神は見返りを求めるのレビュー・感想・評価
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吉田監督にハズレなし!
見終わった後の苦味を味わうかな
役者に惹かれて予備知識なしに観てみた。
YouTuberが小学生のなりたい職業の上位にある現代で、その辺りの知識に欠ける私には、ある意味新鮮でもあり、驚きや発見のある映画だった。
YouTuberとして成功前の女性を応援してた男は、売れてきて離れていく彼女に対して、豹変していく。
女がこの男に言う、どうせYouTuberなんて下に見てるんたと。
でもファンの女の子は言う、後世に残らないとダメですか?今の自分を元気にしてくれてるのはあなたの動画です。この女の子の言葉が私にはあーそういうことなのかと腑に落ちた。
2人の行きつくところに救いはない。
そしてこの救いのなさこそこの映画の見応えだと思った。
登場人物クズばかり!
薄っぺらい社会を風刺
大なり小なり、生きている人間は見返りを求める
"神"が報われる世界を願う
2022年劇場鑑賞49本目 優秀作 72点
吉田監督待望の今作。
吉田さん本当に多才ですよね、今作を撮影するにあたってYouTubeについて勉強しただとか。
様々なジャンルを高水準で排出しているのは、そのリサーチ力と現代のニーズをしっかりと捉える力を兼ね揃えているのが大きいんだと思います。
作品についてですが、主演二人がまあハマり役すぎる。
日本でこの二人以外には考えられないくらい相応しい演技で、ムロさんは八方美人な中年おじさんで、どこか岸井ゆきのに憧れていて、ある種の恋模様を上手に演じていたし、岸井ゆきのも愛がなんだからというと、言ったら悪いけど、現代に沢山いそうな中の下くらいの女子を演じさせたら右に出る者はいないですね。
当方数年前に八方美人を脱去しようと徐々に拭えてきたのですが、やはりまだ自分の中でその要素が蔓延んでいるので、ムロさんのキャラクターがよくわかる。
しかも鑑賞当時今作のような女性というか、広く見たら近しい環境の恋愛をしていたこともあって特に響いたのを覚えています。
自分で言うのもなんですが、真っ直ぐで一途で真面目で健気で誠実な人が報われる、最後の最後だけでもいいからそんな人が選ばれる世の中であってほしいなあと切に願います。
脱線しましたが、今作素晴らしいです、是非。
多面的なキャラ
自分の気持ちの本当の蓋をして、 相手のために、断れないから、自分の...
恩を仇で返す貴重なサンプル
自分の居場所を見つけるため、輝くため
日々頑張ってる底辺Youtuberのゆりちゃん。
辛辣なコメントにも負けず、面白動画Up中。
登録者も増えず、苦戦中・・・
そんな時、神に出会うー
企画、編集、諸経費、示談金・・・
諸々協力してくれる田母神さん
見返りを求めない、めちゃくちゃいい人!!
編集パートナーを変えたゆりちゃん・・・
どんどん険悪な雰囲気になっていく。
あんな風に邪険にされたら
仏様、田母神さんもキレちゃうよ~
恩を仇で返すってサンプル事例は
この映画ですよ~
酷すぎるよ、ゆりちゃん(涙)
再生回数、登録者数増加は人を変えちゃうね・・・
ゆりちゃん、激変!?
田母神さんの狂気に満ちた反撃が始まる・・・
泥仕合の結末は!?
人の善意、悪意を見せつけられた良作でした。
人の悪口を伝達する男は嫌いだね・・・
自分も知らない所で言っているかも。
反省しなくては。
握手会の女の子が言葉が印象的だったなぁ
面白動画が瞬発力が勝負なので、
映画のように何年も残り続けるものではないけど
今、この一瞬を楽しんでるかじゃないですか?って
壮絶な状況の中、
最終的に自分の力で今の地位を
築いたのではないって気づいた、
ゆりちゃんの今後を見たい。
・・・というか、語りたいですね。この映画。
身体張ってるな~岸井ゆきの
ボディーペイント!?
