「マイルドカオス」さかなのこ ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
マイルドカオス
最初、この作品の特報を聞いた時はどんな映画になるか想像できなくてどうなるんだろうと思っていました。途中さかなクン本人が出るといった情報が来た時は頭を抱えましたが笑
さかなクンの人生をなぞっていくのが今作ですが、スケールはあまり大きくないです。魚に興味津々で、ミー坊新聞を描き示すくらいのハマりぶりから魚が好きという気持ちをずっと持ち続けて大人になっていくというのが静かに語られていきます。
お父さんが息子が捕まえたタコをしばきまくるシーンは衝撃的でしたが、それ以上にお母さんの寛容すぎるスタイルはもっと衝撃的でした。知らないおじさん、さかなクンが演じており、家への連れていき方や話し方がホラー映画のそれでしたが、そんなおじさんの家に行っていいよという判断は人を信じて欲しいという気持ちの遥か上をいく狂気が孕んでいました。そりゃ夜中まで帰ってこなかったら誘拐も疑っちゃうよなとも思いました。序盤は割とブラックも込められていました。
高校生になってからもミー坊新聞を描き続け、なんやかんやでヤンキーたちとも仲良くなり、一緒に釣った魚や捕まえたイカを食べるというほのぼのしたシーンが差し込まれます。カブトガニが歩いている姿は可愛かったですし、ちょくちょくある笑いも心地よかったのですが、いかんせん長いなーと思い始めたのもこの辺りからです。
大人になってからは魚関係の職に就こうとするも、殆どが向いてないという適性の無さに悲観に暮れ、それでも魚関係に携わろうと足掻く様子がメインになっていきます。子供の頃に仲の良かった女の子が子供を連れて一時期居候したり、ししゃものうんたらかんたらでブチギレたり、後半は暴走気味になっていくミー坊の様子は面白かったんですが、必要か不必要かと言えばいらなかったかなーというラインです。
幼馴染がテレビのプロデューサーになり、その番組への出演で知名度を広めていくという感じで楽しそうに海に飛び込んでエンドロールです。
正直、尺の長さだったり、配置だったりで割と怪しい雰囲気があったのですが、思っていたよりかは面白かったです。映像の霞んでいる感じや、30分削れただろうなという尺には多少なり不満はありましたが、ブラックな笑いが好きな人にはオススメできるのでは…。
鑑賞日 9/7
鑑賞時間 18:00〜20:25
座席 C-10