劇場公開日 2022年10月7日

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「えっ?義賊の話じゃないんだ・・・。」バッドガイズ やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5えっ?義賊の話じゃないんだ・・・。

2022年10月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

興奮

見た目が悪いってだけで世間にレッテル貼られて相手にされず、結果として悪事に手を染めることになり、今や知るものすべてを脅かせる悪党集団・・・バッドガイズです。

日本で言えばアニメ版のルパン三世ってとこですね。監督さんは「ルパン三世 カリオストロの城」のファンのようで随所にオマージュ的な演出を加えつつ、大変疾走感のあるテンポの良い作品に仕上がってました。

ただ、善、偽善、必要悪、悪・・・の定義の仕方が非常に曖昧で、「えっ?これは、良いことなの?それとも?」みたいなシーンが多発し、大人でも倫理観が乱される状況でした。
特に冒頭の銀行強盗。周囲の市民がバッドガイズを恐れるのはレッテル表現として良いとして、銀行強盗は小悪党レベルを超えて悪党です。これやったら善良な市民に直接迷惑かけるから弱い者イジメにつながります。

つまりのっけから間違いなく義賊じゃないのですよ。

アニメのルパン達が支持されるのは基本義賊で必要悪だからです。カリ城の冒頭も国営カジノの金庫破りですからね?悪いことした権力者の遊び金盗んでなにが悪いっていう大義名分があります。まあ、それも苦しい言い訳ですが。

マスタングライクなスポーツカーの、いかにもレシプロエンジンぶん回してます的なアクセルワークとシフトチェンジ、ハンドル捌きは本当に素晴らしいんだけど、倫理的なもやもやが終始頭をよぎり、何か爽快感に欠けるのですよね。CO2撒き散らしてる割には(笑)。

映像面では秀逸なだけにもったいないと感じました。

最後に。過度な地球温暖化対策、ルッキズム、ポリコレ要素、SNS情報拡散、過剰なエンタメ的募金活動などを設定や演出で間接的に「皮肉る」ところは製作者のバッドガイ的要素が鮮明になっていて私としては楽しかったのです。気づいた人居たかな?(笑)。

では。

やまちょう