「暗殺教室現象」鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー よっちゃんイカさんの映画レビュー(感想・評価)
暗殺教室現象
この程度の作品が良かったと言われてる時点で前作がどれだけ評判が悪かったかがわかる。
ぶっちゃけ前作のレビューでは監督のハガレン愛を感じたなんてほざいていた僕だが・・・
【訂正】
2回目みて監督のハガレン愛は伝わった。
ただ、その愛が漫画再現重視という悪い方向に出てしまっている気がする。
またかぐや様と同じ過ちを繰り返してしまった。
原作をもう一回ちゃんと購入して読み込んだのだ。(前回の時点では銭湯で一回読み切っただけだった。)
結果今回の映画はうーむとなった
が、周りの高評価やレビューの数々を見てもしかしたらいろんなバイアスや先入観があったかもしれないので近々2回目見に行ってみようとおもう。
以下1回目見た時に感じた感想。
2回目見てきたのでその時の感想を追加したい。→の後の「」の中が2回目見た感想。
【良かったところ】
・ブラッドレイとリンのアクション
アクションは最初の電車の屋根上以外は良かったのだが中でも白眉はブラッドレイの舘ひろしさん。
御年72歳とは思えないほどのカッコ良さと俊敏なアクション。
圧倒的な強者の風格を備えていて、カッコえええとなった。
さらに、そのブラッドレイを受けてリンがすばしっこく良く動く。
これでまたブラッドレイの強さが強調されるという良い循環になっていた。
・スカー
これはもうるろ剣の縁という実績がある真剣佑さんをキャスティングした時点で勝ち確だったわけだが、その事前予想通り復讐に囚われた男の業をよく表現していた。
が、縁との違いが分かりづらい。
縁は姉を殺された復讐という超個人的なもの。
スカーは兄を殺されたというのが根本にあるのはもちろんだが、イシュバール人という民族単位の憎しみを背負っているそんなキャラクターだと個人的に思う。
そのイシュバール人という民族がバックに見えなかったのは少し残念。
が、これは真剣佑さん個人というよりは脚本によるところが大きいので致し方ないか。
・シン国の面々
先にも触れたリンも良かったのだが、特にランファンとフー。
ランファンは中盤で片腕を自らの意思で切り落としてリンを救うのだがその時の覚悟を決めた表情なんか本当に素晴らしい。
さらにフー。
ランファンの片腕が無くなった事を知ってランファンをビンタした後「無いのか・・無いのか」と嘆くシーンは原作通りの名シーンとなっていた。
またメイ・チャンも中国人が喋る日本語の感じがリアルで僕は良かったと思う・・というかメイ・チャンってあんな喋り方だと僕は思っていたんだが間違っていたんだろうか・・?
→「メイチャンに関しては改めて見るとむむむと思う箇所もあったので後編を見てからに保留したい」
・ブラッドレイとホーエンハイム
ブラッドレイが貫禄あってアメストリスの最高権力者の風格があって最高なのは先に触れたが、ホーエンハイムの内野聖陽さんも素晴らしかった。
さすがベテラン2人といった感じでこの作品の重鎮として物語をしっかりと引き締めていた。
ブラッドレイとお父様のシーンはあのベテラン2人の共演シーンという事で短いながらもワクワクしたシーンであった。
・キンブリー
回想シーンの1分しか出てきてないのだが、その1分でキンブリーがどういう人間かを端的に表してて本当に山田裕貴さんは素晴らしい。
→「・佐藤隆太のヒューズ
イシュバール内乱しか出番がなかったがその中でもマスタングに掛ける「お前・・目が変わっちまったな」には震えた。ヒューズが感じるこの戦争への疑問、憤り、友達が変わってしまったことに対する寂しさがこもっていてまさに万感の思いといった感じ。」
→「・エンヴィーのCG
これに関してはエンヴィーの本体のモンスター感が緻密なCGで表現されていて素晴らしかったと思う。」
【悪かった所】
・子役、エキストラの演技。
前作もそうだったんだが、皆一様に棒読みなのだ。
監督はエキストラや子役の演技はどうでも良いと思っているんだろうか?
彼らだってこの作品の世界観を作る大切な役である。
そりゃパワハラ紛いの演技指導をしろとは思わないが、最低限の指導はしてもいいのではないか。
・名シーンに血が通っていない所
この作品、原作の名シーンは確かに全て入れて、それを上手いこと組み合わせて一応は話として成立してる。
しかし、一部の役者の演技の影響かなんなのかわからないが「ハガレンの名シーン再現してみた」という動画を見ているようにしか思えないのだ。
→「この再現してみた動画にしか見えない点だが、何となく理由が分かった気がする。
恐らく間だ。
セリフとセリフの間に常に一拍置いたような無用な間が前半は常にあるのだ。
この間でテンポが崩れる。
さらにこのセリフとセリフの間が感動的なシーンも日常シーンも一定のリズムで入ってくるので緩急がつかない。
この結果感動的な名シーンも際立たないのだ。
その余計な間の時間を他の描写に費やせば良かったのに」
だから、原作にあった戦争の実態や人と人の憎しみの連鎖等々のテーマが真をもって迫ってこないのだ。
ウィンリィがスカーに銃を向ける場面も本田翼の演技によって形なし。
→「本田翼の演技だが、最後の最後のスカーとの対話の場面は確かに素晴らしい演技だったと思う」
後、アルを直す前に遺跡を調査しにいくのはどうなんだ?
