劇場公開日 2022年6月24日

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「過去と他人は変えられない」神は見返りを求める talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0過去と他人は変えられない

2024年1月11日
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鑑賞方法:DVD/BD

この言葉を思い出しました。評論子は。本作を観終わって。
カナダの精神科医エリック・バーンの言葉なのだそうですけれども。

いかに登録者数を確保するために奇抜なアイディアに傾倒していったからとはいえ、田母神としては、優里がそういう立ち居振舞いをする人物だと分かった時点で、「所詮は彼女はそういう人間」と割りきるべきだったのでしょうね。
いみじくも、作中で優里が指摘したように、ストーカーみたいな真似なんかしないで。

彼女の場合は、元々そういう考え方をする人だったのかも知れませんが、人気デザイナー(?)の村上という、いわば「助燃剤」が加わって、余計に燃え上がってしまったんじゃあないかと思える節も、ないわけではありませんけれども。

しかしそれにしても、「誠意」とか「善意」とかなんて、返しようがないじゃあないですか。求められたって。
それこそ「無理難題」というものでしょう。

「変えられない他人を変えようとして、反対に自分が変質してしまうというのは、むしろ不幸な話」ということを、地でいくようなストーリーだったと思いました。本作は。評論子は。
(そういえば「縁なき衆生は度しがたし」という言葉もありましたっけ。)

他のレビュアー諸氏が指摘しているとおり「観終わって、すっきり爽やか」という一本では間違いなくありませんけれども。
「自分と他者との関係性」ということについて評論子自身にも再認識させてもらえたという意味では、「カネ返せ」「時間を返せ」という一本ではなかったのかも知れないと思います。

加えて、登録者数だけがモノをいうユーチューバーの世界(?)では、現実にこんな愛憎劇が起きても、不思議ではないとも思いました。
作中の優里の「どうせ今だけちやほやされるコンテンツと思って見下してるんでしょ。あたしたち、馬鹿以下の内容でも、毎日アタマ抱えて、寝る間も惜しんでやってるの」というセリフからは、その世界での生き残りの厳しさも垣間(かいま)見え、こんな種々の愛憎劇が起きても不思議ではないのかなぁとも思いました。

そのことに警鐘を鳴らすという製作意図も、もし本作にあったとすれば、観終わって幸せな、楽しい気分になれる作品ではなかったにせよ、それはそれで、良作としての評価が可能なのかとも思いました。評論子は。

(追記)
あと、「ありがとうって、ひとこと言って欲しかっだけ」というような田母神の台詞が、どこかにあったような記憶がありますけれども。
(評論子の思い込みであれば、ゴメンナサイ。)

しかし、ありがとうを言って欲しくて親切をするなら、その親切は、最初からしない方がいいと思います。評論子は。
「自分が勝手にした親切なんだから、ありがとうも言われないのが、ふつう」くらいの押さえにしておかなければ、本作のような軋轢(?)は、避けられないのではないでしょうか。

人のお世話にならぬよう。
人のお世話をするように。
そして、報いを求めぬように。

もし、そう思えないなら、人への親切なんて、よしておいた方がいいと思います。

(追々記)
せめてもの験(げん)直しとして、上記のエリック・バーンの言葉を、おしまいまで引用しておきたいと思います。
「過去と他人は変えられない。あなたが変えられるのは、自分自身と未来だ」

talkie
トミーさんのコメント
2024年1月13日

共感ありがとうございます。
大分前に観た作品なので、今ふと浮かんだのが虚しいモノにしがみついてるなあという印象。女の子も反響が薄くなると脱ぎましょか?と平気で言い出す。大火傷したのに懲りてない風なのはあ~あと思いながらもちょっと感心しました。

トミー