劇場公開日 2022年9月1日

「夜行新幹線が似非日本を爆走する!」ブレット・トレイン おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5夜行新幹線が似非日本を爆走する!

2022年9月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

予告で、日本を舞台にした軽いノリのアクションかと思っていたら、確かにそういう部分もありましたが、予想以上に入り組んだ展開に驚きました。とにかく登場人物が多すぎて、それが整理できないうちにどんどん死んでいくという、まさに超特急展開!新幹線どころかストーリーからも振り落とされそうになりました。

ストーリーは、東京発新幹線の車内からブリーフケースを盗んで次の駅で降りるという簡単な仕事を受けた、世界一運の悪い殺し屋レディバグが、なぜか列車内で次々と現れる他の殺し屋たちから命を狙われるというもの。この殺し屋たちの関係性が徐々に明らかになっていく展開が、本作のおもしろさとなっています。

原作未読の自分には、序盤の展開が意味不明で、もうアクションだけを楽しむことにシフトしようとしていたのですが、中盤あたりで過去のしがらみに起因していることがわかり始めてからは、がぜん楽しくなってきました。ラストまで緻密に計算して張り巡らされた伏線に唸らされます。

アクションは、狭い列車内でも銃撃戦あり肉弾戦ありで、なかなか迫力がありました。けっこうグロいシーンもあり、とんでもない数の人間が死んでいるにもかかわらず、なんとなく軽く見せている感じもおもしろかったです。終盤は、やりすぎなほどVFX全開で、さすがハリウッドという豪快アクションもよき。

とはいえ、似非日本感が酷すぎます(褒めてます)。何があっても緊急停車しない夜行新幹線、外国人だらけの列車内、日本地名の日本らしくない駅、違和感だらけの富士山や五重塔など、あげ出したらキリがありません。でも、このパラレル日本のおかげで、ド派手なハチャメチャアクションが案外受け入れやすくもあります。そして一方では、新幹線のフォルム、駅内の表示、建造物の造形、街のネオンなど、忠実に再現している部分があり、BGMも日本でカバーされた聞き覚えのあるものが多かったです。日本へのリスペクトがあるような、逆に小馬鹿にしているような、絶妙に計算されたバランスが心地よく感じました。

主演はブラッド・ピットで、かっこよさと軽さが同居した感じがなかなかよかったです。脇を固めるのは、ジョーイ・キング、アーロン・テイラー=ジョンソン、ブライアン・タイリー・ヘンリー、真田広之さんらで、それぞれの個性が光る好演でした。

おじゃる
LaLaさんのコメント
2023年2月23日

こちらもありがとうございます(^^)/
ブラピ主演と言う事で
公開前から 楽しみでした。
バイオレンス作品、
スピーディーな展開でしたね。
BGMも懐かしさを感じました。
真田様~も決めて下さいましたね。(^^)/
カッコよかったです。

LaLa