「【”普通って何?。”好きに勝るものなしを地で行くミー坊を演じるのんさんの、性を超越した純粋さが魅力的な作品。ミー坊に影響を受けたヤンキー達や、優しく見守る母親の姿も印象的な作品でもある。】」さかなのこ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”普通って何?。”好きに勝るものなしを地で行くミー坊を演じるのんさんの、性を超越した純粋さが魅力的な作品。ミー坊に影響を受けたヤンキー達や、優しく見守る母親の姿も印象的な作品でもある。】
ー 冒頭、テロップで”男の子や女の子でも、どっちでも良い”と言うテロップが流れる。巧い。-
■ミー坊は、魚が大好きで、魚の絵を描く事も大好きな小学生。成績は良くないみたいだが、
母親(井川遥)は、勉強しろなんてことは言わずに、一緒に水族館に行った時に魚図鑑を買ってあげる。そして、ミー坊は高校生になっても、魚愛一直線の生活を送っていた。
◆感想
・井川遥さん演じる母親の、ミー坊に接する姿がとても良い。
ー 苦手を克服するより、好きな事を伸ばせ、とは子育ての際に良く言われる事だが、正にこの母親はそれを実践している。”良いじゃないですか・・”
ミー坊にとっては、誰よりも大切な存在だろうな。-
・ミー坊は、小学生時代にモモちゃんと仲良くなって、冷やかされるも気にしない。更に高校でヤンキーの“総長”(磯村勇斗)や、”かみそりモミ”(岡山天音)達に絡まれるも、逆に仲良くなってしまう。
ー ヤンキーたちに、魚釣りを教えたり、アオリイカを”かみそりモミ”の網網の上着で、捕獲し、皆で胆あえで食べるシーン。
美味そうだったなあ。この経験が、”かみそりモミ”のその後の人生を変えるのである。-
・更に、同じくヤンキーのひよ(柳楽優弥)に対しても、態度は同様だ。
ー ミー坊は、魚愛で、ヤンキーたちとの関係性を築いていくのである。爽快なシーンが続く。-
・大人になって、ミー坊は水族館の研修生になるも、巧く行かない。けれども、ミー坊の周囲の人間はミー坊を優しく見守っているし、モモちゃん(夏帆)の様に、頼って来る人もいる。ミー坊の人間性の良さ故であろう。
・ひよが、ミー坊の姿を見て、一念発起し学年5番の成績を取るシーンも、何気ないのだが良かったなあ。そっと、涙を拭くひよを、柳楽優弥がさり気無く演じている。
ー ひよが、大人になって彼女とレストランで食事をするシーン。ひよの彼女が、ミー坊に”何になりたいの?”と聞き、ミー坊が”魚博士!”と答えた時に、失笑する彼女の姿。彼女が帰ってからひよとミー坊は二人で、赤ワインで乾杯する。
そして、TVディレクターのひよは、ミー坊を”世間に認めさせたい!”と考えるのである。-
<さかなクンが、序盤”ぎょぎょおじさん”として登場し、小学生だったミー坊と交流するシーンが、ラスト、ミー坊がひよにより、TVに出た際に”ハコフグ”の帽子を被って登場するシーンとのシンクロ具合も絶妙である。
その後、さかなクンが念願の魚博士になった事は、周知の事実だが、”好きに勝るものはなし”を地で行く彼の姿からは、とても大切なことを学ばせて貰ったと思った作品である。
沖田修一監督が、盟友である、前田司郎と久しぶりにタッグを組んだ今作品は観る側を爽やかな気持ちにさせてくれる。
その一番の要因は、のんさんの、性を超越した純粋さの塊のようなミー坊を演じた姿であると、私は思ったのである。>
NOBU さんコメントありがとうございます。
沖田監督の作品は小栗旬のキツツキと雨とモリのいる場所を観ています
どちらの作品もおもしろかったのを覚えています。
モリのいる場所は★3.5ですが今思うと★4以上でもよかったな~と。
多分その時は最後に宇宙人が出てきたのでちょっと?と★をつけた気かします。★に関してはその時の雰囲気で付けてます。下手な言い訳ですみません。
NOBUさんへ
コメントありがとうございました!
やっぱり、かわいいものと気持ち悪いものは食えないですw
この役、のん以上のキャスティングは思い浮かばないですね。また、能年玲奈時代の彼女(例えば"カラスの親指"の頃とか)にも無理だったんじゃないかと思います!
沖田修一監督は、さかなクンが性別を超越した存在であることを見抜いていたんでしょうね。普通であれば、中性的な男性俳優となるところですが、のんに行き着く発想がすごいです。