見返りを求める男、恩をあだで返す女、そして悪口を伝聞する男
特別に仕組まれたとか、奥が深いとか、
卓越した脚本だとも思えないのですが、
興味持って最後までみせる圧(熱)のある映画でした。
YouTuberが子供たちの「なりたい職業」の上位に
選ばれる今、見過ごせない題材ですね。
YouTuberとして再生回数の少なさを悩む岸井ゆきの。
「人気YouTuberへの道」を親身になって支えるムロツヨシ。
お互いに存在を必要とする蜜月を経て、
岸井の人気が出たことで、付き合いが広くなり
偉そうになっていく岸井。
そしてムロを蔑ろにして行く。
結果、ムロツヨシは今までの善意のサポートから、
「見返りを求める男」に変わってしまう。
それにしてもひとは、こうも自己顕示欲の強い生き物に
変わったのでしょう!
Twitter、Facebook、Twitter等のSNSを、
ごく普通に平凡な人々が発信する風潮が大きいのでしょうか。
互いに相手への誹謗中傷をYouTubeでやり合う・・・
中傷合戦!
それは見知らぬ閲覧者も巻き込み、不測の事態へ。
それにしてもムロツヨシは、お人好しの度が過ぎるし、
人気者になり性格が豹変する岸井ゆきのの演技も
憎々しくて、腹が立つほど真に迫りました。
若葉竜也の「悪口を伝言する男」の悪意なきお喋り。
軽薄すぎて、こういう人、いますよねー。
ラストに向かって、
ゆりちゃんの事故・・・半ば期待した結果なのですが、
うーん、そこまで痛ぶっちゃいますかねー。
田母神の人生はもう修復不可能・・・
ですよね。
この映画が悲劇なのか?
喜劇なのか?
平凡なラストか?
でもよく考えると、
やはりムロツヨシの田母神・・・
ムロツヨシだから出来た秀逸なラスト、
監督は計算し尽くした、
そう思いました。
前作『空白』に続き、毒気の収縮には人の良さが垣間見えて物足りません。
「BLUE/ブルー」「空白」など、次々と話題作を送り出す吉田恵輔監督の新作はユーチューバーが題材です。緊迫感や凄みは薄めですが、再生回数に右往左往する人々の醜さ、善意の裏にある危うさをえぐり出していく作品でした。
イベント会社勤務の田母神(ムロツヨシ)はどんな頼まれごとも嫌がらず引き受け、「神」と呼ばれる存在でした。そんな田母神は、友人から合コンに誘われます。そこでユーチューバーのゆりちゃん(岸井ゆきの)と出会うことに。田母神は登録者数が伸びないゆりちゃんを不憫に思い、見返りを求めずに手伝って、感謝されることに喜びを感じていたのでしたが…。
しかし、ゆりちゃんはある動画をきっかけに、人気ユーチューバーとのコラボの機会に恵まれ、自身もバズって人気者となり、田母神だけが置き去りに。売れっ子になったゆりちゃんは、もっとプロデュース能力に長けた人間が現れると、あっさり田母神を捨てしまうのでした。
ゆりちゃんを巡って、見返りを求める男と恩をあだで返す女に変貌した2人。さらに周囲の人たちの裏の側面もあぶり出して不快感を拡幅させていきます。
欲望に忠実に行動する若い女性を、岸井が小悪魔的に演じていて、マズる前と後との落差が別人のようで、とても印象的でした。
ムロは吉田監督の「ヒメアノ~ル」でも、嫉妬ゆえの狂気をのぞかせていましたが、今作は、より複雑な感情の揺れを見せています。「いい人」の皮がむけ、抑えていた不満が爆発し、優里を激しく攻撃するのです。その爆発ぶりは圧巻です。ただその裏には、報われない愛を隠して見えて、ムロの演技は凄いなと思えました。
ただそれにしても、この2人の行動はとこか幼稚です。なにしろ自撮り棒でスマホをかざしあいながら対決する場面は、双方必死な分、醜悪で、滑稽で、笑ってしまいます。そんな泥臭い人間ドラマになっていました。
建前と本音、憧れと嫉妬が、憎悪や嫌悪の感情にエスカレートし、人の見たくない部分をさらけ出す展開は吉田恵輔監督ならではといえそうです。
