「想像とだいぶ違ったけど、発想は面白い」“それ”がいる森 ニンフィア好きさんの映画レビュー(感想・評価)
想像とだいぶ違ったけど、発想は面白い
「事故物件 恐い間取り」以来の中田秀夫ホラー。「それ」ってホラー映画ではもはや定番ワードみたいになってきてますよね。ハリウッド映画でも「IT ”それ”が見えたら、終わり」「IT FOLLOWS イット・フォローズ」なんかがありますね。「それ」が何なのかは映画によって様々ですが、今作は中田監督にとっても新たな試みということで、貞子とはまた違った面白味のある映画ができたんじゃないでしょうか。思っていたのとはずいぶん違いましたけど。
今作の舞台となった森ですが、実際にモデルの森が福島県にあるそうですね。こういう実在する心霊スポット的なところをモデルにしてる映画も多いです。「犬鳴村」「樹海村」「牛首村」がその例です。この作品は森ということもり、もっとおぞましい何かが出てくるのかと思ってましたが、”それ”の正体がわかったときは、あ、そういう感じね...という印象を受けて、よく言えば斬新で挑戦的、悪く言えば期待外れ、といったところでしょうか。ストーリー自体は割と淡々としていて、怖さ加減はそうでもなかったですね。怖いの意味が違った気もします。ホラー色もあったけど、どちらかといえばSFとかサスペンスみたいな作品でした。もっと作品全体のおぞましさを上げても良かったと思います。「リング」の怖さを10としたら今作は3~4といったところでしょうか。まあでも発想自体は悪くないと思うので、一つくらいこういう映画があっても面白いですけどね。ゲームでいえば、一体は必ず最強の壊れ性能を持ったキャラクターがいるのと同じです。
最後のエンドロールで流れたのは面白かったですね。ちょっと興味をそそられました。ああいう粋な演出も見る側の気を引けるので良いと思います。これからの中田作品にも期待します。