「普通って何?よくわかんないw。」さかなのこ カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
普通って何?よくわかんないw。
主人公ミー坊を男性の設定のところ女性に変えてのんが演じていると勝手に思い込んでいたのだが、男性の役を女性の役者が演じているということに気づきまずは驚いた。
のんはスペシャルな子を演じさせれば天才的に上手、ミー坊の子供時代を演じた子もこれまた絶妙で、この不思議な世界観やミー坊の持つマイペースでおっとりとした雰囲気にピッタリマッチしており、沖田監督のキャスティングの巧さに改めて驚かされる。
井川遥演じる理解ある女神様のような母親は究極的に素敵すぎるが、ラストの告白にはまあまあ驚かされた。(途中で離婚した?)
父親のタコとバタフライナイフとメッシュのシャツの件は後を引く面白さだった。
ハコフグ帽子がスーパーヒーローになるスイッチというか変身アイテムみたいなの見せ方も良かった。
さかなクンの自叙伝だそうだが、沖田修一監督にかかるとヤンキーだろうと本当に悪い人間は一切出てこず現代の寓話のように仕上がり、観終わった後は多幸感でいっぱいになるほんわかした映画。
さかなクン本人の出演についてですが、確かにミー坊の魚好きに拍車がかかり、より専門的に探求して行くきっかけを本人自身が作ってしまうという矛盾を生じさせるのだが、ここまでファンタジーにするなら問題はないと思うし、何よりこの映画へさかなクン本人に絶対に出演してもらいたく、しかも全然関係ないカメオ出演なんかにはさせたくないという監督のリスペクトがヒシヒシと感じられて非常に良い演出だと思いました。