「普遍的なテーマ」シスター 夏のわかれ道 LSさんの映画レビュー(感想・評価)
普遍的なテーマ
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誰のために生きるのか。最後の主人公の選択が正解なのか、姉と幼い弟にとって何がベターなのかも分からない。明るいエンディングとは裏腹に気分は晴れない。
突然知らなかった弟を押し付けられた姉、家族のためにキャリアを犠牲にし続けてきた叔母、男児を産むために母体の危険を省みない家族と母自身。
男児偏重の社会で女性が置かれた役割への問題提起が感じられ、本国で反響が大きかったというのも頷ける。が、一人っ子政策という特有の背景はあるものの、テーマは普遍的で、強く心情を揺さぶってくる。
答えはないが、終わる前に観られてよかった。
追記:レビューを読んで、主人公が医者の夢を諦めたとは限らないかと気づいた。決めつける必要はないんだな。
あと、姉弟と叔母の演技が素晴らしいのは言わずもがなだが、役者崩れの叔父がクズなのになぜか憎めないところが強く印象に残った。だが翻って考えれば「男はそういう生き方も許される」ということで、主人公もそれを受け入れているというところに、社会的な縛りから抜け出ることの難しさを感じる。
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