「エンディングロールの説明が不十分…。」さかなのこ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
エンディングロールの説明が不十分…。
---
★ 9/3 21:12修正。減点幅を他の映画と同程度になるように修正)
今年261本目(合計537本目/今月(2022年9月度)4本目)。
元ネタ(さかなクンのこと)は名前程度はしっていますが深くは知らず、という程度で見にいきました。実際には男女入れ替わっているのですね。
最初に「主人公に男女も関係がない」みたいなメッセージが出るので、軽い意味での男女同権思想のようなものは感じました。
ストーリーとしては結構やさしめで、小さいころ(小学生のころ)から現在まで、魚にこだわる主人公が、限られた進路の中でどうやって自分の知識を生かしていくのか…というお話です。
テアトル系列さんの映画の中では比較的見やすい映画ではないか、と思います(時間戻し処理や妙な脱線がないので)。
このため、映画としては結構単調な印象はどうしても否めず(特に映画のストーリーにひねりがなく、淡々と進んで最後は主人公が「一応の夢をかなえて」めでたしめでたし、になるだけ)、ここは賛否両論あるんじゃないかな…というところです。
もっとも、東京テアトル系列さんの映画は「はい、泳げません」のように基本的に点数の高い映画が多いので、迷ったらおすすめ、というところです。
-------------------------------------------------------
(減点0.7/エンディングロールの説明不足)
・ エンディングロールで、「公道上でのバイクではヘルメットを着用しましょう」と出ます。これは、ストーリーの中でいわゆる「高校生の非行行為」が描かれているからです(もっともこの描写も極めて軽め)。
一方で、この映画はタイトル通り「魚」を描く映画です。そのため、映画の序盤~中盤まで、魚釣りの話や、魚を釣っている人の描写等も結構でます。
魚釣りというと多少は危険(中には危険な魚もいるので)なものの、基本的には「大衆文化」として楽しむ方も多いですが、実は無制限ではなく「漁業法」を頂点とする各種法律の縛りをうけ、各都道府県ではこれをうけて条例を作っているところもおおいです(釣りを管轄するのは農林水産省)。
漁業法やその関連法のいうところは、一般の釣りの範囲では、「このサイズ以下の魚をとってはいけません」「この季節にはこの魚をつってはいけません」「この魚(天然記念物やそれに準じるような、希少となっているもの)は釣ってはいけません」といったものです(逆に漁船を出して漁業をする方にはもっと厳しい細かい指示があります)。
※ ほか、道路交通法の関係で「橋の上で釣りをするな」というものもありますし、「(日本のどこでも)埠頭で釣りをしてはいけない」という条約(日本も加盟。ソーラス条約)さえかかってきます(これは、船舶の安全確保を目的とする趣旨の条約。埠頭には船舶が来ることが想定されるから、そこで釣りをするな、ということ)。
ただこれらの法に加え、各都道府県(性質上、海に面する県のみ)で条例でさらに縛り(「このエサはダメ」「この釣り方はダメ」)がかかっていることが多く(概して、東北~北海道は特に厳しい)、それらを全て一般文化となっている釣りの方に説明するのは限界があるので、釣りが想定される場所では「絶対に守ってほしいもの」を主にのせて「マナーを守って適度に釣りをしましょう(=余りたくさんとらないようにしましょう)」という程度にすぎません(漁船を使わない、一般大衆のいわゆる時間つぶし程度の釣りでは、よほど極端なことをやらない限りいきなり警察が来て検挙されるというのは聞いたことがない)。
釣りは今はコロナ事情もあってやや控えめな印象もありますが、何でもかんでも好き勝手釣ってよいわけではないので、この点の説明は欲しかったです。
少なくとも、いわゆる「ノーヘルメット運転」(映画では、不良高校生などが出るような映画ではよく出ます)に関してはちゃんと出るのに、「釣りは法律・条例をよくまもって適度に楽しみましょう」というのが出ないのは、行政法規の説明不足であり、なんだかなぁ、というところです(かつ、詳しいことまで把握しようと思うと、農林水産省のサイトを読み込まないといけないという、結構面倒なのが「釣り」という文化なのです)。
※ かつ、上記にも書いたように「橋の上で釣りをしてはいけない」は国土交通省の取り締まりであったり、「釣り」ひとつとっても行政の縦割りが見える(連携しようという気がさらさらない)といったところです。
-------------------------------------------------------