結局2人は元には戻らないまでも、互いに過ごした時間や思いにほだされてか、自分を取り戻そうとして矛を収めようとします。その直後に2人が受ける身体的苦痛は、ありがちな展開すぎてやや凡庸。ムリムリにこのふたりの愛憎にピリオドを打たなくてはいけないエンドを迎えて、それが見つからなくて、とってつけたような終わり方を持ってきた感じがしました。
ほどほどの暴走感はありますが、前作『空白』に続き、毒気の収縮には人の良さが垣間見えて物足りません。
人間の愚かさや情けなさを、気まずいユーモアとともに描き出す監督の持ち味が全編に。過剰ともいえるエンディンクには若干引きつつも、人ごととして突き放す気持ちにはなれませんでした。
また加えて本作では、ユーチューバーの捉え方は決して好意的ではありません。それは、監督の自己主張というよりも、たびたび問題を起こしてニュースを騒がせる、歴史の浅いユーチューバー文化への、われわれの不信感や不安の世相を投影したものといえるでしょう。
なかでもゆりちゃんの自己承認欲求の強さが招いてしまう果てにあるものには、考えさせられます。彼女が憧れコラボをする人気ユーチューバーは、危険ないたずらをするお騒がせ系チャンネルだったのです。こういったチャンネルがすぐに飽きられより過激さを追求していくのは目に見えているのです。そのためか、人気ものになったゆりのチャンネルの映像加工は、どんどん品がなくなりなっていくのです。それでも人気が落ちていくと、次第に身体を張った危険な露出にエスカレートしていくのでした。そんなところに同じ映像の送り手としての、吉田監督の警鐘を鳴らしたい思いが込められていたのではないでしょうか。
田母神さんの行動原理に共感出来ない
塚口サンサン劇場にて鑑賞。『純喫茶磯辺』や『さんかく』等で瑞々しい演出をしておられた吉田恵輔監督の最新作だと云うことで鑑賞しましたが、YouTuber達の作成する動画や、所々にインサートされるお色気ショットなどに陳腐さを覚え鼻白みました。ムロツヨシさん演じる田母神の行動原理が曖昧で、エキセントリック過ぎて全く共感出来ませんでした。心の優しい普通の中年男性がなにかの出来事をきっかけにストーカーに豹変する薄気味悪さを描きたかったのでしょうが、手垢の付いたモチーフで目新しさは感じませんでした。岸井ゆきのさん演じるストーカーをされる側のゆりちゃんも、ストーカー防止法について動画の中で説明しながら、一切、警察に相談をしなかったのはわけが分かりませんでした。相談した上でお話が転がっていくのであれば、まだ鑑賞に耐えれたのですが全くしない。なぜ? としか思えませんでした。ムロさんの怪演と、岸井ゆきのさんの体当たりアクトは素晴らしかったので★ひとつオマケしました。脇を固める演者さん達が自分には知らない人ばかりで、画角も狭く、低予算で作られた映画だと感じました。ミニシアター向け邦画の凋落は、サブスクや、人気マンガのアニメ化作品や、人形マンガのブロックバスター方式の実写大作、コロナの影響など様々な要因が考えられますが、一抹の寂寥感を覚えました。ミニシアター向け邦画よ。もっと頑張ってくださいね!
気持ちは分からなくもない
善意を踏みにじられて、気持ちは分からなくもないと、世代的にもムロツヨシに共感しながら観てしまいました。
ブラックユーモアの挟み具合も良いと思います。
ムロツヨシや岸井ゆきのの演技、自然に豹変してゆく振り幅や、言葉で全部説明せずに表情や佇まいなど映像で伝える演出も、やはり良いです。
その一言が欲しい、それで救われる、という思いにはグッときます。
タイトルは、神は物理的な見返りは求めないものの、信心や感謝などの見返りを求めているということでしょうか。
ラストは、笑っていいのかなんなのか、あの思い出が心の拠り所なのか、奇妙な不穏なビジュアルながら、切なくなりました。
見返りを求めなかった訳では…
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