・BGM
音楽が「悲しそうな感じ」「コミカルな感じ」といった雰囲気音楽でなぜそこでそのチョイス?となることが多かった。
・ディーンフジオカのロイマスタング
本当に能面。
例えばマスタングは一見クールに見えて、大総統を目指す野心やヒューズの死以降はホムンクルスに対する憎悪を抱えている非常に熱い男なのだ。
その熱さが見えてこないから後編で訪れるホムンクルスとの戦いに生きてこないと思う。
・一部のCG
スカーと戦う車庫の場面でタンクから水が漏れてるのだが、その水がTHE・CGといった感じで思わず笑ってしまった。
アルとかのCGレベルは高いのにそういうところで急にチープになってしまうのはなぜ??
アルで精魂使い果たしてしまいましたか?
・アルの演技
アル役の人あんな棒でしたっけ?
この何年の間で何があったんだ??
→「これは本当に土下座レベルで訂正させていただきたい。
最初の列車部分での説明セリフやその他のなぜそのタイミングでそのセリフ?という不自然なセリフ(即ち脚本の責任)以外はとても素晴らしい演技だった。
特に、最後のグラトニーに対して「出せよ!」から始まる兄を思うセリフは言葉少ないながら真に迫っていた。」
・台詞のセンス
それぞれのキャラクターの設定や能力を他のキャラクターが解説するのだが、それがザ・説明セリフといった感じでセンスない。
中には見ればわかるわということもわざわざ説明したりしているので何でもかんでも原作そのままではなく映像で表現できるところは削ってはいかがか。
→「これは不自然な間と共に2回目の鑑賞でも非常に気になった。
例えば最初、スカーの情報をマスタングから聞いたエドは街中で壁の上に登って一旦立ち止まって「スカー・・・か」といって飛び降りる。
原作を確認してみるとそんな描写はなかったもののいかにも漫画的表現といった感じで映画にしてみるとキツい。
普通壁に登る前か飛び降りた後で呟かないだろうか?
こういう漫画表現の再現にこだわりすぎて実写でやると不自然になる場面が非常に多い。」
・イシュバール内戦の描写
ラスト20分くらいでイシュバール内戦の回想がある。
これは原作でも超重要な要素で、ある漫画家の先生が「ハガレンは教科書にするべき」というのはこのイシュバール内戦の描写が大きく寄与していると思う。ここで戦争の根底にある憎しみの感情、現場で人を殺さなければならない人々の葛藤、いろいろ学べる。
のだが、この映画では攻撃するシーンは見せても殺される人々を描写してないのでマスタングたちが人を殺しているという実感が薄い。
いや死体や焼け野原の描写はある。
しかし、マスタングの火球に焼かれて焼け焦げになった死体とかが出てこないので、この内戦が彼らの心にもたらしたものが分かりづらい。
→「これ自体は今回のテーマ個人(スカー)の復讐の連鎖を止めるという観点で見るとサクッと描くのはわからんでもない。それに、イシュバール内乱だけでもじっくりやろうとすると2時間かかってしまうので時間的な意味でも省略するのは納得できる。
ただ、人が殺されていく描写はもう少し入れるべきだったと思う。
また今回出てこなかった部分で後編に関わってくる部分はどうなるのか気になる。
後編でもイシュバールは描かれるのだろうか」
・アームストロング
メフィラスや大河ドラマ等々で名演技を残してる山本耕史をもってしてもこの役は無理。
確かにピッタリ会う人がいなくてキャスティングが難航したであろう事は想像に難くないが、なら無理してアームストロングを出さなくても良かったのでは・・・??
・後編の予告
いや、これは悪いところというより、不安な所というべきか。
予告を見た感じ原作にある名シーンをまたこれでもかというくらい詰め込んでいて本当に映画の容量で収まりますか?と不安になる。
3時間あっても無理なんではないだろうか。
→「これに関してはある程度の希望は見えた。というか逆に尺がパンパンが故に前編で目立った無駄な間が削れて緩急ついた良い展開が期待できるのではないかという10%ぐらいの希望はできた。ちなみに上映時間は142分だそうだ。」
→「・説明過多な描写
伝わらない事を恐れてかやたら説明的なカットや描写が多い。無用な間と共に作品のテンポを著しく崩していた。もう少し観客を信用しても・・」
というか公開して3日しか経ってないのに、客席がガラガラでびっくりした。
超豪華キャスト+電波ジャックによる宣伝+原作者による描き下ろし特典の力をもってしても前作の負の評価が上回ってしまうのかと少し恐ろしくなった。
ハガレン20周年のお祝いだから採算無視で映画化に踏み切ったんだろうか?
ハガレン側と制作会社側どちらから話を持ちかけたのかわからないがとんでもない覚悟だなとおもう。
【追記】
アルの演技が第1作と比べて劣化してると感じた原因がわかったような気がする。
どうやらアル役の水石さんは前作ではモーションキャプチャーも兼ねていたようなのだが、今回は声優さんとして参加したようなのだ。
結果1作目では実感持って伝わったことも今作では浮いてしまったのではないのだろうか?
やはり水石さんにはモーションキャプチャーも兼ねていただいた方が良かったのでは。
→「これについての訂正はアルの演技の項を参照の程。本当にすいませんでした。」
【追記】
2回目見てみてなぜ再現動画のように思ったのかわかっただけでもスッキリした。
今度は最後の錬成と併せて見てみようと思った。
ここまで配役1人1人への書き込みに
鋼の錬金術師への熱量を感じます✨✨
自分も原作超好きですから
共感出来る部分は多々あります
フーじぃさんの
腕 ないのか は
印象的でしたー
ウィンリィガチ泣きシーンは
脳内で出演者全員が
原作キャラで見えました
最終章に期待しすぎずに
期待してます🖐
オールメイドインジャパンでこういう映画作るのに、圧倒的に資金が足りていないですよね。「○○を実写で再現してみた!」動画っぽいってのは本当に共感しかないです。芸能界も邦画も、いずれ韓国映画に吸収されるのではないかと心配になります。