「見た目だけで判断するなよ!」バッドガイズ サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
見た目だけで判断するなよ!
試写会に参加することが出来ました!TOHOシネマズさん、いつもありがとうございます!!
これから公開されるアニメ映画で最も楽しみにしていた本作。誰もが恐れる大悪党、ドリームワークス、ビジュアル、安田顕...と期待できる要素てんこ盛り。さて、どんなものを見せてくれるのか。
うっひょー!!!!こりゃおもしれぇええ!!
超超超好みな最高の映画。
してやられました。アニメだからなぁ、想像は超えないだろうなぁと思っていました。思っちゃってました。予想以上過ぎる品質に驚きが隠せません。
コンフィデンスマンJP、クルエラ、ベイビーブローカーなんかが好きな人はハマること間違いなしでしょう。たまらん。ここまでかとは思わなかった。
圧倒的スピーディーでハイテンポ。
くどくない、飽きない、嫌悪感一切ない。見ていて爽快、ハイテンション。冒頭から観客のツボを見事に抑え、ラストまでカーレースのように駆け抜ける。私の語彙力では、あっという間という安っぽい言葉でしか言い表せないが、あっという間以上にあっという間な映画が本作なのだ。ハイテンポなのに、展開は早過ぎない。演出やら見せ方やらで、強烈的なスピード感を出しているのだ。よく考えられている。すごい。
1ミリ足りとも無駄がない、完璧な構成も本作の魅力のひとつ。ちょっとした会話や動きの全てが雑にならないよう、非常に丁寧にストーリーへと結びついていく。だから、どのシーンも愛おしいし、どのシーンも印象に残る。こんなにも色んな要素を詰め込んでいるのにもかかわらず、ハチャメチャにならずに、なんなら美しく感じてしまう。ドリームワークスの本気、ここにあり。
そして、ストーリーはと言うと、一見すごくありがちで、ありふれた映画のように見えるが、実はそうではなく、かなり斬新で想定外の着地をする普通じゃない作品なのだ。
バッドガイズという、見た目が怖いからが故に世間から嫌われ、悪事を働き続ける大悪党集団。ウルフ、スネーク、タランチュラ、シャーク、ピラニアと言った、確かに見た目からだと嫌われてしまう彼ら。でも、序盤のキャラクター説明から一気に引き込まれ、いつの間にかバッドガイズが大好きに。どのキャラクターも個性的で、最高のチーム。中でもお目当ての安田顕演じるスネークが、最高にいいキャラクターだった。安田顕が超ハマり役。当て書きしたかのような、ぽい性格だし笑
しかし彼らは、とあることがきっかけで成功間違いなしだったはずの任務を失敗してしまう。
そんな中で、芽生える正義と悪の葛藤、仲間の大切さ、嫌われるものの宿命、今後の生き方、生まれ変わり方、悪役の真の姿が描かれているのが本作なのだ。単純な大悪党の騙し騙されムービーだったら★5.0じゃない。かなり、奥深くまでストーリーが掘り下げられており、バッドガイズに降りかかる災難が他人事とは思えず、とてもグッときて考えさせられるものがある。それでいて、社会風刺なんかも垣間見える、娯楽的なエンタテインメント作品としても、ちょっぴりシリアスで深みのある人間?ドラマとしても、非常に上質で見応えがある作品なのです。
他にも、音楽、ビジュアル、台詞、武器や衣装などの美術、どんでん返しなど、うっとりするほどに面白い要素がたんまり。こんなに見ている間も、見終わった後も、気持ちよくて仕方がない映画は初めて。アニメだから出来るのだ!が沢山。ボスベイビー、SING、怪盗グルー、ヒックとドラゴンなどのアニメーション作品の、集大成と言っても過言ではないと思う。そのくらい、素晴らしいアニメ映画の素晴らしい部分を取り入れているのが、本作なのだ。
アニメ映画でこんなにオススメしたくなる映画は未だかつて無い。歴代アニメーション映画、圧倒的1位。公開前からこんなにもハードルを上げてしまっていいのかと、ちょっと不安もありますが、とにかく多くの人に見てほしい作品です。見た目だけで決めつけないで!思わず、この映画に携わった全ての人に感謝を述べたくなるような、脱帽したくなるような映画です。ぜひ、劇場で。公開は10月7日です。