぎょに!!
何番煎じでも、今しか言うときないから!

のんさんと海ってなんて相性がいいのかしら。
朝ドラあまちゃん、最初は海人さんになって海潜って後半はアイドルしてましたね、、ええ、潮騒のメロディ、懐かしいですね。
思えばあの時から、海の豊かさ、津波の恐ろしさを表現していて、海への造詣の深い当時の能年玲奈(のん)さんのミー坊役は大正解ですね
なんとなく
国民の心象心理にぼんやりとのんちゃんと海のイメージ持ってますもん
意図的か、そうなってしまったのか、監督の遊び心か
あまちゃんオマージュぽさもあり、特に最後堤防から海にダイブするシーンはまぁ確信犯と思います

男か女かどうでもいい!!
ちょっとニュアンス違ったかもだけど、最初にババっとでます
そうなんです、性別なんてどうだってよかった、だってさかなのこですもん。魚の性別、あんまり気にする人居なくないですか、せいぜい子持ちししゃも食べる時くらいじゃないですか。本作は大海の中のちっちゃなハコフグちゃんの話なので性別はあんまり重要ではない。
最初若干混乱しますが(ミー坊は男か女か)すぐに違和感なくすっと浸透してきました

ここからネタバレですが!!
なんと!あの!!
さかなクンが出ます!!(本人)
しかも、街のやべえおじさん役で!!笑
スクリーンに映った途端、会場内どよめきました、余りにも不審だから笑
でもとってもいい出方で、序盤に出てきてくれたことでさかなクンがしっかり携わっているんだなと認識出来てなんだか安心しました。
※半自叙伝的な作品なので、本人ノータッチだとちょっと嫌だなと思ってしまうので。

ミー坊を取り巻く環境について、とにかくいい奴が多い!!と観て思いました
これは言わば、作品内ではミー坊フィルターを通しているからではと感じる(実際間違いなく良いやつではありますが)。と言うのはさかなクン(ミー坊)の楽観的で性善説な思想と他人に無関心(魚に没頭するが為)であまり干渉しすぎない機分がそうさせていて、言い方は悪いが自分に都合の良いところだけを抽出してみている、ような気もする。
しかし、上記のフィルター自体が本作のCMなどにも度々切り抜かれている「普通って何?」という台詞の通り、他人の価値観やものさしは重要でなく、アイデンティティをどれだけ確立させるか個性を伸ばすか、のような本作の主題テーマの要因になっていると思う。
というのも、映画を観ている視聴者目線で気づかせる演出がとても多いと感じた。それはミー坊以外の登場人物は余白部分がとても多い、特にお母さんはミー坊に完全な理解のあるぐぅ聖の1人なのだが、夫と別居離婚している(明言はない)、しかも長男は父親の下にいってしまっている、女でひとつで育てているため恐らく水商売系で働いている(明言はない)などの描写が視聴者に気づかせる演出になっている。これらはミー坊の視点でも、もちろん気づくこと逃れられないことであるのだが、一見ちっとも気づいていない風なのである。
しかし、話が進んで行くにつれて実は目の奥に母親の苦労や愛をしっかり感じとって滲んでいることが分かる。
これは結局アイデンティティの確立、唯一無二の個性は自ら一人で得たものではなく、周りの人の支え、協力、理解があって成し遂げたことであり、孤独の天才でなく人気者になれた事、恩を受けている事を心の奥にはきちんと留めている描写にグッときて涙が出た。

好きこそ物の上手なれ
という言葉がありますが、ほんとにそうと思う
好きなことに没頭せい!と
突き詰めた先に、じゃあそれで生活できんのかという壁もある
夢を追う人、応援する人
さかなクンの半生
原作の一魚一会という言葉がほんとぴったしだな

関西の方