劇場公開日 2022年9月9日

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「世の中には吸い取る奴と吸い取られる奴の2種類しかいない!」グッバイ・クルエル・ワールド kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0世の中には吸い取る奴と吸い取られる奴の2種類しかいない!

2022年9月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 5人組の素人強盗団という設定はどことなくコメディ映画にありそうだから、笑えると思ってたのに・・・バイオレンス多過ぎ!シリアスすぎる!この辺りが『ヘルドッグス』や『ブレットトレイン』と違ったところ。

 ただただ殺し合いの連続。全体的には復讐の連鎖といった感じで、暴対法以降の新しい悪党どもの行く末を描いたもの。その暴対法施行によってヤクザを辞めることになった安西(西島秀俊)を中心に、ヤクザ組織(奥田瑛二がボス)とヤクザに協力する蜂谷刑事(大森南朋)が敵対する構図だ。

 半グレグループといった新しい勢力もヤクザの手下になっているだけで、無秩序になっただけで根本的には変わらないといった皮肉や、法律をかいくぐって荒稼ぎするマネーロンダリングや借金に苦しむ搾取される側の人間たちを痛烈に描いてると感じた。

 左翼崩れという設定の浜田(三浦友和)が主人公の元ヤクザ安西よりもキャラが立っていた気もする。何かと政府や上流階級批判をするものの、知事の秘書なんてのを経験したためにすっかり落ちぶれている感もあった。人生最期に一旗揚げようとしたのだろうか、やはりここにも虚しさを感じる。

 そんな強盗団の中でも際だっていたのが矢野(宮沢氷魚)とミル(玉城ティナ)の若者即席カップルだった。『パルプフィクション』や『ナチュラル・ボーン・キラーズ』とか、古くは『俺たちに明日はない』などを連想させる無感情で暴走する若者なのです。

 コンビニ店長の苦悩。どれだけロイヤルティ取られるんや!と、ついついコンビニ業界の不条理を感じさせ、元証券マンの借金漬け、元ヤクザの苦悩、無対策の格差社会など社会派要素も満載。俳優では奥野瑛太の凄みがとても良かった。

kossy
Uさんさんのコメント
2022年9月20日

共感有り難うございます。
確かに、恨み辛みも消え果てて、無感情で暴走したと見れば、宮沢・玉城の二人のシュールな活躍も理解できますね。

Uさん